会社を変えようと思うものの、いざ、やるぞ!と思ったとき、固まってしまった経験はありませんか?
どうありたいかがある程度分かっていても、何をやればそうなるかがわからない。
そんな時、他社の事例を参考にすることがあります。
けど、それって、結構注意しなければならないことも多いようです。
そのことを身を持って体験しました。
私の著書です。
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世の中には、同業種・異業種含めて
「すごくいいことやってるなぁ。」「上手く仕組み化できてるなぁ。」
と思う事例がたくさんあります。
それを手っ取り早く真似すれば、あんな風になれるかな?
なんて幻想を抱くんですが、実際はなかなかそうも言えないようです。
これが、作業レベルの話であったり、小手先の話だったら全然OKなんです。
しかし、本質的な内容になってくると、真似をすることで、迷宮にはまってしまう可能性があります。
例えば、私の会社は、理念の浸透のためにリッツカールトンの真似をしました。
具体的には、
- 経営理念の解説書を作成し、理念と仕事がどうつながるかを社内に説明
- 毎朝経営理念を唱和する。
- 行動指針的なものを作っており(仕事のこだわりという名称)、日替わりでピックアップして各員によるスピーチ
- 毎週、「仕事のこだわり」に沿った行動を行った人を、「こだわり大賞」と称して表彰
といった事をやっていました。
これ、私の目に映ったリッツカールトンの「クレド」と呼ばれる、理念浸透の仕組をほぼそのまま取り入れたつもりでした。
恐らく、5年くらいは毎朝継続していると思います。
で、何が起こったと思いますか?
実は、何も変わらなかったんです。
行事としてやってはいるけど、内容は形骸化。
ほとんど上の空で、行事をこなしている感じなんです。
なぜ、5年も無駄に見える時間を費やすことになったんでしょうか。
改めて考えてみると、4つの理由が浮上してきました。
一つめは、効果が見えないことに対して、その方法を見直す機会を作らなかったこと。
二つ目は、全ての動作を真似できなかったこと。
というのも、改めて見直してみると、リッツカールトンはこういった朝礼だけでなく、折につけ理念を見直したり、学ぶ機会をミーティングという形をとって随分多くの時間を割いているようです。
ミーティング嫌いの私は、そこ削ぎ落して真似をしちゃったんですね。
三つ目は、目に見える仕組みの裏側にある考え方までは、見えないことが多いという事。
で、最後の一つは、
その分野に対するリーダーの熱量です。
わかりやすく言うと、どれだけ強い思いを持っているか?という事だと私は感じています。
ある程度社員に浸透し始めれば、リーダーの熱量はさほど大きくなくてもよいのかもしれませんが、
当たり前の話ですが、初めに物事を動かすにはそれなりの熱量を持たなければ人には伝わらない、
という事ではないかと思います。
何となく良さそうだからやってみた…では、残念ながら(?)人は動かないようです。
そんなの当たり前でしょ?という人もいるかもしれないし、
精神論を言われても・・・という人もいるでしょう。(私も精神論は嫌いです(;^_^A)
けど、そんな当たり前のことが、「仕組」にフォーカスしすぎることで、見えなくなってしまう事もあるようです。
熱量と、それを実現する仕組みのバランス。
もし、大きな改革が上手く行かないことがあったとしたら、見直してみるとよいかもしれません。
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