後継者

後継者が悩んだときにわずかな時間でできるたった一つの試み

後継者は悩み多い存在だと思います。
悩みの内容は、会社の将来のこと、マネジメントの問題、金銭的な心配事や、人間関係の問題、あるいは先代との意見の食い違いや、方向性が見えないと言ったことまで多岐にわたります。
多くの場合、複数の悩みが複雑に絡み合い、連鎖しながら大きくなって私たちを焦らせます。
そんな状況で頭が沸騰しかけたとき、試していただきたいたった一つのことがあります。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

沢山の悩みが複雑に絡み合っているとき、やるべきことはその悩みを一つ一つ紐解いていくことだったりするのですが、なかなか感情的に追い詰められているときそういった作業は難しいと思われます。
そんな時に試していただきたいことが、「止まって、観る」という事です。
なんのこっちゃ?と思われる方も多いと思いますが、言葉通りなんです。

まず、止まるという事は、まさに何もせず、何も考えないという事。
会社に来て、社員が働きだしているいつもの景色の中で、数分というわずかな時間でもいいのでただその時の様子を五感をフルに使って感じ取ってみてください。
眼で見える光景は、どんなものでしょうか?
従業員さん一人一人の動き、会社の中の什器備品、掃除や整理整頓の状態、設備や機械の状態など。
耳に入る光景は、どんなものでしょうか?
社員同士の会話、お客様とのやり取りの様子、その他の機械音や人が断てる物音など。
匂い、様々なものの手触り感覚など、とにかく感じ取れるものすべてを感じるようにしてみてください。

この時に大事なのは、感情や判断を交えないという事。
社員のお客様とのやり取りが例えば雑だったとしても、「雑だなぁ」とか「しっかりやれよ」とか、「ダメじゃないか」なんて考えない。
ただ、ある事実をそのまま受け取ってみるよう気をつけます。

眼に見る光景も、社員の動きが鈍いとか、備品の整頓ができていないとかいう判断を挟むのではなく、今ある状況をそのまんま受け取ります。

実は私たちは、五感から受け取った情報について即座に自分独自の判断を下しながら処理しています。
たとえば、ある社員は自分が「これがいい」と思ってやっていることが、後継者である私たちにとっては「なんでそうなる!?」といった行動になっていることも少なからずあります。
普段ならそこで、社員に注意するか、この社員を疎ましがるか、まあそんな感じの対応になりがちですが、それをいいとも悪いとも決めつけず受け取るという事を注意してやってみます。

3分~5分ただ五感に集中し、事実をただ事実として受け止めていると、だんだんと今まで見えなかったものが見えてきたりします。
問題社員が問題を起こすのは、実はこういうカラクリがあったのか。
会社の生産性が上がらないのは、こういう理由からかもしれない。
そんな、日頃は「良い」「悪い」、「好き」「嫌い」でバッサリ切っていたものの裏にあるものが徐々に見えてきたりします。
今までは表面的なところを何とかしようと奮闘してきたことが、もっと本質的なことに気付くようになったりもします。

日ごろわたしたちは、しっかり状況を捉え、判断し、答えを出すという動作をほとんどしていません。
反射的にほとんど何も考えず結論を出していることがほとんどです。
それはつまり、いつも同じパターンを繰り返していることになりますから、そこから抜けるには意識して行動を選択する必要があります。
そのために、「止まって」「観る」という動作が必要なのです。

物は試しです。
たった数分のことですので、早速試してみてください。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

関連記事

  1. 跡継ぎに「やる気」はいらない

  2. 家業を継ぐか継がないかで迷ったときに考えたいこと~論理的には判断できな…

  3. 先代が後継者である自分にバトンを渡してくれないという二代目の悩み

  4. 会社を大きく発展させた家業の跡継ぎ後継者の共通点

  5. 後継者・二代目経営者の親からの卒業

  6. 後継者・二代目経営者が意外と使えていない「自分の強み」

  7. 後継者が親に対しての劣等感・罪悪感を認めることで起こる効果

  8. 組織が抵抗を起こさない変化のさせ方 ~後継者・二代目経営者が会社を変化…