見ていない世界は見えない、という話

おかげさまで本を出版することができました。
ありがとうございます。
いろんな方からご感想を頂けるのは嬉しいものです。

しかし、そのご感想を伺っているとなるほど、と思うことがあります。

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直接の知人・友人の中には、義理というかお付き合いで拙著を買っていただいたいる方も多いと思います。
逆に、押し売りに近い形で売り込んだ相手もいます(苦笑)
たいていそういう方は読んでないんだろうな、と思ってましたが読んでくれているであろう人もいるらしく割と具体的な感想を頂くことがあります。
その人それぞれで共感するポイントや、気になった記述は違うところなのですが、人によってどうも理解の仕方が違うようなのです。

ある方は、文面そのままの受け取り方をしていただいてますし、
ある方は、割と深く行間を読んでくださってます。
なかには、「え?」と思うような思考の飛躍があったり、
あれをそう読むんだ、と驚くような読み方をされる方もいます。

 

本なんてものは、自分の手を離れた瞬間から、自分のものではなくなります。
「こういう風に読んでほしい、こういう風に感じてほしい」
というのは著者の押し付けでしかありません。
読み物である以上、読み手にとっての解釈がその本のすべてです。

となると、一冊の本、一行の文章も、人によって相当にとらえ方が違うことに気付きます。
考えてみれば、私も10年前に読んだ本を読み返すと、当時感銘を受けた部分はさらっと読み流していたり、今まで何も感じなかった部分に妙に共感したりすることに気付きます。
結局、情報というのはあくまで触媒であって、人は読みたくない情報は取り込まないし、読んでいるふりをしてスルーすることもあるものです。

特に本書は、親と自分の内面に入って行く話が多いので、一般的には「見たくない」情報がけっこう多いです。
それを拒絶している人にとっては、たぶん、薄っぺらい話にしか見えない内容も多いかもしれません。
一方、実際に後継者として活躍され、親との考え方にずれを感じている人は、本書を読んで混乱される方が結構いらっしゃるようです。
混乱自体は悪いことではありません。
今まで固まっていた脳内の知識のパズルがいったん崩されている証なので、再構築されるときに新たな回路が出来上がるはずです。
すると今までとは違うものの見方ができるようになっている可能性はあると思います。

私自身の体験として、見ようとしない世界は見えない。
見えないということは、例えばそこに問題があったとしてもその問題には気づけないのです。
そしてその問題には気づけない以上、何か対応することもできない。
これが私たちの身の回りには、けっこうな頻度で起こっているように思います。

Lennart DemesによるPixabayからの画像

 

 

 

 

たとえば、このところ単純なミスばかり繰り返す社員がいたとしましょう。
目に見えるのは、彼がミスばかりする姿です。
上司としては、彼の気のゆるみが問題だと感じて、しかりつける。
これ、見えてる世界は、気の緩んだ部下がいるから、その部下のねじを締めた、という話です。

本人も、なぜこんな単純なミスをおかすのだろう、と悩んでいたとします。
その原因が例えば、自分でも自覚症状のない脳の病気だったとしたらどうでしょう。
上司である私がいくら怒鳴りつけようが、本人がいくら気を付けようが、ミスは治るはずがありません。
必要なのは、脳の治療です。

それでもそのことが「見えていなければ」何の対策もできません。
あたりまえですね。
見えていない、気づいていないことへの対処はできません。

 

実はこういったことが、実生活で沢山起こっていたりします。
親子の問題は、実は自分たちが気づきえないところに原因があるとか。
そこに気付くことができると、何かしらの対応が可能になります。
そんなキッカケになればいいな、と思っております。

 

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