日本ではあまり耳にしませんが、海外ではファミリービジネスに関する研究がいろいろなされているようです。
その中で、後継者・二代目社長の学びについて、4つのステップで説明されているのが4Lフレームワーク。
1.ビジネスを学ぶ(L1)
2.自社のビジネスを学ぶ(L2)
3,自社のビジネスを率いることを学ぶ(L3)
4.手放すことを学ぶ(L4)
というものです。
具体的に見ていきましょう。
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Contents
後継者・二代目社長の学びの4ステップ
ビジネスを学ぶ
まず後継者・二代目社長が学ぶべきことの一つとして、ビジネスを学ぶということのようです。
これは自分達と同じ業種かもしれないしそうでないかもしれませんが、まずは広く「商売」について学ぶということになるのだと思います。
これは例えば、「親の会社を継ぐならばまずは外の世界を見てこい」とよく言われますが、そういったことをすすめているのだと思います。
なぜならば、親の会社のことしか知らなければ、あまりにも世間が狭すぎるからです。
たとえばある会社では、なによりも掃除を大事にしているとしましょう。
しかしある会社は、そんな暇があれば実務に即座に取り掛かれというかもしれません。
きっとどっちもそれぞれの信念があるのでしょうが、他の世界を知らなければ自分の親の会社が全てにおいての基準になってしまいます。
親の会社を評価するに際してもどこかに基準点は必要になります。
どこを基準にするかはケース・バイ・ケースですが、少なくとも二つ以上のサンプルを知らなければ比較のしようがありません。
一旦会社を出て違うところで学ぶという方法が一般的ですが、それ以外でも自学することは可能ですから、ビジネスとは何かというところから学んでいくことが必要となります。
自社のビジネスを学ぶ
ビジネスって何だろう?ということがある程度わかったうえで、あるいは同時進行で、自分の会社のビジネスを学ぶフェーズがあります。
これはもうほとんどの場合がOJTで教わっていくということになるのではないかと思います。
普段の実務であったり、自社のビジネスにおける専門知識、業界の動向などを学ぶフェーズは不可欠です。
極端な話ですが、あるITオンチの友人が、IT系の起業をしたいと奮闘していましたが、やはりうまくいきませんでした。
経営者がプログラムをかけなくてもIT起業はできるとは思いますが、まったくその世界のことを知らずにはやっぱり難しいと思います。
意図したことの可能性の確率さえ読めないのですから。
後継者・二代目社長はその後、会社をどうするかを考えていくことにはなりますが、今の収入の柱である現在のビジネスを学ぶことは避けて通ることができないのは、言うまでもありません。
後継者・二代目社長だからこそ必要な事
自社のビジネスを率いることを学ぶ
後継者でなければ、自社のビジネスさえ学べば何とかなるところを、ビジネスとは何ぞやというところに範囲を広めて学ぶ必要があるのが私たち。
さらに大事になってくるのが、「自社のビジネスを率いることを学ぶ」ということです。
すごく平たく言うと、リーダーシップの話に入ってきます。
このリーダーシップに関しては、同族経営でない場合でもまともに学ばれているケースが少ないと思います。
大企業におけるリーダー層が、リーダーシップを学んでいないケースがほとんどで、それが社内でのメンタルヘルス不全を頻発させていたりします。
こういった問題が、同族経営ではより色濃く出てきます。
一般従業員から見たときに、後継者は常に「親の七光り」を意識させるポジションにいますから、リーダーシップの取り方を間違えると大変な問題に発展することがあります。
そう言う意味では、親子経営における後継者のリーダーとしての在り方はかなり重要になります。
多くの場合ここでつまずくことがけっこうあるのではないかと思います。
手放すことを学ぶ
恐らく、悩みを持つ後継者・二代目社長にとっての先代は、この「手放すこと」について学びきれていないというのが印象としてあるのではないでしょうか。
残念ながら、これを先代に教える人は誰一人いないですし、それを強制する人もいないのが普通です。
上場してもなお、創業者に引導を渡すことができないことが多いくらいですから、本人はこれを学び、スムーズに会社を手放すことを学んでおく必要があります。
私たち後継者・二代目社長においても、同じ轍を踏まぬよう準備が必要でしょう。
会社としての体裁を作るのが後継者・二代目社長
先代はどちらかと言えば感覚的に会社を運営し、次代の風に乗って業績を伸ばしてきた様子がなんとなく見えてくることが多いように思います。
それをある程度、仕組みや制度を整え、会社らしい体を作っていくのが後継者・二代目社長の役割であることが多いように思います。
であるとすれば、私たちが勉強熱心なのは会社の将来にはとてもいい方向に作用するはずです。
しかし一方で、そういった学びを深め、実践をすればするほど社内ではいろんな軋轢が出てきます。
その原因は、先代が手放すことを学んでいないから、ということも言えるかもしれません。
しかし、誰かのせいでうまくいかないという泣き言を言っていても仕方がありません。
ならば、先代が手放せないという前提で私たちが何をできるかを現実的に考えていく必要があります。
そこはある程度バランス感覚と、鈍感力と、レジリエンスが試されるところではないかと思います。
ある意味、後継者・二代目社長は精神的にタフでなければ務まりません。
そんなタフさを身につけること。
これを後継者・二代目社長必須のスキルとして私はあげたいと思っています。
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