後継者

親の会社を事業承継した後継者がはじめにやるべき4つのステップ

事業承継で親の会社を引き継いだ時、後継者としては何からすべきなのでしょうか。
多くの場合は、形式的な代表交代が行われても、先代が力を持ち続ける形をとりますので、「ある日突然の代替わり」という感じではないケースが多いかもしれません。
しかし、一定数伺うのは、「タイミングを決めてスッパリ親は会社の言ことに干渉しなくなった」という話。
こうなったらこうなったで、「十分な引き継ぎをしてくれない」といった不満も出るようですが、こういったケースで後継者は何をどの順番でやるべきかを、ある参考書をひきながら検討してみましょう。

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会社を掌握するためのハウツー

事業を受け継ぐときの指南書

実は事業承継の教科書的なものはいくつか出版されていますが、多くは資産の移転に関するものだったり、法的な防御をするためのものだったりが一般的です。後継者が、企業という組織を率いるための指南書となると、偉い経営者が書いた体験談的なものが大半になります。何しろ親子の事業承継などというのは、普通は生涯で1度しか経験しませんから、ハウツーを見出すのはなかなか難しいという側面もあるのでしょう。ですから、事業承継関連本に見られる組織の継承というのは表面的なものであったり、個人の体験談であることが少なくありません。

そこで、近年盛んになってきている、M&A、つまり企業の買収において、会社を買った人がどのように会社組織を掌握するかを見ると幾分参考になる部分があるのではないかと感じています。もちろん、なんの関わりもないところからやってきた企業の買い手と、創業社長の子息・子女という私たちとは従業員との心理的距離はずいぶん違うものとは思いますが、少なからず参考となる部分もあるのではないでしょうか。

そこで今回ピックアップするのが、『「買収起業」完全マニュアル ベンチャー立上げリスクを回避する「新・起業法」』(ウォーカー・デイベル著) です。

本書のほとんどのページは買収する会社を選び、評価し、契約すると言った過程に関する説明ですが、最後の10数ページに既存組織を掌握するヒントが網羅されています。

新社長がはじめの30日でやるべき4つのこと

社内の全面清掃をする

古い会社というものは、いろんな垢がたまるもの。これを代が変わったことをきっかけに全面清掃をすべき、と本書は勧めています。なるほど、そういった行動は「何かが始まる」といった予感を植え付けます。机の整理や、書類や工具の整理に始まり、可能であれば壁を塗り直したり、古い資産を売却する。これは、後継者がこの場所を気遣っているというメッセージでもあるし、会社が生まれ変わるメタファーにもなりそうです。わかりやすい、はじめの第一歩としてはこれ以上のものはないかもしれません。もちろん、掃除は自らが率先してする、ということを忘れずに。

全社員参加のミーティングを開く

後継者がこれからの代表であることをしっかりと宣言し、自身の思いを明確とするとともに、従業員の「変化への不安」へのケアを行うべき、と説きます。こういった内容について、変えずに済むならそのことをハッキリと伝え、彼らの安全を確保することが好ましい。逆に何かしらの変更があるならば、できる限り早くに伝えたほうがいい。そして多くの従業員が関心を持つのは、「どうやって会社を成長させるのか」という問い。ここには尊大になる事なく、自分本位になる事なく、「皆さんの会社を理解することに力を貸してほしい」という主張を勧めています。

一対一のミーティング

はじめの10日間で、一人一人とひざを突き合わせた短いミーティングを行う。これは、それぞれの従業員の個性を理解するとともに、彼らの意見を聞く。彼らが自分の立場なら、何を重視するか。どんな改善策が必要か。そんなことに耳を傾ける。

営業に同行する

販売に携わる人間とは、営業に同行することで顧客との関係や、この会社が行ってきた顧客対応、顧客その物がわかる。また、移動中には営業社員とのコミュニケーションにより、様々な話ができるので一石二鳥と言えそうです。

中小企業は人で動く

人への配慮

中小企業の事業承継において、その失敗要因を分析すると圧倒的に「人間関係」の問題が大きいと言います。
なるほど、ほとんどの中小企業は、仕組みではなく人で動いています。さまざまな仕事が属人化されており、ある意味それゆえに引き継ぎが難しいという側面があるのかもしれません。
となると、人の心を惹きつける工夫は結構大事で、実際にたくさんの中小企業をM&Aしたウォーカー・デイベル氏は、経験からそのことを学んだのでしょう。新社長が突っ走る代わりに、元居た従業員との関係を結ぶことから始めています。

私たちのように家業を持つ後継者は、どちらかと言えば社内の従業員と融和するというより、彼らを飛び越えることが正義と考えがち。その過程で、従業員をマウンティングしたり、ライバル視したり、どこか距離を取りがちです。完全な友達にはなれなかったとしても、少なくとも彼らに寄り添うことから始める必要がありそうに思えますがいかがでしょうか。

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