後継者

後継者が社内に溶け込む工夫

若いころというのは、なかなかそのようなことに気が回らないものです。
しかし、よくよく考えてみれば、現社長の子どもが会社に入るとなると、従業員にとってはちょっとした大きなイベントです。
現社長とは全く違った方針を打ち出してきて、従業員にとってあんまり好ましくない方向性を示すかもしれませんし、今までのいろんな仕事上のバランスを崩すかもしれません。
従業員にしてみれば、自分達の優位性をアピールするため、後継者に高圧的であったり、非協力的であったり、意識的・無意識的に後継者に対する何かしらの圧をかけてくるかもしれません。

正直なところ、私の時はあまりそんなことまで気が回らなかったというのが正直なところです。
しかし、色々な事例を見ていく中で、事業承継がうまくいかない理由の家の大きなものが人間関係。となると、後継者が社内に溶け込む工夫というのがとても大事なのかもしれない、と思うに至りました。

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先日、こんな本を読みました。

『「買収起業」完全マニュアル ベンチャー立上げリスクを回避する「新・起業法」』(ウォーカー・デイベル著)

簡単に言うと、起業というのは非常に失敗確率が高い。だから、その失敗確率を下げる一つの手段としとて、「経営者が高齢になった堅実な企業を買収し、会社を改革して新たな価値提供を行う」ということがテーマになっている本です。監訳者の神田昌典さんはこれを後継者のいない企業の事業承継の在り方の一つとして、重要なノウハウになるのではないかと考えているようです。

ところで、企業というのはたんなるルールと契約だけで動くものではありません。事業承継の失敗要因の大きなものの一つとして、人間関係の問題があります。親子の確執がよく耳にする内容ですが、それ以外でも表には出にくいですが、後継者と従業員の人間関係の問題が原因で上手くいかないこともよくある話です。従業員の大量退職や、クーデターなどといったことが日常茶飯事で起こっています。

となると、会社を回すノウハウ、戦略を立案する能力、会社をかじ取りする能力など、経営者の様々な能力が試されるかのように思われがちですが、事業承継の初期において最も大事なのは案外、人間関係の構築力、ということになるのではないかと思うのです。

さて、たとえば後継者が、40歳で会社に入社したとするなら、相応に社外で経験を積んで会社に戻ってくるわけですから、従業員は身構えます。
簡単には言いくるめることもできないでしょうし、反抗的態度も認められそうにない。
それでもぽっと出の人間に服従したくはない。
そんな従業員の信頼を得る比較的シンプルな方法論が、冒頭の本には書いてあります。

「買収後の初日は、経営者は率先して、会社を既存社員たちと掃除をすることからはじめるべき」

つまり、従業員とともに、いえ、率先して、彼らと同じ目線で汗をかけ、というのです。

私たち後継者は、決してエリート意識という訳ではないと思うのですが、どうしても上から目線で従業員と接しがちです。それは、私たちがそういう立場であるべきだという思いが強いからだと思います。そして、後継者である私たちだって不安だから、とにかく強さを見せつけておきたいということがあるんじゃないかと思います。従業員に馬鹿にされないために威厳を見せなければならない、という思いもあるでしょう。しかし、そういった仕掛けはたいていうまくいかず、結局は、真摯に接することが最もシンプルな解決策のようです。

仮に、という話で40歳で入社するなら、という話をさせていただきましたが、たいていはもっと早いタイミングで親の会社に入社されると思います。20歳代後半~30歳代前半が多いでしょうか。この時期はまだ社会経験も十分ではないがゆえに、それを勉強でカバーしようとしがちです。また、自分の経験に対して自信が持てないので、逆にそこを見せないように一生懸命威勢を張ります。そうするとまた、従業員との心はどんどん離れていき、結局はとてもいずらい職場になってしまうということが多く発生しているように思います。

じゃあどうすればいいかと言えば、結論としては威勢を張らず、謙虚に、真摯に接することが私は大事だと思っています。残念ながら私はそのようにできず、威勢を張り、社員が辞めていくという事件を経験しましたが、賢明な皆様はぜひ謙虚に、従業員と同じ目線から始めるということを意識してみていただきたいと思います。

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