今60歳代の二代目と、今40歳代の二代目

様々な二代目と関わっていると、少し不思議な感覚を覚えることがあります。
現在、二代目社長が60歳代、70歳代でいらっしゃる企業も多数あります。
この方に若いころの話を聞いたときと、
現在、30歳代、40歳代の二代目の方の話を聞いたときと、
明らかな違いがあるのです。

同じ二代目という立場なのに、この世代の間にはどんな違いがあるのでしょうか。

今60歳代、70歳代で二代目の立場にいる社長は、
割とスムーズに代替わりを果たしているように思えます。
彼らにとっては、「すでに終わった事」だから簡単に表現されるのかもしれませんが、
私はそれだけではないと思っています。

彼らの世代とて、もちろん楽ではなかったはずです。
戦後から物のない時代、社会がまだまだ未成熟な時代ですから、
今でいうブラック企業という状態が普通だったのかもしれません。

下のグラフを見てみてください。
日本の1人当たりGDP推移をグラフ化したものです。

4545

資料:図録▽1人当たりGDPの歴史的推移(日本と主要国)

 

GDPが右肩上がりで増加する状況。
つまり、「ほしい、ほしい」という人々に、
商品・サービスを届けてきたのが、過去のビジネスです。
すこしいやらしい表現をするなら、
口を開けて待っているヒナに餌を運べばビジネスになった時代。

だから、ライバルより早くお客さんにアクセスする、というのが当時のビジネスだったと推察されます。
ネットもなかった時代ですから、とにかく人が動きまくった時代です。
朝早くに会社を出て、夜遅く貴社するリアルな行動が評価された時代ともいえるでしょう。
出世のために家族を犠牲にして働いた時代。
今の60歳代、70歳代の二代目は、こういった時代を生きてきているように思います。
つまり、戦後の焼け野原に事業を築いた先人の延長線上に、60歳代・70歳代の二代目の生き方がありました。
だからこの世代の二代目は、子供を三代目にしたい、と考えられるのです。

もちろん当時から、ただ無心に頑張れば上手く行ったか?といえばそうでもないようです。
現在まで何度も不況を経験しています。
しかし、この世代の経営者は、
「不況を耐え抜けばいつかは明るい未来がある」
と信じられたのが救いだったのかもしれません。
そして実際に、不況がおこれば次には景気の良く成るタイミングもありました。

しかし、これももはや終わりを告げています。
嵐を過ぎ去るのを待ったところで、明るい未来は訪れそうにない。
今の30歳代、40歳代の後継者はそう感じているのではないでしょうか。

この世代は、社会に出たころにはバブルといったお祭り騒ぎの名残のを残す中、
その後の停滞ムードの中でビジネス人生の多くを過ごしてきています。
「今は不況というより、今の状態こそが現時点の日本の基本である」
という考えを無意識に感じ取っているのではないでしょうか。
人口減少といったデータを見ずとも、肌感覚として感じ取っているのだと思います。

だから、先代とぶつかりもするし、確執も起こるのです。
そんな確執経験をした後継者は、恐らく自分の後継者に子供を推そうとは思わないでしょう。
それだけつらい思いをしてきているのです。
しかし、それは経営者としては正常だと私は考えます。
むしろ、確執が起こらないほうが心配といってもいいくらいです。
確執の中でもがく後継者は、決して間違っているわけではないのです。

ぜひ、胸を張って自分の道を歩んでいただきたいと思います。

 

 

 

 

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