これまで何度も書いてきましたが、親の会社を継ぐ後継者が組織をこじらせる理由はある程度決まっています。
それは、誤解を恐れずに言うと、「自分の手柄」を主張したいという事。
後継者というのは何かと先代の影にかくれて、ほめたたえられることは少ない。
そんな中で、「自分はこんなに頑張っているのだから評価してほしい!」ともがくから、色々な人間関係をこじらせてしまうのです。
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後継者は、自分の存在感や、存在価値を主張するため、
・成果にこだわり、
・成果の原因を自分が作ることにこだわり、
・自分の成果や努力を認めてもらおう
という行動を起こしがちです。
しかしこれは、だいたい他人から見ると不自然な行動に見えます。
たとえば、後継者から見て先代が、「あたかも自分はいい人である」「あたかも自分は周囲の人のために働いている」みたいなそぶりを見せて「しらじらしい」と感じることはないでしょうか。
もしそうだとしたら、同じことを自分もやっているという事に他なりません。
じゃあどうすればいいかというと、自分が評価されたいという気持ちを手放すこと。
自分が評価されなくても、会社が良く鳴ればそれでいいじゃないか。
こういう判断基準で物事を見てみます。
もちろんすぐにそうできるとは言いません。
自分の思いとは違う言動をする社員がいてイラっとしたり、先代が目立とうとしてこまるんだよねー、なんて思ったりするシーンもあるでしょう。
けどそういった気持ちが沸き上がるごとに、「会社にとって悪くない事なら、それもアリだろう」と受容してみてください。
そうすると何が起こるかというと、「器が大きくなる」のです。
自分がこうだ!と思ったことだけではなく、違った意見も取り入れられるリーダーになることができます。
不思議なことですが、そうやって人を受入れていくと、実は後継者自身は他に何も大きなことをやっていなかったとしても、人望が集まりやすくなります。
そんな事から社員がまとまってくると、それは社外からも評価され始めます。
不思議なことですが、おれが、おれが、と自己主張をしようとするとたいてい評価はあまり上がりません。
しかし、自分はともかく、会社をよくしよう、という一点に集中し、自分が出すぎなくてもいい、と考え始めてから、後継者への信頼は強まっていくものです。
北風と太陽ではありませんが、力づくでうまくいかないことも、弛緩するとうまくいくようです。
是非お試しください。
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