後継者

大企業のようになることが正しいことではない

跡継ぎの人って、どうしても自己否定から入る傾向はないでしょうか。
自己否定と言っても自分自身ではありません。
親から継ごうとする家業についてです。

まあ、このブログでも親のやってきた事業の多くは
「賞味期限切れ」だの、「変身が必要」だの、否定から入っているということはあります。
それはあくまで、親のやることがすべて正しいと考えていたり、
何かあれば親が何とかしてくれると考えてる後継ぎさんへの警鐘です。

実際のところは、正すところもありますが、良いところもあるものです。

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跡継ぎの方が、会社を変えようとしたとき、わりとやりがちなのが
大企業のようなカッチリした組織
を作ろうとします。

ちょっとしたことを申請するにも、申請用紙を作ったり、
あまり価値のない会議をやってみたり、
指揮命令系統を複雑にしてみたり。

まあさすがに「冷房をつける」だけで申請用紙を出さなければならないというお役所レベルにはいかないでしょうが、
なにかと管理しようとする傾向はないでしょうか。

 

私たちはどうしても、大企業がいろんな意味で進んでいて、
お手本になって、
完成されている、
と思いがちです。

 

けど、それでいいのでしょうか?
大企業って、ほとんどの場合「軸」を持ってません。
株主をチラ見しながら、仕事してます。
だから、ミッションとかビジョンとか、つくりは立派ですが社内に浸透していません。
大企業の社員何人かつかまえて聞いてみてください。
「御社の理念、ミッションはなんですか?」と。
たぶん、自分の言葉で語れません。

 

話がそれましたが、内部管理体制だの
大企業では小難しいことを言います。
けど私たちは、大企業と接すると、いつもイライラさせられます。
そのくらいのこと、現場で決められないのか?とか、
それぐらい融通利かせろよとか、
今日尋ねたことは遅くとも明日には返事しろよ、とか。

大企業は何もかもが遅いのです。
なぜなら、自分たちを守るルールで社員をがんじがらめにしているからです。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

 

 

 

 

 

で、中小企業がそういう体制をまねたとします。
じゃあ、中小企業の良さはどこに残るのでしょうか?
たぶんほとんど残りませんよね。
中小企業が大企業のマネをするのは、相当に危険なのです。

そして顧客から見たとき、中小企業を選ぶ理由が見つからなければ、
大企業のほうが安心、ということになるのではないでしょうか。

 

そもそも、大企業をまねるべきだと考える時点で、
自分達の中小企業としての良さを否定することから始まっているんです。
もちろん、自己否定は成長への原動力となります。
だからにわかに否定できるものではないですが、
否定ありきで物事を進めようとすると、いろんな厄介ごとが出てきます。

家業を否定するということは、親を否定するということです。
それが悪い事とは言いませんが、否定された親は躍起になります。
普通は防衛反応として、いかに自分が間違えていないかを親は主張します。
そうやって親子は対立軸で話をするようになります。

 

あらあら、親子の確執の出来上がりですね。

 

そこに来て浅はかなアドバイザーはこういいます。
「親子で話し合いなさいよ」と。
ここで持ち出される話し合いは、
「自分が正しく、相手が間違えている」という前提に立ちます。

つまり争いは必至。

ここで考えたいのは、家業の今までの歩みが良いとか悪いとか、
大企業的マネジメントに変えるとか買えないとか、
そういったことを言い始める前に、今の会社の残すべきものは何か?
大事にすべきものは何か?
にフォーカスするのはいかがでしょうか。

 

何を残し、何を変えるのか。
自己否定も大事ですが、残すものが何かを明確にする過程で、
家業の価値も明確になるのではないでしょうか。

それは親を尊重することでもありますから、
決して悪いことではないと思いますがいかがでしょうか。

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