「あの人がこんなことをするから、腹が立つ」
「アイツがこんな状態だから、イラつく」
〇〇ゆえに、××。
これってなんだか、プログラムみたいですね。
そうそう、人間って意外とプログラムのように反応するみたいです。
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「〇〇さんが、△△するから××な気持ちになる」
こういう会話、日常的にけっこうあると思います。
親子経営の後継者なら思い当たる話の一つや二つ、あるんじゃないでしょうか。
「先代が、勝手な行動をするからムカつく」
「社員が、自分を敬わないからイライラする」
「親が、自分の話をちゃんと聞かないから腹が立つ」
人の感情っていうのは、出来事というスイッチで起動します。
たとえば、「痩せたね」といわれた、という出来事があったとします。
それで自分の感情のスイッチが入る。
しかし、そのスイッチがどんな感情を起動させるかは、人によって違います。
たとえば、がん検診に引っ掛かってそわそわしている人なら、その言葉はショックを引き起こすかもしれません。
やっぱり、オレはがんなのかも・・・と。
一方で、体形が気になっている人なら、当然いい気分になるかもしれません。
逆に痩せすぎてがっしりした身体を求める人には、ちょっとがっかりするかもしれません。
自分の外にある出来事(刺激)が、あなたの感情のスイッチを押すということはみんな共通だけど、それに伴う反応はまったく違う。
同じ出来事で、起動するプログラムは人によって違うということ、なんとなくご理解いただけますか?
ここで、考えたいことがあります。
外からやってくる出来事は、完全にコントロールすることはできません。
たとえば、やたらと干渉されるとか、やたらと否定されるとか、やたらとバカにされるとか、いろんな出来事は予期せずやってきます。
しかし一方で、自分の内に起こることは、コントロールが可能です。
私自身、ある方に言われたことがあります。
たとえば、先代に何か言われて腹が立ったとします。
多くの場合は、先代が正しいとか、後継者が正しいとか、正誤判定をしたくなります。
しかし、経営に正しいも誤りもない。
そもそも正誤を主張しつづければ、話し合いは永遠に平行線です。
そこでちょっと視点を変えてみてはどうか?と。
何を言われるかは、私たちは決められません。
しかし、腹が立つか、立たないかは私が決めている事だ、と。
当時は、すぐには理解できませんでした。
あまりにも鮮やかに「怒り」という感情プログラムが起動していたから、それを自分が決めている、自分が怒りの感情を選択しているなんて言われても、感覚的にピンときません。
それでも、ちょっと努力してみました。
そもそも、なんでああいわれたら腹が立つのだろう?と。
そうすると、やっぱり、痛いところを突かれてたりするんですね。
自分が一番言われたくないことを言われてるとか、
自分が結構気にしてることを言われてるとか、
自分が何とかしたいところを言われてるとか、
けっこう頑張ってるつもりなのに認めてくれないとか。
そういった情報を拒否するために、私は怒り狂っていたわけです。
擦り傷を負ったら、手でカバーすると思います。
そんなかんじで、自分のふれられたくない部分に防衛線をはろうとしてたみたいです。
で、身の回りに起こることを制御できないならば、自分の感情のプログラムを書き換えようと思ったんですね。
なぜかというと、人間関係って、ここでいう感情スイッチの応酬だからです。
Aという刺激に対し、私がBという反応をする。
相手である先代は、私のBという反応が刺激(スイッチ)となって、Cという反応を引き起こす。
これをお互いが繰り返して、どんどん怒りを増幅させていくというのはよくある話。
親子での話し合いがうまくいかない一つの原因は、こういった双方がもっているプログラムが問題だったりします。
だから自分のプログラムが変われば、相手の反応も変わる。
ほんのちょっとの変更で、全体を見渡すと大きく変わるはずなんだ、と。
そこで、自分の「防御プログラム」を解除してみました。
やることは簡単です。
痛いことを言われた時、即座に反応せず一呼吸置くようにしたのです。
そして一旦、相手のいうことを受け入れてみるようにする。
「ああ、そうやな。確かにそう言いたい気持ちはわかる」
そこで、「けど・・・」と自説を展開すると、反応はマイルドにはなる。
これが根本的解決にはならないのですが、そうやっているうちに自分にだんだん余裕が出てきます。
痛いところを突かれても、「だからなに?」というくらいさらっと流せるようになってきました。
そのあたりからでしょうか。それなりにコミュニケーションがとれる・・・というか、私の言い分が通るようになったのは。
親子経営はとかく必死になって、親子が同じ次元で争いがち。
そこで余裕をもって状況を見ることができるようになるのは、かなり大事だと思います。
まずは、そんな余裕を取り戻すべく、反応プログラムの書き換えを意識してみてはいかがでしょうか。
感情の世界では、早い反応は危険ですよ。
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