後継者

経営理念は経営者の人生観

皆さんの会社には、経営理念はありますか?
経営理念があり、それが経営の中にしっかり息づいているという事ならこの記事はあまり皆さんの参考にはならないと思います。

そんなのない、という人もいると思いますし、
経営理念はあるけど、誰も知らないという人もいるでしょう。
あるし、毎日唱和しているけど全く生かされていないというところもあるかもしれません。

そういった方が考えてみたいことについて少しお話ししたいと思います。

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私は、もう20年くらい前になるか会社の経営理念という物が必要と思い、一生懸命学び、考えました。
先代は自分でビジネスを起業し、従業員はいたもののほぼワンマン経営でした。
つまり、先代社長=会社でしたし、そこに誰も意見を挟む人はいなかったし、すべての判断を先代社長がやっていました。
そのような状況にあっては、経営理念を明文化する価値はあまりなかったのでしょう。
それは行われず、先代社長は会社の頭脳となり、従業員はその手足という事で、事業がひろがってきました。

その会社を私が引き継ぐにあたって、いわゆる全員経営的な方向に舵を切りたいと思っていました。
そういう組織が当時のトレンドになりつつありましたし、そもそも経営者の責任やロードの負担感軽減になるかと思います。
まあ言ってみれば、何でもかんでも一極集中の会社のリーダーになる自信がなくて、そこから逃げるための口実でもあったのですが…

 

そこで、社員一人一人に判断をゆだねるなら、その価値観を明文化した経営理念が必要だと感じ、いろいろ学びました。
色んな会社の経営理念を見ると、たいていは同じような事しか書かれていません。
まずは顧客、社員、そして世の中が良くなるように、というのが基本パターン。
どれかをパクろうと思っても今ひとつピンときません。

理念をつくるにあたって考えたのが、「自分はどんな会社にしたいか?」です。
とはいってもイマイチ自分の中でピンとこないところがあって、ある時思ったのは「こんな会社にだけはしたくない!」という事の反対を考えてみよう、という事です。
その当時私が感じていたのは、「会社での仕事がつまらないというのは人生の損失だ」と思っていました。(カミングアウトすると、私は当時仕事を詰まらないと感じていたのですが・・・)
そこで、会社での仕事を楽しくするにはどうするかを考え、社員には「どんな時、仕事をしていてよかったと感じたか?」をヒアリングしました。

結果として導き出されたのは、感謝された瞬間でした。
じゃあ、感謝される企業になろう、というところを経営理念の中心という事に据えよう、という風に考えました。
これが私が現在の会社の経営理念をまとめた最初の一歩です。

これが正しいかどうかはわかりませんが、経営理念というのは経営者の人生観を反映したものになるような気がします。
だから、逆にすでに経営理念がある会社であるならば、そこには先代の人生観が反映されている可能性があります。
そこから今まで知ることのなかった先代の価値観をうかがい知ることもあるかもしれません。

先日、あるところで学んだ経営理念の作り方はそれをもっとシンプルにまとめた物でした。
まずは、
①人生観 ②人間観 ③仕事観 ④〇〇観(自身の専門分野における価値観)をいくつか書きだし、気になるキーワードをピックアップしておきます。

さらに、

①自分の人生を使って何をしようとしているか?
②自分の人生でなぜ成功しなければならないか、その先にあるものは何か?
③誰のため、何のため、自分の時間(命)に時間を使うのか?

という質問に答えていき、これらの考え方やキーワードをつかって経営理念を作っていきます。
長すぎず、難しすぎない形で、わかりやすいものに創ったほうが良いようです。

ただこれも、文章にすると結局、色んな会社と似たような文面になる可能性は高いと思います。
けどたんに、形をまねただけではなく、このようなことを一生懸命考えた結果に出てきたものとは、やっぱり自分に対しての重さは変わってくるんじゃないでしょうか。
一周廻って、熟成される側面もあるのではないかと思います。

大事なのは、言葉そのもののみならず、そのバックストーリー。
そう考えると、今、経営理念があるならばそのバックストーリーを聴いたり調べてみるのが大事なのかもしれません。
自ら明文化するなら、自分の生きざまを考えたうえでの経営理念でありたいものです。

   

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