後継者にとっての思いを言葉にする力

後継者に限らず、リーダーとなる人に大事なもの。
それは思いを言葉にすることだと思います。
「察してほしい」という思いはわからないでもありませんが、たいていはその期待は裏切られます。
周囲の人も読もうとする部分はあるでしょうが、正しく相手の思いを読み取れる人のほうが少ないし、読み取らないほうが都合がいいのかもしれません。
なかなか後継者の思いどおりにはいきませんね。

一方で、後継者の傾向として、言いたいこともつい口をつぐんでしまう事がないでしょうか。
社員にちょっと言いたいんだけど、黙ってみる。
先代社長に言いたいことがあるんだけど、口をとがらせつつも黙り込んでみる。
そんな事があるとしたら、それらを口に出してみる練習をしたほうがいいのかもしれません。

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口に出して言う、というのは結構大事なことです。
それをしないから例えば、配偶者と、お子さんと、あるいは親や上司と、部下や仲間と、要らぬいさかいを起こしてしまいがちです。
私の経験で言うとこんなことがありました。
お客様とのトラブル対応で、親である先代と情報を共有していました。
そこで親である先代はそのお客様のところに電話をした様子だったので、てっきり私は話を納めてくれたのか、と思っていました。
しかし実際はそうでなく、待たされていたお客様はカンカンに起こってしまいました。

この原因というのが、「やってくれてるだろう」という勝手な思い込みをし、そのことをきちんと確認しなかった私にあります。
先代は先代で、報告を受けたうえでどうするか(私が自分で対処すべきとか、先代が話をしてみるとか)を明確に言葉に出していれば私も勝手な思い込みから抜けられたかもしれません。
誰がやるとかやらないとか、どうしたほうがいいという考えがあるのかないのか、どういう方向を目指しているとかいないとか、そういうことをちゃんと言葉に出すことは思いのほか大事なんだと思います。
たったわずかな確認を怠ったが故、問題が大きくなることは良くなる話です。

また、会社の方向性についても、「自分はこんな風に思っている」ということをかつて一回語ったのだから、社員はそれを理解しているはず、とおもう後継者は多いでしょう。
しかし実際のところ、社員にとってはたった一回言われただけでは伝わっていないことの方が多い。
大事なのは、いったか言わないかよりもむしろ、伝わっているかどうか。
なのに、その前提である「言う」という事さえできていないことが多いのです。

そういうと、後継者は社員を集めて、パワポの資料を作り、「会社の方針はこうだ―!」と大きな話をしがちです。
もちろんそれも大事ですが、それはあくまでもスタートとして、やっぱり伝わるまで言い続ける必要があるんじゃないかと思います。

けど、人に何かを言うとか、注意するとか、伝えるというのは、人によっては結構なストレスになることがあります。
それでもやっぱりこれはトレーニングと割り切って、いう癖をつけたいところです。
そして言いたいことは貯めないこと。
気付いたその場で、相手を責めることなく伝える。
これを気を付けていくとだんだんと風通しが良くなります。
私自身十分できてるとはいいがたいですが、これは日ごろの注意だと思います。

決してうまい表現を使うという意味ではなくて、ちゃんと腹の中の気持ちを言語化して伝えるという事をする努力は、後継者にとって大事だと思います。
語彙力が十分でないこともあるかもしれませんが、案外たどたどしく思いを話すほうが伝わることもあります。
流ちょうなだけが話力ではないと私は思っています。

言葉にして発するという事を日頃から意識したいですね。

   

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