これは会社の後継者に限った話ではありません。
誰しもがそうなのですが、試せばすぐ効果の出そうなノウハウを求めがちです。
楽に稼ぐ、なんて言葉が躍るキャッチコピーを見ると、私もついつい踊らされてしまいます。
そういったテクニックはたぶん、物事を上手にやる手助けにはなると思います。
しかし、本当に私たちに必要なのは、ノウハウやテクニックなのでしょうか。
親の会社を継ぐ後継者の傾向として、スキルやノウハウ、知識を高めたい人が多いと思います。
非常に勉強熱心で、たくさんのことを学ばれています。
そのうえで、「自分程度の勉強をしない奴は価値がない」なんて思っている人はけっこう多いでしょう。
なぜわかるかと言えば、私がそうだったからです。
これはある意味思想みたいなものです。
たとえば、社員に自分の信じる宗教を強要したとしたら、きっと強い反発を受けるでしょう。
後継者が社内で浮きがちになるのは、そういった自分思想を社員に押し付けようとしているから、という側面があるのかもしれません。
少し脱線気味なので話を元に戻しましょう。
スキルやノウハウは、学んで実践すればすぐに効果が出そうな気がしますし、実際に効果は出やすいことが多いと思います。
じゃあ、その「効果」というのは何でしょうか。
売上を上げるとか、社員をまとめるとか、モチベーションを上げるとか、そう言ったことかと思います。
ではここで聞きますが、それはたぶん手段なんだと思います。
会社を経営し、社員が力を合わせて売上を上げる。
これは繰り返しますが手段です。
大事なのはその先に何があるのか、です。
会社として、その事業を営む目的って何なんでしょうか。
そこが見えないと、目標という数値に右往左往し、達成したら次の目標、達成したら次の目標という事で、永遠に「目標との差」ばかりを見ることになってしまいます。
かつて日本の経済が右肩上がりの時代なら、頑張れば会社も右肩上がりだったと思います。
しかし今の時代は、それは難しいことも多く、そうなると会社としての目的が明確である必要があります。
果てしなく売り上げアップを考えるというより、会社としてどんな目的を達成するのですか、という話です。
実は後継者の場合、この、会社の中心となる軸を持ててないケースが多いと思われます。
なにかに駆られて売上を上げたいんだけど、じゃあそれはなぜでしょう。
たぶん、自分の力を認めてほしいとか、功名心的なものでしょうか。
もちろんそれを満たす行動もアリなんですが、それってけどその欲求はどこまで行っても消えないので、ずっとストレスを抱えがちじゃないかと思います。
お父さん・お母さん世代がそういう動きをしているから、私たちもそれをコピーしがちですが、実際のところそれは根本的解決にはなりません。
誰かの目を気にしてやるのではなく、自分として、企業としての在りたい姿をイメージする。
実は後継者が、会社経営にやりがいを感じるために必要なことは、そこじゃないかと思います。
ありたい姿を探求するにおいて、ヒントとなる話を動画で少し語ってみました。
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