後継者

後継者は「抽象化」することを意識してみよう

具体的なノウハウって、よさそうに見えて実は使い物にならないことが多い。
しかし、同業者の使っているノウハウなら自分達にも何も考えずに使えそうな気がするので何も考えずに使ってみる。
かつて、運送会社は「動物戦争」と言われたそうです。
ヤマト運輸が黒猫マークをつかって好調だったので、アリだのゾウだのパンダだの、同業他社はみんな動物のキャラクターを出してきました。
しかし、当時のヤマトが好調だった理由は、そんなシンボルではなかったのですが・・・。

手近な気がする同業他社の事例は、あまり役に立たない、という前提で見ておいたほうが良いのではないでしょうか。

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親の時代(昭和の時代)、ほとんどの会社は同じトラックを走る競走をしていました。
他所が「速く」すれば、こちらはもっと速くする。
他社が「安く」すれば、こちらはさらに安くする。
ライバルが「軽量化」すれば、こちらはさらに軽量化する。

同じベクトルで、他社を凌駕する、という競争をやっていたんじゃないでしょうか。
これは、一応すべての会社が生き残れるくらいの市場があって、その市場を奪い合うにおいてはそれなりに有効な戦略だったと思います。
生き残るためには物量作戦が必要で、産めよ増やせよ、と号令をかけてきたわけです。
それが私たちの親世代のビジネス。

同じルールで、同じトラックを走っているあいだは、同業者の成功例がそのまま参考例になります。
というか、同業他社がやっていることを取り入れないと、置いていかれるような不安さえもあったでしょう。
だから同業他社のことは興味津々。
それは昭和時代の価値観で言えば、まっとうな努力なんですが、今の感覚からすれば横並び意識丸出しな感じがしませんか?
そもそも、顧客より、ライバル会社を見ているというちょっと変なバランスがあるような気がします。
だから冒頭の「動物戦争」のような滑稽な話が出てくるわけです。

 

たぶん、親の代から続く事業の多くは、どの業種でもだんだんと市場が縮小している事を肌身で感じていませんか?
だんだんと値段を下げざるを得ないとすれば、「神の見えざる手」理論が正しければ、供給過多なのです。

だから、同業者を見ることはあまりお勧めしません。
何も考えずに同業他社のマネをすると、動物戦争を再現してしまいます。
それを避ける最善の方法は、他業界を見ることです。
異業種が何をやってきて、その何が顧客に喜ばれているかを分析します。
そしてそれを抽象化します。

たとえば、私の家業の保険の世界では、自動車保険は1年で更新されます。
すると、更新の2カ月前にはお客様のもとに更新のご案内が届き、私どもがお客様に連絡をし、引き続き1年契約を頂くという仕組みが出来上がっています。
95%以上のお客様は同じ自動車保険という商品を買ってくださいます。
多くの商品の中で、95%って結構なリピート率だと思います。
これは商品の特性もありますが、それを維持するための仕組みが連綿と改善され続けた結果です。

では例えば健康食品や化粧品といった物販のリピート率を上げるのに、この業界の工夫は参考になるのかならないのか。
そのリピート率はなにが主な要因で維持できるのか。
そんな事を考えて行くと、様々な業種に応用できるのではないでしょうか。

 

そうやっていろんなビジネスや業界を見ていくと、だんだんと疲弊したいまの業界と違ったところに目が行くかもしれません。
場合によっては、未だ名前のない、新たなビジネスを作り上げるという事もあるかもしれません。
実は後継者という立場は、誰かのためにやるとなると結構大変な苦行なんですが、すでに持っているリソースを使って「好きなことをやればいい」というところまではっちゃけてしまうと、けっこういい環境です。
オモチャをたくさん与えられた状況とでも言いましょうか(笑)

 

まとめてみますと、後継者は異業種を見、そこでやっていることを抽象化して、自分たちの会社・業種に持ち込めないかを意識してみてはいかがでしょうか。
さらにそこから、これまでなかったビジネスを生み出すことが出来たら、すごーく面白いんじゃない?という話。

ということで、そんな異業種の出会いをたくさん作れるよう私も頑張ります。

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Peter KaulによるPixabayからの画像

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