後継者

後継者のビジネスが向かう方向

後継者の立場から見ると、
自分たちの事業の行く末、
結構気になりますね。

事業がうまくいくのかいかないのか。
時代の中で取り残されはしないか。
その不安は、実は後継者だけが持つものではありません。
中小企業の場合、創業社長でさえも、
その不安は隠しきれないものがあります。

それもそのはずで、世の中はかつてないスピードで変化している。
そのスピードの中で翻弄されている経営者は、
相当多いのではないでしょうか。
みな一様にこう言います。
「会社の未来はどうなるのだろうか?
業界の未来はどうなるのだろうか?」
と。

今だからこそ考えたい、未来の戦略。
私なりの考え方をお伝えしたいと思います。

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今、多くの業種で人手不足と言われています。
たとえば、コンビニが24時間営業廃止を検討しているとか、
宅配業者がブラック化してるとか、
ニュースの端々にもその影響が見て取れます。

私の知る経営者の中でも、
「仕事はあるけど、人がいないから受けられない」
という悲痛な叫びも耳にします。

 

じゃあ、この人不足、しばらく待てば何とかなるのでしょうか?
人口動態的にいけば、どうにもならないでしょう。
つまり、人手不足の状態でも回るビジネス形態を作らざるを得ないのが今の状況でしょう。

さて、世の中では「女性の活用」なんて言うことが言われています。
ゆとりがあった時には、これは企業のイメージアップという姑息な考えのもと、
大企業の経営者が発言する話だったように思います。
しかし、事態は思ったより深刻で、プラスの意味で女性が現場に出てくるという話以上に、
今まで働いてなかった人も働いてもらわなければ社会は回らない
という事態がやってきているように思います。
必要に迫られているわけです。

そこにタイミングを合わせたかのようにAI(人工知能)が市場に出回り始めました。
まだまだ「プレスリリースのネタ」になるぐらいのアドバルーンといった印象はぬぐえませんが、
人材不足の観点から見ると、これも必然になっていくでしょう。
「あればいいな」から「なくてはならない」流れが出てきてますので、
普及は待ったなし。

最近知りましたが、AIを活用したチャットボットを中小企業が手軽に(素人でも)作ることができる
サービスがすでにリリースされています。
私も興味本位で触ってみてますが、そんなものがどんどん広がるのは時間の問題でしょう。

 

そうすると、決まりきった仕事は、人がやる必要がなくなります。
同じことの繰り返しで、例外を認めない。
ルールが定められていて、それに従って黙々と同じことを繰り返す。
この手の仕事は、人手が足りない現在において、人にやってもらうほどのゆとりはない。

ところで、世の中は、効率を求めてここまできました。
そこを突き詰めると、人がかかわっていては効率化にも限界があります。
ファーストフードは、早晩、タッチパネルで注文、
機械から吐き出される食べ物を受け取って購入完了。
そんな風になるのかもしれません。

 

じゃあ、人がかかわるのはどんな仕事だろう。
そんなことを考えたときに、最近感じるのは「人の変化を促すこと」ではないでしょうか。
人が自分の人生のロールモデルとするのに、たぶん、AIは選ばないでしょう。
人の心を引き付け、その人を新たな世界に導くこと。
これこそが、人がかかわる仕事における一つの解じゃないかと思うのです。
そういう意味では、人がかかわることがプレミアになり、
そうでないものは普及サービスという形もあるかもしれません。
今は、ファーストフード店では、スマイル0円ですが、
人間のスマイルが欲しければ100円払ってください。
そんな風になるかもしれませんね。
その前提として、サービスを提供する個人その人が「あなたは何者か?」ということを
広く知らしめることが必須にはなると思いますが。

大企業は、AIに統制された製造・サービススキームの中で、
効率的に安く商品・サービスを提供する。
中小企業は、人を刺激し、成長させる仕事をする。
そんなすみわけが成り立つような気がします。

実は、今まではその役割を「商品」というモノが担ってきました。
たとえば、あの高級車に乗れたらどんな景色が見えるだろう?
あの大画面のテレビが家にある生活ってどんなものだろう?
そんな期待に引き寄せられ、人を一歩前進させたのがこれまでのモノの役割。

そして、さんざんモノの刺激に慣らされた現代人は、別の何かを求めているわけです。
それがよく言われる、モノではなくコトを売る、という考え方でしょう。

 

最近別の動きを見ると、生活の物質的な質ではなく、
精神的な質に多くの人が魅入られているような気がします。
田舎暮らしをしたいとか、時間にとらわれず仕事をしたいとか。
それはかつて「テレビのある暮らし」にあこがれた人たちと何ら変わりはない、
と私は思っています。
今までなかったものへの憧憬。
その世界を見せてくれる人に、人はついていくわけです。

技術とか、パフォーマンスとかは、AIに任せりゃいいやん。
自分たちは、人としていかに生きるかを考えよう。
そんな時代なのだと思います。

 

人は、”タスク(課された課題)”を取り上げられると一気に不安になります。
今までは、
・顧客の問い合わせに必要に応じて回答する
・会社から売れと言われるものを売る
・目の前の書類を手順通り処理する
・ラインに流れる商品を組み付ける
・一定の手順に沿ってモノを研磨する
など、与えられたタスクがあったわけです。
これを
「明日からやらなくていいよ。けど、価値を創造することはちゃんとやってね」
なんて言われれば、ポカーンとしてしまいますね。

『あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」』という論文で慌てふためいている人の多くは、
定型化された仕事にすがりつきたい人ですよね。
与えられたタスクの中で生きていく安心感に浸っている。
そりゃあ、不安定な世界へ動くのは誰しも怖いものです。
私も怖い(笑)
というか、半年後私はホームレスになってるんじゃないか、
という不安だって実はあります。

しかしまあ、不安がってても未来はやってくるわけです。

どうせなくなるなら、不安の中で時間稼ぎするよりも、
すっぱりと次の道を見出したほうが、精神衛生上もよさそう。
そんな風に思うのですがいかがでしょうか。

 

まあ、私見の数々を述べてきました。
偏ってたらごめんなさい。
さて、ここで肝心な、冒頭のテーマ
「自分の会社の未来はどうなるのか?」
ということ。

それはあなたがどうしたいか?しかないでしょう、と言わざるを得ません(笑)
どうなるか?ではなく、どうしたいか?です。
ここで言葉遊びをするつもりは全くないのですが、
意外なことに「どうしたいか?」を自分でも知らない経営者は多い。

どうしたいか?と問うと、量的な目標はすらすら言えます。
売上〇億とか、店舗を〇店舗にするとか、従業員を〇人にするとか、上場するとか。
しかし、「なぜそれを目指したいのか?」というとしっくりくる回答がありません。
量的な成長の時代は、一段落していますよね。
しかも、安くて大量に作り、販売するなら、大企業に勝てるはずがありません。
じゃあ、中小企業にしかできないこと、御社にできないことで実現したいことは何だろう?
そういうことを考える機会が意外と少ないのです。

なぜ売上とか、量的な拡大ばかりに気を取られて、質的な要素に目を向けないか。
その答えは簡単です。
周囲から認められたいからです。
自分や自分の会社を相対的にしか評価していないのです。
それは競争の中でしか生きていない、という風にも言い換えることができるでしょう。
みな、同業他社との競争が厳しいといいつつ、その競争の中に進んで首を突っ込んでいます。

しかし、本当に自分がやりたいこととは必ずしも一致しないことが多い。
自分の本心を知ることを経験していないのです。
だから苦しいし、不安なのです。
自分のビジネスに確信を持てていないのです。

長くなりましたが、後継者の方にお伝えしたいのは、
先代の事業を継ぐ、という考えは捨てることをお勧めします。
あなたの役割は、先代の残したリソースと、先代の残すべき価値観をピックアップし、
あなた自身のエッセンスを加えたうえで、顧客をはじめとするかかわる人々を成長させるビジネスに組み上げること。
先代の事業はあくまで、その資本づくりだったのだと思います。

そして、あなたが生み出すビジネスは、
きっと今までの業種分類には当てはまらないもの。
そして周囲に何らかの刺激を与え、顧客が見たことのない世界を見せる、
という何かしらの仕掛けがあるはず。

そういったことを意識して、
・持っているリソースをリストアップし
・先代の創業精神を知り、その価値観を取捨選択する。
・自分がやりたいこと、関心のあることを明確にし、
・顧客のニーズと整合性をとる、
というステップで考えていくと、
絶対的な評価として、
「ああ、俺(私)の会社の理想的な姿はこうだったんだ」
なんていうイメージがわいてくるかもしれません。

年末年始には、少しまとまった時間をとってみて、
そんな自分の未来、会社の未来に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

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