後継者・跡継ぎ・二代目経営者にとって大事なものとは何でしょうか。
表面的には、決断力とか、知識や人脈とか、戦略やら予測力とかいろんなことが言われています。
もちろんそういったスキルなども大事ですが、もっと大事なものがある、と私は感じています。
それは、物事を誰かのせいにしないという事ではないかと思います。
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このブログにお越しいただく方の多くは、事業承継に悩んで到達されることと思います。
そして多くの場合、親である先代との人間関係や、古参社員との人間関係をこじらせて、会社を辞めたいというような思いになられている人が多いと思います。
もう少し突っ込んで言うと、今自分が置かれている環境は自分の能力を発揮できる環境ではない、と憤りを感じていたりするかもしれません。
さて、そのことを解決するとても簡単な方法があります。
それは「そういうものだ」というある種のあきらめとして受け入れるという事です。
ただし言うのは易いですが、実践するのは難しい。
そのためには、人としての受容度を上げていく必要があるからです。
受容度を上げるという事はどういうことかというと、「俺が、俺が」というエゴを鎮めることにもつながります。
たとえば、会社の業績を良くしたいんだけど、「自分の考えた方法で」とか「自分がその立役者となって」という前提を私たちは無意識に持ちがちです。
その結果、人を自分の思いどおりに動かそうとしたり、人が自分の望む動きをしないと腹を立てたりしがちです。
部下に対してはもちろんですが、親である先代に対してもそういう思いを持ってしまうわけだからけっこうややこしくなります。
親は仕事上経験値から言っても先輩です。
さらに代替わりを追えてなければ未だ上司。
そして家庭内では目上である親です。
一方で、後継者は会社の未来を託された人である、と信じたいところ。
しかしそのようには扱ってもらえないというところにジレンマがあります。
後継者・跡継ぎ・二代目経営者としては、それなりの覚悟で会社に入り、それなりに責任感を持ってやっているつもりだけど、何一つ託されない。
それは自分が認められていないのでは、という渇望感にかわり、そのけっか「自分の方法で会社を良くする」という事にこだわり始めるのではないかと思います。
こう言った経緯からどんどん意固地になり、どんどんエゴを増大させる。
すると後継者・跡継ぎ・二代目経営者の行動というのはけっこう極端になってきて、会社の輪を乱して、それが原因で上手くいかなくなることも結構出てきます。
じゃあどうすればいいのかというと、上手くいかないことも含めて、「まあそんなもんだね」というある種のあきらめを持ち、その中で自分の精一杯を表現するという事です。
会社に先代や古参社員がいるなら、後継者・跡継ぎ・二代目経営者が何か新しいことをしようとしたら、反対されるかもしれません。
後継者・跡継ぎ・二代目経営者である私たちは、今までは、「会社の未来を託された自分だから、自分の考えにみんなが従うべき」と思ってきたかもしれませんが、ここでこう考えなおしてみます。
「そうはいっても、抵抗は受けるでしょう。人間って変化を好まないから。じゃあ、そう言う前提で自分が出来ることなんだろう?」と思考を転換していきます。
相手が抵抗を起こさないようなグラデーションをつくるとか、まずは小さなところで試してみるとか、テスト的な運用をお願いしてみるとか、取れる方策はいろいろあると思います。
しかし意固地なメンタリティのままでいると、「なんで自分のいう事に反対ばかりするのか?」と怒りだけが先行しがちです。
人は反対するとか、変化を嫌うとか、居心地のいい場所から動かないとか、いろんなことがあるんですがそれが前提。
自分の思い通りいかないことを受入れて(無理してとかガマンしてではなく←ここ重要)、何事もなかったかのように淡々と進めることが大事。
このメンタリティはどういうことかというと、今までは「自分の思い通り動いてくれない誰か」が悪い、と他人のせいにしていた状態といえます。
「悪い」という具体的な言葉になっていなかったとしても、他者を動かそう、他者に自分好みになってもらおう、と考えているとしたら同じことだと思います。
人を変えたければ自分から、とよく言われますがそれはいろんな意味で真実だと思います。
そのために必要な自分の変化は「反発する人もいるよね」ということを受入れるようになることです。
繰り返しになりますが、その際は「我慢して受け入れる」のではなく、それがさも当たり前のように受け入れること。
言ってみれば、気にならない状態を目指します。
そこへ至るコツは、「何が起こっても大丈夫」あるいは、「何が起こっても自分の力で何とかできる」と知ることです。
ますます難しい話になってきたかもしれませんが、試行錯誤してみてください。
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