よく語られる話があります。
それは、後継社長は、創業者(先代)の想いを継ぐことが大事、という話。
もちろん、それをできればいい。
しかし、会社を継ぐ過程で親である先代との関係はこじれることが少なくありません。
そんな状態で、先代の想いを継ぐ、という事が果たして後継者にとってのモチベーションとなるのでしょうか?
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よく言われるのは、事業承継とは、創業者の想いを継ぐこと。
私もそこそこ実務をこなせるようになった時、そのことを意識し始めました。
じゃあ、先代の想いってなに?と考えるわけです。
先代にインタビューもしました。
ハッキリ言ってよくわからない(笑)
出てくる言葉は、いかにして自分がゼロから会社をここまで切り盛りしてきたか。
どんな苦しい思いをしてきたか。
そんな話です。
単純に考えると、わたしにはこんな風に見えました。
自分が豊かになるために会社を興したんじゃないか、と。
だとすると、どうもそこに引き継ぐべき思いがあるとは思えないのです。
なにしろ、超個人的な自己実現欲求です。
もちろん、会社に対する愛情はあるのでしょう。
仕事に対する愛情はあるのでしょう。
じゃあ、後継者は仕事を愛せばいいのか?
どうもそれもピンとこないわけです。
一方、そんな事を考えるほどに余裕が出てくると、後継者・二代目経営者の前にはもっと現実的な問題が出てきます。
親である先代との不仲です。
はじめのうちは、仕事に対する考え方の違い程度の話なのですが、段々とプライベートも疎遠になる。
それは次第に、後継者の配偶者や子供を巻き込んで、家族の関係はガタガタになる事だってあります。
協力し合い、助け合うはずの関係が、
反目しあい、憎しみ合う関係になっていく。
決して珍しい話ではありません。
そんな状態で、
「後継者は創業者(先代)の想いを継ぐべし」
などと教科書通りの事を言われるわけです。
けど、けっこう素直なんで、後継者の方はそうしなければならない・・・
そう思い込んでしまうわけです。
それって、苦行じゃありませんか?
親子の関係はグラグラ。
会社の中はガタガタ。
自分の心はユラユラ。
あまり良い感情を持ってない親のために働く。
そんな、普通ならやりそうもない事を、疑いもなくやろうとしてるわけです。
そんな時は、一旦気持ちをリセットしてみてはいかがでしょうか。
自分は二代目だからとか、後継者だからとか、そういう思い込みはナシ。
親の想いを継ぐとか、そういった小難しい話もナシ。
ただ、自分がやれることを、やりたいようにやってみる。
そんな風に頭の中を整理してみてはいかがでしょうか。
そうすると、たぶん、言いようのない不安が襲ってくると思います。
え、こんなことやってもいいんだろうか?的な。
たとえて言うなら、学校をずる休みしてしまったような罪悪感に似た感覚です。
そんな感覚が襲ってきた時には、その感覚に流されると元の木阿弥。
襲ってくる罪悪感に、反論してみてください。
やっちゃいけないって誰が決めたんだ?と。
そうすると、その罪悪感が意外と根拠のないものであることがわかります。
私が子供のころ、こんなことがありました。
私は長男です。
ですから、例えば学生時代に夜、家に帰らなかったことがありました。
初めてそんな事をした日には、大騒動でした(笑)
しかし、何度かやれば親もなれます。
ごく普通の事となっていきました。
次男以降は、同じことをやってもだれも驚きません。
言いつけ通りするしっかり者のあなたが、親に反旗を翻すと、
はじめのうちはいろいろと大変なこともあります。
しかし、徐々にそれが当たり前のことになっていく、というのはどの家庭でも同じでしょう。
半ばあきれられれば、それはそれでこっちのものです。
社会人になったあなたが、親の指図どおりに動くというのも逆に変な感じもしますよね。
話はそれましたが、やっている事が本当に悪い事ならいけませんが、
あなたが正しいと考えてやることに罪悪感を抱く必要がどこにあるのでしょうか。
まずは、あなた自身が罪悪感を感じないよう慣れていく必要があるし、その状態に先代にも慣れてもらう必要があります。
そのためにも、過去とは違った行動を試しにやってみる。
これがとても大事だと思います。
(もちろん、程度の問題はありますが・・・)
さて、表題の「創業者の想いを継がなければならないのか?」という問いに対する答えです。
私の私見ですが、当面はそんなこと考えなくってもいいのではないかと思っています。
ビジネスをする以上、必ずお客様がいます。
そのお客様との関係を常に意識してさえいれば、創業当初の想いと大きくずれることはないでしょう。
だから、お客さまの声に常に注視さえしていれば、おおきく道を誤ることはありません。
それよりもむしろ、後継者という殻のなかで自分の能力を最大限発揮できない事の方が問題です。
リミッターを外し、やりたい放題やる。
そうすると、ほぼ間違いなく「原点」に戻ってくるように思います。
どんな回り道をしたとしても、戻りつくところは恐らく同じところ。
気にせず、羽ばたいてください。
後継者のあなたがまずすべきことは、あなた自身の自由を取り戻す事なのかもしれません。
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