頑張りすぎる後継者~すべてを自分が何とかしなければならないと思っていませんか?

色んな後継者の方のお話を聞いていると気づくことがあります。
親の会社を子が継ぐにあたって、後継者というのはとても責任感が強く刺激されるんだと思います。
目の前の問題は、すべて自分で解決しなければならない、と思い込んでいる方が多いように思います。

まず結論から申し上げますと、すべてを自分で解決する必要なんてないんです。

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社員からの突き上げを受ける後継者

言いやすいから後継者に不満が伝えられやすい!?

親子での事業承継で、親が社長、子が専務や常務などの役員である場合に良くある話です。
たいてい親はワンマン社長で、けっこう圧の強いタイプ。ガッ!と言葉を発して社員を圧倒し、彼らの意見には耳を傾けるような姿勢は見えない。
そういう場合が非常に多いと思うのですが、この時に社員が持った不満はたいてい後継者にぶつけられます。

直接社長には言えないんだけど、ちょっと優しそうな後継者にはけっこうガンガン言ってくるわけです。
まあこれも「何とかしてもらえるかもしれない」という淡い期待もあるだろうし、これまでそういった会社の不満を言う場所がなかったのでここぞとばかりに行ってくる人もいるでしょう。

私も経験があります。
社員は先代にはとても従順な顔を見せて、「ハイ、ハイ」と素直に指示に従います。その場から先代が去ると途端に私に、「ああはいうけど、そんなことできない」「あんなことをするならもっと給与を上げてほしい」とかまあ結構いろんなことを言ってきます。
それを先代と話し合おうとしても、「いちいちそんな事に気をとられるな」みたいな感じで一蹴。
結局私は板挟みとなって、先代のめにふれないところでなんとか社員の機嫌を取るべく労をとるわけです。

結局後継者にできる事は多くはない

社員の要望はいろんなジャンルにわたります。
トイレの設備についてだったり、仕事の進め方だったり、営業と事務や、作業員と事務との連携のことだったり、空調や機械設備についてだったり。
現場の工夫で何とか出来ることばかりならいいのですが、たいていはコストがかかることだったり、全社的な仕組みの見直しをしたりする必要が出てくることも多い。
となると先代なり社長である親が財布を握っているケースが多いので、先代也社長の意向を伺う必要があります。
となるとトイレの改修とかは、後回しにされがちです。

一方で、後継者としては社員から直接要望を受けただけに、その回答をしなければならない。
なのに、その理由を尋ねても先代也社長は今一つ納得感のある話はしてくれないことも多く、けっきょく、どないやねん!?という衝突が起こりがちです。
それでもらちが明かず、結局自分が社員に対して煮え切らない回答をせざるを得なくなってしまう。

先代や社長は、自分のゴルフや飲み会には会社のお金を使うのに、自分が受けた社員の要望にはお金を使う権利もなく、ただ社員から突き上げられるだけ。
なんだかサンドバックのように殴られっぱなしのようでつらい立場になりがちです。

本当に後継者が自分で何とかしなくてはならないのか?

自分でやってしまうことがいいとは限らない

ここで一つ考えたいのは、社員から要望を受けたとき私たちがどうとらえるかです。
一般的には、社員の要望はしっかり聞いたほうがいいと思います。
その結果、ちゃんと要望に応えることが自分の責務と考えがちです。
で、そのことについては自分一人で解決しなければならないと決めつけます。

これ、ちょっと頑張りすぎじゃないですか?

ある時私はそう考えたのです。
後継者だってできる事と出来ないことがあります。
後継者として一生懸命やっているけど、先代社長はだめという。けど社員は求めてくる。
だったらもっとシンプルに考えてみてはいかがでしょうか。

自分なりには頑張っているけど、社長がダメっていうんだよね。
なんとか認めさせるように、一緒に考えてみない?

というのが実は、それなりに普通っぽい考え方じゃないでしょうか。
私たちは、自分が後継者であるから、自分達のことを特別視してるんです。いい意味でも悪い意味でも。
後継者だから何でもやらないといけない、何でもできないと思っているんです。

すべてを自分でやってしまうことの問題

実は、何でもかんでも請け負ってしまうという事には問題もあります。
社員の自主性は失われ、責任感も希薄になるという事です。
社員からの依存度が高くなるのです。

社員は言えば後継者が何とかしてくれると思うから、自分で何とかしようとしなくなります。
この癖は、多くの場合先代の社長との関係の中で培われてきた可能性もありますが、それをさらに強化することになります。
だから後継者は、社内の問題、社員の問題を、すべて自分の問題として受けるのではなく、社内みんなの問題にしていくことが大事なのではないかと思います。
そう考えると、たとえば先代・社長という社内の最後の門番に、みんなでどう対応するかを考えていくフェーズになります。

いうほど簡単にはいかないかもしれませんが、組織づくりを考えるなら自分で全部やってしまうのはちょっと考えなおしたほうがいいかもしれません。

後継者の自虐的心理

こうやって気づいてしまうと「確かに!」と思うのに、ここに気付かなければいつもなんでも自分一人で解決しようとする後継者の心理は一体どこからやってくるのでしょうか。
それはとてもシンプルです。
劣等感が原因だと私は考えています。

会社を経営する器なんて自分にはないかもとか、経営者として未熟であるとか、そんな思い込みがあるから、「せめて出来ることは何でもやらないと」という自虐的な状況に陥りがちです。
そういった思いを取り除くことができれば、少しは楽になるんじゃないかと思います。
そのためには、なんでも請け負おうとしてしんどくなる自分がいることをまずは知ることが大事かと思います。知ればその気持ちは緩みます。

ぜひ、上手に会社をまとめていってください(^^)/

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