親の会社を継ぐ二代目社長は、多くの場合「会社を維持」することがその役割だと考えられています。
これは戦後経済復興期から、日本経済が成長基調であるうちはそれでよかったのかもしれません。
しかし、今現役の二代目社長ということになると、ちょっとそこからは外れた期間、会社のかじ取りをしなければなりません。
とはいっても、会社を確信していこうということになると一定の抵抗勢力が現れます。
その中でも大きな勢力が親である先代ということも少なからずあるように思います。
すると、余計なことは考えず、大人しくしてるほうが無難、なんてこともあるのではないかと思ってしまいます。
まさにジレンマの中で、二代目社長はどうふるまえばいいのでしょうか。
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Contents
会社を維持するためには変化が必要
多くの業種で変化が求められている
今のコロナ禍において、たとえば飲食店や旅行業界はとても厳しい局面に立たされています。こういった業種はほとぼりが冷めれば元の成長を取り戻せるのでしょうか?一方で、ときおり耳にするのは、このコロナ禍で売り上げを伸ばしている飲食店もあるといいます。いろいろ話を伺ってみると、それはたまたまということでもなさそうで、平時からお客様とつながる工夫をずいぶんとしていたようです。
飲食店でお客様とつながるというのもピンとこない話だと思いますが、とてもシンプルに表現すると、「他の飲食店はやっていない工夫をしていた」ということです。
表面的に見える部分での違いがあるのかどうかはともかくとして、工夫している会社とそうでない会社があって、その差がこういったときに歴然となってくるようです。ある会社は経営の継続が難しくなり、ある会社は売上を伸ばす。この違いがコロナ禍という環境の下で大きく出てきたように思います。今までの標準的な会社と、小さくとも工夫を続けてきている会社では、長期的に見て差が出る傾向があると思われますが、今の特殊な状況はそれを短縮・濃縮して見せられているのかもしれません。
うちの会社は30年前からどんな変化が?
自分の会社のことを考えるとき、たとえば二代目社長が入社した時と、今の状況とで、仕事の変化の有無を比べてみるといいかもしれません。私の知るある卸売会社は、お付き合いを始めた30年前とまったく何一つ変わっていません。二代目社長は私より若いのですが、どうやら何も変えるつもりはないようです。というのも、結構ガンコな先代が最近までいて、いまでこそ先代は完全に引退しましたが40歳代後半になるまでずっと同じ仕事を続けてきて、今更何かを変えるなんてできない、というのです。
結果として、彼は「今の状況で行けるところまで行く」ということのようです。
悲しい事ですが、先代が強い力を発揮しているあいだに、二代目社長自身も変化しにくい年齢になってしまった事例です。
ところで、皆さんの会社は30年前と比べて何か変化があったでしょうか?取扱商品のラインナップは変わったとか、使う道具が変わったとかいうことはたぶん普通にあると思います(それさえない業種や企業も少なくありませんが)。出来ればそれ以上の変化があってもいいくらいの世の中の変化はありますから、顧客との付き合い方が変わったとか、顧客の入れ替えが起こっているとか、そういった変化があるのがたぶん健全なのだと思います。それがないとしたら、「保守的」であることで会社を守ることは難しいのではないでしょうか。
攻撃は最大の防御?
二代目社長は先代を踏襲すべきということの誤り
なんとなくの雰囲気として、二代目社長は先代を踏襲すべきという印象があるのではないでしょうか。やり方を変えてはいけないような感覚を持ってい二代目社長は多いと思います。
なにしろ、何か工夫をしたり、何かを改善しようとすると、古参社員や先代である親は反対することが多い。反対までいかなくとも、あまりいい顔をしないケースはけっこう多いような気がします。そして、二代目社長としては、「従業員やお客様のために、絶対に会社を潰してはいけない」という思い込みが強いので、とにかくリスクを避けようとしがちではないでしょうか。
ハッキリ言います。
二代目社長は、自分の代で会社を傾けるのは嫌なんです。
だから今まで通りやる。
そうすると、少なくとも、自分がやり始めたことで会社が傾いたという責めを受けなくて済むからです。
しかし、きっと先代を踏襲していてもあまり会社はいい状況ではないのではないでしょうか。
会社もうまくいかず、けど何かを変えようとすれば抵抗される。
ここで二代目社長は手詰まり感を感じてしまいます。
二代目社長に必要なのは起業家精神
ところで、世の中の起業家ってどんなイメージでしょうか。
自信家で、行動力があって、周囲の反対をものともせず、どんどん前に進んでいくイメージでしょうか。
実は起業家も、二代目社長も抵抗にあうのは同じです。
一つ違うのは、起業家は自分で決めて前に進もうとする人であるのにいたいして、二代目社長はどちらかと言えば義務感から会社を継いでいるところではないでしょうか。
義務感で会社を継ぐということは、誰かにその義務を負わされているということになります。
それは先代である親かもしれませんし、社員たちかもしれません。
あるいは顧客や、顔の見えない「社会」にそうさせられているように感じるのかもしれません。
しかし、やっぱり二代目社長は二代目であったとしてもやっぱり経営者なわけです。
であるならば、それなりの推進力を持たないとこれから先はきついと思います。
実は私は二代目社長に必要な資質は、経営者としての能力というよりも、しっかりと覚悟をもって立つことに尽きるのではないかと思うのです。
しかし残念ながら、やらされ仕事を免れないことが多いような気がします。
それはすなわち言いなりになるということです。
自分主導の人生を生きたいとしたら、やっぱりそこは二代目社長という立場を受けるかどうかも含めて、キチンと自分で決断することがスタート地点だと思います。
そして必要なのは、起業家がもつ「反対されても前に進もうとする意志の力」だと思います。
ごり押しだと難しいことも・・・
とはいえ、二代目社長の辛いところは、ごり押しの一辺倒では無理ということがあります。
恐らく法律上もステークホルダーとして親が権限を持っているケースも多いと思います。
ここで起業家とは少し違う点になります。
若干の手かせ足かせはあるわけです。
ただ一方で、とりあえずは会社がその形を保つ程度には安定的な売り上げがあるというのが、二代目社長がもつメリットです。
不自由さと引き換えに、そういったベーシックインカムを手にしている、と考えるとそれなりの納得感は持てるのではないでしょうか。
変化しないという選択肢はあり得ない
結論めいた話をさせていただくなら、会社を規模の大小はあれど、変化させない選択肢はあり得ないと思います。
少なくとも社会の動きに合わせた微調整は必要ですし、あと10年、20年、会社を持たせようと思うならばそれなりに前向きな変化も必要となってくるのではないでしょうか。
確かに今まで通りのやり方で、何とか持つケースもあるとは思います。
しかし、うまくいくか行かないかが分からない環境で、ずるずる年老いていくのもちょっと背筋が寒くなってくるような気がします。
さて、ここで少し視点を変えてみましょう。
実は何かを守ろう守ろうとすることで、私たちの人生は満ち足りたものとなりうるのでしょうか。
私にとってはそうは思えないんです。
だから、自分なりに試したいことを試してみて、うまくいかなければその結果は受け入れなければなりませんが、うまく言ったらそれはそれで嬉しい。
そういった、いろんな経験をすることで濃い人生を歩めたらいいな、と思ったりはします。
リスクをどこまで取るかは人それぞれです。
私もそんなに大きなリスクを取るつもりはありませんが、何かやらかしたい気持ちは一方であるわけです。
そのバランスを考えながら、今までと違う一歩を踏み出してみる。
そういった経験が、何年かたった時にいい思い出になるような気もします。
今時、収入のためだけに働くというのは今ひとつピンと来ないよな気がします。
せっかくだから、それらがより活き活きとした経験であってほしいな、と思うのは私だけではないように思いますが、いかがでしょうか。
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