後継者

後継者が自由を感じられないとき、自由を放棄していないか?

後継者の多くは「自由にできない」という悩みを持っているのではないでしょうか。
何かをやろうとすると、誰かから制止される。
みんなそんな悩みを持っていると思っていたのですが、多くの後継者・跡継ぎ・二代目社長とお話ししていると、あたかもその状況に安心している人が結構いらっしゃるような気がしてきました。
あなたはどちらでしょうか?

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言ってることとやっていることが違う人

自分だけが見えていない自分の本心

人の本心というのは自分ではなかなかわからないものです。
たとえば、女性に多いと思うのですが、いつも付き合う相手はダメンズです、という人。
周りで見てる人は、「またそんな人を……」と思っているのですが、本人は「今度こそは大丈夫」と思い込んでいたりします。

人前に出るのはイヤだいやだと言いながら、なんだかんだと言って目立とうとする人。
忙しいから休みたいと言いながら、どうでもいい飲み会に皆勤賞ものの人。

これらは口で言っているだけでなく、本人は本当に嫌だと思っていたりするからいつまでたっても自分の本心に気付けません。

で、こういう時に何が起こっているかというと、実は無意識に「楽なほう」「安全なほう」を選ばずを得ないように自分を仕向けているといったら、驚かれますか?
たとえば、ダメンズばかり選ぶ女性は、「彼氏が自分に頼ることで生きがいを感じ、相手を自分に依存させることで自分の存在価値を実感している」という事になります。
だから、依存体質な男性を無意識に選びます。

人前に出るのはイヤだと言いながら目立とうとする人は、「人前に出たくない」という仮面をかぶることで、失敗した時のリスク回避をしています。
本当は人前に出たいけど、失敗したら嫌だから「人前に出たくない」と言いますが、気持ちは出たくて仕方がないから目立ちたいアピールを無意識にしています。
休みたいのにどうでもいいところに参加している人は、忙しいのに人から必要とされている自分に酔っているという事もあるのかもしれません。
いろんなパターンはありますが、みな、言ってることと本心が違うというパターンです。

後継者・跡継ぎ・二代目社長が「自由を感じられない」とき

後継者・跡継ぎ・二代目社長がよく口をするのに、自由に会社を経営できない。
自分のやりたいことができない。
そんな主張があります。

もっというと、「会社を辞めたいけど、辞めるわけにはいかない」というのも多いです。

こういう時、例えばですがかなり強引にでも、自分のやり方で突き進む方法もあれば、会社を辞めたいならやめるという選択もあります。
それでもなぜそうしないのでしょう。
特に会社を辞めるなんて言う話は、単純に、会社に行かなくなればもう自動的にやめることになります。
それでも辞めないのは、どうして?と聞くといろんな理由が出てきます。

社員がかわいそうとか、
常識的にそんな無茶できないとか、
親に申し訳ないとか。

これはもっともらしい理由に見えますが、少し見方を変えると「社員や常識や親を言い訳にしてないですか?」という状況になるんじゃないでしょうか。
自由にできないというのも、可能性が閉ざされているというより、自由にしようとしていないのではないでしょうか。

目に見えない心の壁

自由なのに自由に見えない現実

何かをしようとしたとき、「やっぱりそんなのできないよな」と思う時のことを少し思い出して見え下さい。
その時には、親や古参社員があなたのやろうとしたことを阻止したでしょうか?
実は提案してもいず、ありありと反対されたり、嫌なことを言われることがイメージに描けてしまうから、口に出す前に「どうせむり」と言ってしまってはいないでしょうか。
その予測は当たることもあるし、当たらないこともあるはずなんですが、私たちはあまりよくない結果を頭に描いて、そこに飛び込もうとはしません。
言ってみれば、あるいはやってみれば、どうという事はないのかもしれませんが、言いだすまでが頭の中でネガティブなストーリーが次々浮かんで前に進めなくなるのではないでしょうか。
「無意識」はそうやってあたかも「絶対できない」というイメージを創り出して、私たちが前に進むのを止めようとします。

これってダメって言われるよな……と思うことも、言ってみれば案外すんなり通ることもあるし、実際にダメって言われることもあるでしょう。
ただ、理性的に考えて、ダメと言われたところで何かしらの損や被害を受けるわけではないので、言ってみればいいだけです。それができないのは、「無意識」の戦略にハマってしまっている状況と言えます。

自ら進む力

こう言ったときに、良くないイメージが頭の中をぐるぐるする中、一歩前に踏み出すには勇気が必要です。
逆に言うと、主体的に自分の未来を選ぶ必要があります。
誰かに言われたからとか、そうしなければならないからとか、そう言ったやらされ感だとなかなか前に進めません。
ここが悪循環なのですが、「仕方ないからやっている」→「壁にぶつかる」→「仕方がないから違う方法を探す」→「やっぱりまた壁にぶつかる」という事を延々と繰り返しがちです。そして、その結果、打つ手がなくなった時にたとえば心がやんでしまったり、身体を壊してしまったりするのです。

そういう時に大事なのは、そのグルグルと回る思考やイメージを打ち破って前に進む力です。
後継者はそれを持とうと意識しなければ、結局何をやっても上手くいかないものです。

長年居る場所は「居心地のいい世界」

自由なのに自由でないという場所の居心地の良さ

ここまで見てきました通り、自由がない(ように見える)という状態は、耳の痛い話なのかもしれませんが「自由がないから思ったような結果が出せない」という自己弁護につながりやすい考え方です。
少し極端かもしれませんが、自由がないから…というループに入りそうになった時は、自己弁護を始めているという事にまずは気づいていただきたいと思います。
一見居心地がよさそうにみえて、結局何の解決もない場所にハマってしまうだけなので、注意したいところです。

さて、「自己弁護」というと結構強い言葉になりますが、大事なのは自分を責める材料にはしてほしくないという事もあります。
誰だって苦しい場所からは逃げたいし、背を向けたいものです。
そういう自分の気持ちを責めることなく、ただ「自分はそういう気持ちなんだな」という事を認識すればそれでOKです。そういう時に弱くなる自分も、ぜひしっかりと寄り添ってあげてください。
自己肯定感という言葉をよく聞くようになりますが、それを高める最もシンプルな方法は、良い自分もダメな自分も、強い自分も弱い自分も全部含めて「ああ、自分ってこういう人間だな」と受け入れることがスタートです。

そういった自分の言動の動機が見えるようになってくると、頑張ってる自分、逃げたい自分など、色んな自分が見えてきますがまずはすべての自分を受入れてみてください。すると、だんだんと、逃げなくてもいいようになってきます。強がったりするのはやめていいのではないかと思います。

そして、そう言う場所が居心地が良くて、自分がこのんでここにいる一面があるんだな、と認識し始めるとだんだんと周囲への対応が変わってきます。そこがスタートであり、そしてあとは流れに沿うだけでゴールに到達できるはずです。ぜひ、そんな見たくない自分を見ることを始めてください。

 

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