親の会社を継ごうとする後継者が、どうも会社では個性を発揮できない、と感じている人は多いと思います。
そういう人に共通しているのは、「真面目過ぎる」という事ではないでしょか。
後継者たるもの、こうでなければならないとか、
親の会社を継ぐのだから、これぐらいはできなければならないとか、
将来の経営者としてこの程度のことは学ばないとはいけないとか。
これらは大事なことではあるのですが、こういったことを頑張ってることで「真面目過ぎる」という感じを受けたり、周囲から言われることはないでしょうか?
もしそうだとしたら、この後も読み進めて頂ければ、参考になることもあるかもしれません。
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Contents
真面目であるという事は〇〇に忠実であるという事
私たちは後継者という人格を演じている役者?
これは後継者に限ったことではないのですが、親が教育やしつけに厳しい家庭で育ったり、あるいは親との関係が希薄な環境だったりする場合、子どもは「いい子にしていないと自分は愛されない」と思い込むことがあります。後継者の場合、親は仕事が忙しくなかなかかまってもらえなかった関係で、グレるか真面目かのどちらかになるのではないかと思います。
そういった背景があってか、後継者は自分の持っている「後継者たるものこうあるべき」「経営者とはこういうものである」という固定観念を創り出していることが多いのではないでしょうか。
その固定観念を形作るのは例えば、先代から求められていること、顧客から求められてること、従業員からの突き上げ、その他自分が学んだことなどもその要素になろうかと思います。
そうやって作り上げた「後継者像」「経営者像」という役割を、私たち後継者は演じていることが多いと思われます。
そして私たち後継者はそういった役割に忠実です。
私たちが語る言葉は、「在るべき後継者の姿」というキャラクターと言えるかもしれません。
真面目であることで得ているメリット
そういった「後継者」というキャラクターを演じている私たちの言動は、忠実に「後継者」という任務が基本となって生み出されていきます。
私たちが考える後継者は、こういう時にはどうふるまうだろう?そんな思考が瞬時に働き、私たちは私たちの考える後継者の理想像に近くなるよう振る舞います。
無意識にそのような行動をしているのには明らかな理由があります。
それは、そういった行動をすることにメリットがあるという事なのです。
具体的に言うなら、「自分の人格を隠せる」という事です。
なぜ自分の人格を隠す必要があるのかは、この後考えてまいりたいと思います。
自分のための安全地帯
決定的なダメージを受けないために編み出された方法
後継者は、自分が作った「後継者」キャラを演じます。
その理由は、後継者キャラの後ろに自分を隠せるからと言いました。
なぜ、自分を隠すのかというと、実は本当の自分の姿をさらけ出し、その本当の自分が批判されることが怖いからです。
無意識に起こる思考なのでピンとこない人もいるかもしれません。
単純に考えて、「任務に忠実な自分」が批判されても「任務そのものに問題がある」と自分から問題を逸らすことができます。
そこを自分の個性を批判されたら、逃げ道がないからなのです。
だから自身の意見ではなく、役割上必要な意見や振る舞いをする。
これが「真面目過ぎる」という事の弊害なのではないかと思います。
真面目過ぎることを回避するのは不真面目であることではない
「真面目過ぎる」と言われた人が陥りがちなのは「不真面目になればいいのだろうか?」という思い。
そうやって、不真面目に振舞おうとするけど、果たしてそれってどうよ?と思ってしまう。
その違和感は正しいと思います。
実は真面目過ぎる人に必要なのは、任務に忠実すぎる、あるいは自分の抱く後継者像に忠実すぎることから抜け出すことです。
それはすなわち、自分の本当の思いを言葉にする、主張する、行動するという事ではないでしょうか。
しかし、そういわれてもピンとこないかもしれません。
なぜなら、あまりにも自然に私たちは「後継者」の仮面をかぶって物を考え、話すからです。
そんな真面目腐った発言や行動をしそうなときに、まずは自分でそのことに気付くことが大事です。
あ、自分いま真面目っ子しようとしてるな、という事に気付く。
そして気付いたうえで、本当は自分はどう思ってる?という事を問いかけてみます。
はじめのうちは自分の本心が見えなくとも、徐々に見えるようになってくると思います。
ぜひ試してみてください。
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