後継者

過去から社内にある決めごとを後継者はどう扱うか

3月の最終週。
ちょうど多くの企業が決算を迎えます。
あの会社も、この会社も、ウチの会社も決算。

3月末といい、年末といい、多くの人や企業が同時に区切りを迎えるので、
誰もかれもがバタバタで、道路は殺気立っています。
けど、ある時、ふと思ったことがあります。
なぜ、当社は3月決算なのだろうか?と。

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父が創業した会社は3月決算。
毎年、3月末はてんやわんやなんです。
保険の販売なので期末の追い込み。
お客様も多くは決算なので、そういった節目での保険の見直しの要望。
決算における、各種対策のご相談。

そしてややこしいことに、3月の業績に対する売上(販売手数料)が振り込まれるのは翌月以降。
3月末ギリギリまで新規契約で走り、それが終わった時には、
どれだけの収入があるかはざっくりした形でしかわかりません。

つまり、決算対策が取れないわけです。

 

結果として、消耗品買ったり、
先々の活用の検討もなく訳の分からないものに使ったり、
使い切れないノベリティグッズを買ってみたり。
まったく、ムダ以外の何物でもない行為を何年も繰り返していました。

私の感覚からすると、売り上げの一番多い月を決算にするというのは、
いかがなものかと思うのです。

 

一度、先代に聞いたことがありました。
なぜ、3月に決算をするのか、と。
「それは、保険会社(メーカー)の決算が3月だから」
という私にとっては理解不能な回答でした。

 

もちろん、起業時には検討事項がありすぎて、
「ま、決算はみんなと同じ3月末で」
と適当に決めるのは仕方がないと思います。
しかし、毎年バタバタしてる中で、
営業もやり、決算もやり、
税理士は税理士でほとんどの会社が3月決算なので、
忙しすぎて相談も十分できない。
そんなタイミングで決算をする意味が解りません。

ということで、決算を変える提案をしたわけです。
すると、一度短期で決算しなければならないから、
税理士に払うお金がもったいない・・・というのは経理をしていた母。

どうせ黒字の決算になるのだったら、次の販売につながることをしたい。
そう提案すると、だからノベリティグッズを買う、と父。
たぶん、父のボキャブラリーの中では、販促といえばノベリティとかいうものしか浮かばない。
WEB上のサービスとか、そういったところに思いが至らないんですね。

つまり、両親としては自分の価値観の中では最善のことをやっている。
しかし、子である私から見ると、どうも的外れに見える。

未だ、継いだ会社は3月決算。
まあ私にとっては、ここで意地を張るより、他に変えたいことがたくさんありました。
だからそのうちでいいかな、と思ってます。

ただこの件はともかくとして、ちょっと面白現象を目にすることがあります。

私が先代に、何度か話をしたことがあるとします。
今までこうやってきたけど、こうするべきではないか?的話です。
で、その時にはたいていうやむやになるんです。
しかし、何か月とか、何年かたったのち、先代からの提案として実現することがあります。

「最近思うんやけど、こういうのをやってみたらどうだろう・・・」
と先代。

「それ、3年前に僕が言ってたことじゃないですか」
と私。

面白いですね。
潜在意識に刻まれてるのでしょうか。
暗示になっていたのでしょうか。
あたかも自分が考えたことのように語ってました(笑)

どうしても今すぐ何とかしなければならない、ということは強硬に押すことはもちろんあります。
けど、多少なりとも余裕をもてることは、強硬に対立しなくても、
暗示をかけておくと、数年後「自分の意見として」言い出すこともあるようです。
怪しげに聞こえる話かもしれませんが、私がそんなことを経験したのは一度や二度ではありません。
その場で結論を出さずとも、何度も言い聞かせたのち、少し寝かせる。
これ、けっこう効きます。

 

え?待てない?
そうですね、今すぐ何とかしたいことはいろいろとありますね。
けど、それを強行に突き付けると、ケンカになるわけでしょ?
結果、あなたの想いは実現しない。
どうせ実現しないことなら、「オヤジのお手並み拝見」的に高みの見物でもいいんじゃないでしょうか。
ちょっとゆったりとした気持ちで、まあ、なんとかなるさ、的いい加減さで対応できると結構楽ですよ。
それで被害を被るのは自分じゃないか!?
そういいたい気持ちはわかりますけど、何とかしましょう。

今私たちの視界の中心には先代がいます。
しかし、判断ミス、作業ミス、仕事のミス、いろんなミスをやらかすのは先代だけじゃありません。
先代のミスさえも、何とかしてやるさ。
そんな心の余裕を持つことが、経営者の第一歩なのかもしれませんね。

 

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