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後継者・跡継ぎ・二代目経営者が自己肯定感を上げるシンプルな方法

親の会社を継ぐ後継者・跡継ぎ・二代目経営者という立場、とかく自己肯定感が下がりがちです。
その理由はいくつかあります。
まず、親である先代の自己肯定感が低いことが多く、そう言った親との関係の中でどうしても自己肯定感が低く設定されがちです。
また、若いうちから経営者のあるべき姿と自分を見比べて、そのギャップ(できていないこと)ばかりを意識しがちな環境も要因の一つです。
そして失敗が許されない、途中で降りることが許されにくいというシビアな状況も少なからず影響していると思います。

たとえて言うなら、後継者・跡継ぎ・二代目経営者のメンタルは、周囲の人たちから、また自分自身の責め心から、あっちやこっちからボコボコに打ちのめされる傾向があります。
するとどうしても行動は小さくなりがちですし、本来の能力を発揮しづらくなります。
その状態から、二代目経営者はポンコツだの、バカ息子だの言われては悔しい限り。
今回は、自己肯定感を上げるシンプルな方法について考えてみたいと思います。

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事業承継で後継者・跡継ぎ・二代目社長の自己肯定感が下がる理由

自己肯定感の低い親(先代)

起業というのは相当大きなエネルギーを必要とします。
そのエネルギーがどこからやってくるかというと、ある心理学者はこう言います。
「自分の劣等感を克服するため」

考えてみると、プロボクサーのトップクラスの選手の多くは「小さなころはイジメられていた」という話をよく聞きます。
アスリートの中でも、「小さなころは病弱だったのでそれを克服するため」にスポーツを始めたという話もよく耳にします。
人は劣等感を克服したい、という思いを持った時強いエネルギーを発するようです。

とくに昭和の時代の起業家というのは、そういった劣等感(例えば学歴に対するコンプレックス、親の愛を十分受けられなかったコンプレックスなどなど)を克服するために、自分で稼ぎ、社長という社会的な立場をゲットした、というケースが非常に多いと思われます。

ではこういった昭和の起業家は、会社を創業し、育てることでその自己肯定感を満たすことができたのでしょうか?
実はかなりの人がそうはできなかった、というのが現状ではないかと思います。
なぜなら、周囲にいくら認められても、自分がそこで満足できないからです。
「もっと、もっと」とはてなく上を目指す結果、自分で自分をどこまで行っても認められない状態にしているように思うのです。

自己肯定感の低い親の子供への接し方

さて、そのような親の元に生まれた子供は、たいてい厳しく育てられます。
親が「もっと、もっと」という思いを常に抱いているので、子どもにも「もっと、もっと」を求めがちです。
結果として、子どもはどこまで行っても親に認められない不満足感を抱えます。
こう言った子供は、やっぱり自分が大人になっても、「もっと、もっと」と常に何かが足りないような感覚を抱きがちです。

さらに言うなら、自己肯定感の低い親は子どもや部下に対する支配欲求を持っています。
これは例えば、仕事にブラックボックスを設け、必ず自分にお伺いを立てなければ仕事が進まないような仕組みを作りがちです。
親が仕事を抱え込んで手放さない、という状況があるならまさにこの支配欲求が強く出ている状況かと思います。
そしてその支配欲求は後継者・跡継ぎ・二代目経営者にたいしても持っていますので、後継者・跡継ぎ・二代目経営者が自分の理解の及ばない活動を始めると反射的にそれを制止しようとします。

ここまでお話しすると、事業承継の真っ最中で親との関係になやむ後継者・跡継ぎ・二代目経営者の方にはピンとくるものがあるのではないかと思います。
後継者・跡継ぎ・二代目経営者が、なかなか自由な活動ができない理由は先代の自己肯定感の問題にあります。
そして基本的に、無意識のうちに後継者・跡継ぎ・二代目経営者は親である先代に認められることを切望しがちです。
だけど親は「もっと、もっと」と認めようとはしません。

こうやって後継者・跡継ぎ・二代目経営者は自分を責め始める

認められたいけど認められない

前述の通り、後継者・跡継ぎ・二代目経営者は自分が認められたいと思って頑張るけど、先代はなかなかその後継者・跡継ぎ・二代目経営者を認めることはありません。
もちろん、経営の世界はどこまでやっても果てはありませんから、それも一理あると言えばあるわけです。
ただ一方で、いつまでも「何かが足りない」というのもまたつらいものです。

先代に認められない後継者・跡継ぎ・二代目経営者は、認められたいという思いから、会心の一撃を打ち出そうと大掛かりなことをやろうとします。
しかし、それは先代的には、自分の管理下から外れそうで、ついつい阻止しがち。
結果として後継者・跡継ぎ・二代目経営者は、認められたいのに、認められるための努力さえも承認されないということで、まさに八方塞がりになってしまいます。
この段階で、多くの後継者・跡継ぎ・二代目経営者は、会社を辞めようと考えたり、あるいは心の病になる人も少なからずいらっしゃいます。

こうやって見ていくと、双方、悪気はない。
ただ自分が正しいと思う方向に進もうとしているだけなのに、その行動がぶつかってしまう。
そんな状況がエスカレートすると、親子の確執と言った事態が発生します。

思ったような成果が出ないことに業を煮やす後継者・跡継ぎ・二代目経営者

さて、この時、後継者・跡継ぎ・二代目経営者は「もっと、もっと」という思いをもって、何かをやらねばならぬと考えがちです。しかしその「何か」が分からない。何しろ何をやっても先代は今一ついい顔をしないのですから。だんだんとその状況がきつくなると、後継者・跡継ぎ・二代目経営者は自分を責め始めます。

自分は親の会社を継がなくてはならないのに、まだこんなところにいる。
まったく自分が進歩している感じもないし、会社だって今までのまま何の変化も改善も見られない。
いずれ社長になる身であるはずなのに、先代社長のやっていることを自分は何も知らない。
だけど、先代社長が例えば体調を崩せば、間もなく自分が全てを見なければならない。

そんな不安とも、不満ともいえる状況の中で、「完成形の自分(社長としての自分)」とのギャップを一つ一つ数えて、出来ていない部分を指折り数えて、そんな自分を卑下してしまうという状況に陥りがち。
自分は全く駄目な奴だなぁ。
けど、親の会社、一度は言った以上はなかなか逃げ出すこともできない。
どうすればいいのだろう?
そんな風に、迷路に迷い込んでしまいがちです。

後継者・跡継ぎ・二代目経営者が自己肯定感を上げるシンプルな方法

状況を変える→メンタルを変える という発想を逆にしてみる

ここまでの状況が、「まさに自分の状況だ!」と思われた方がいたとしたら、その方は何をやっているかを簡単に表現すると、こう言えるのではないかと思います。
現実世界の状況を改善して、その結果、自分のメンタルが変化することを期待している状態ではないでしょうか。
たとえば、会社を改善して業績を上げた立役者に自分がなる事で、自分が認められる、というストーリーを描いていると考えられます。
しかしそれは、たとえば親が立ちはだかってできないとなれば、ちょっと発想を転換してみるのがいいのではないかと思います。

状況を変え、メンタルを変える、ということから、
メンタルを変えて、状況を変える、という視点の切り替えを行ってみてはいかがでしょうか。

そんな事を言われても、メンタルを変えただけでは状況は変わらないよ!と言いたい気持ちはわかります。
けど、前者の方法がうまくいかないなら、試してみて損はないと思います。
メンタルを変えると、実は状況判断も変わります。
だから、思った以上の変化が期待できるのです。

自己肯定感を上げるシンプルな方法 ~メンタルを変える

自己肯定感が低いと、支配欲求を持ちがちです。
これは後継者・跡継ぎ・二代目経営者でもありがちで、その支配欲求を従業員にぶつけてみたり(ルールの厳格化や過度なマニュアル至上主義)、逆に先代の行動を否定して動きをコントロールしようとします。そしてそれができなくてイラついている後継者・跡継ぎ・二代目経営者はけっこう多いのではないでしょうか。
つまり、会社の中を殺伐とさせ、人間関係をこじらせる背景には、後継者・跡継ぎ・二代目経営者自身の自己肯定感の低さが原因だったりします。

その自己肯定感を上げていくにはどうすればいいか。

その超シンプルな方法は、自分の考えを認めるということです。

なにそれ?まったく役に立たないアドバイスじゃないか!とおしかりを受けそうですが、実はやることはこんなにシンプルです。
もう一度言います。

自分の考えをすべて認め、受け入れるということです。

具体的な例を挙げてみましょう。
たとえば、朝早起きをしようと決めたと思います。
早い時間にアラームをセットし一旦は起きたものの、アラームを止めて二度寝してしまった。
こういう時多くの場合人は、「自分は何て意志が弱いんだ」とか、「なぜ起きれないんだろう」とか反省というか自分を責める気持ちが沸き上がりがちです。
これを辞めて、「ああ、起きるのがツラかったんだね」と受け入れる。

従業員がミスしてついカッ!となって怒鳴ってしまったとき、自己嫌悪に陥る事があるかもしれません。
しかし、そんな時、自分を責めずに「ああ、ムカついたんだな」と受け入れてみます。

意識してみて初めてわかること

バカバカしいと思うかもしれませんが、これを他人との人間関係に入替て考えてみるとその効果がイメージできるかもしれません。
例えば朝寝坊した他人に、「お前は何でこの程度の早起きができなかったんだ!」と言ってしまえば、その時自分はスッキリしても朝寝坊した他人との人間関係はぎくしゃくしがちです。
この他人との人間関係のぎくしゃくを、私たちは自分自身との関係の中で行ってきたわけです。
この状況は、自分の見方が誰一人いない状態ですから、そりゃあ自己肯定感もダダ下がりです。

自分が自分の見方でないから、誰かほかの人に認められたいと思います。
けど、その認めてくれる誰かは必ずしも身近にいるとは限りませんし、そもそも認めてくれている人でさえ私たちは「認められていない」と受け取りがちですから、そりゃあ孤独も深まります。

このような「自分との人間関係」を私たちは毎瞬毎瞬悪化させています。
まずはこれを修復することから意識してみてください。
やることはシンプルです。

なにか自分の中で思考や感情が沸き上がった時には、
ああ、自分はこう感じてるんだね。
ああ、自分は悲しいと思ってるんだね。
ああ、自分は怒りを感じてるんだね。
ああ、自分は寂しいと思っているんだね。
こう言う風に言葉で表現することで、自分の感情を俯瞰することができるようになります。

これを意識していると、結構日々自分で自分が「足りない」「もっと、もっと」という焦燥感を感じていることに気付きます。
それに気づくだけで大丈夫。
気付いた瞬間にそういうこわばりは少しずつ緩んでいきます。

支配欲求は消え、誰かの承認も不要になる

この結果何が起こるかというと、まずは周囲をコントロールしたいという欲求が緩やかになります。
今の時点では、なんとしてでも先代を自分の思い通り動かさねばとか、従業員に完ぺきに自分に従わせなければとか、そう言った強い思いを感じているかもしれません。
それが、「まあ、人間だし、いろんな動きもすれば、常に思い通りに行くわけじゃないよね」というぐらい寛容になれます。
自分に寛容になると、周囲にも寛容になれるのです。

こちらの態度が緩むと、周囲の人間の態度も緩みます。
ですから、結果として、一致団結できたりする方向感が見えてくることがあります。

また、これまでは「認められたい!」という思いが強かったため、自分が本当にやりたいことではないことに無理やり取り組んできた経緯があるのではないでしょうか。
自分のやりたい事より、世間的に認められること優先だったことが多いと思います。
そういった優先順位が自然と切り替わってくると、仕事に楽しく取り組める可能性も出てくるのではないかと思います。
これまでは苦行だったことが、楽しみながら取り組めるものになるならば、そんな有難いことはありません。
これは大げさではなく、人生のクオリティに強い影響を及ぼす可能性があります。

そのためにすることが、
「〇〇と思ったんだね」
という自分の思考や感情の受容だけだとしたら、コスパは最高な気がするのですがいかがでしょうか。

もしピンと来たら、まずは1か月、意識してみてはいかがでしょうか。

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