大手企業に勤めた経験のある跡継ぎが家業に戻って自信を無くすケース

中小企業の跡継ぎ・後継者・二代目社長となると、ピカピカの経歴を持っている人も少なからずいらっしゃいます。
大学は名の知れた大学だし、人によっては海外留学を経験していたり、MBAを取得している人もいます。そんな経歴から、家業と違い業種の大手企業で働き、そこそこ自信をもって仕事をしていた。
そんな人が、家業に戻っていっさいの自信を無くしてしまうケースも、親子の事業承継では「あるある」な話です。

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成功した親を持つ後継者はピカピカな経歴を持つ

中小企業経営者は教育熱心!?

昭和の時代から平成の時代にかけて、中小企業経営者はけっこうな収入を得ていた人も多いと思います。そういったことから、その子供に対して、教育に対しては相応のお金をかけている傾向はあるかと思います。近年の研究では、子どもの学歴と、教育にかけたお金は比例する傾向が見て取れるようですから、当然、経営者の親を持つ子供はピカピカの学歴を持っている人が多いように思います。有名大学を卒業し、海外留学を経験し、MBAを取得する。そして、まずは社会経験を、と、家業の業種と近い業種で大手企業や外資系企業に勤める。基本的に、中小企業経営者の子はまじめなことが多いので、一生懸命働くからそこそこ出世もすると思います。一般の社員さんとはちがって、「将来親の会社を継ぐことになる」という意思を持っていると、仕事への取り組み方がおのずと変わるからです。

そしてこのようなピカピカな経歴を持った跡継ぎ・後継者・二代目社長が、親の会社に戻った時、一気に自信を失うことがけっこうあるようです。

仕組みで動く大企業

その原因は様々だと思いますが、私が比較的よく聞くのは、「大企業は仕組みで動く」ということです。もう少し具体的に言うと、大企業の中で働く人は、良くも悪くも会社の意向、ルール、組織が求めるほうに動けばそれでよかったのです。上から「あれをやれ」と言われれば、一生懸命に「あれ」をやっていれば基本的には評価されるし、成果も上がる確率が高い。つまり、中間管理職においては創造性を発揮するというより、きちんとつくられたレールの上を走ればそれでよかったと言います。さらに言うと仕事は細分化され、自分は会社の仕事全体の中の小さな一部分だけを見ていればいい、ということになります。会社の戦略は遠く上の方で決められて、差別化や商品ラインナップの手法も現場では何も考えなくてもよくって、勢いのある会社だと本部の言う通りやれば放っておいても商品が売れて行ったりもします。

一方、家業というとの方はどうかというと、すべてが緩い。管理体制も、仕事に対するマニュアルも、あればまだいいほうでほとんどは現場の裁量。そして、現場裁量がそのまま追認されればいいのですが、失敗すれば責められる。しかも、何でも屋。たとえば、「販売」部門に籍を置いていても、製造とか、仕入れとか、債権回収とか、いろんなことが見えますし見なくてはいけないという広大な仕事の範囲が視界に入ってきます。販売だけに特化した人間は、中小企業ではなかなか活躍が難しかったりします。

大企業ではまるで都会のマンションの住人のように、隣の人の仕事は何をやっているかよく知らないということがよくあるようですが、家業のほとんどは社内すべてが見渡せる寄り合い所帯のようなものなのです。この「責任を持つべき範囲」の広さを見たときに愕然とする人がたまにいるようです。これまで、いろんなことを学び、やりこなしてきたつもりだけど、こんなこと、自分にはできない……と。MBAを取得し、大企業で管理職を務めた自分が、家業に勤める中堅社員とくらべてむしろ劣っていると感じることがあるようです。

部分最適から全体最適へ、という中での不安

小さな部分だけを見ていた事への劣等感

さて、こう言った環境で働いてきた人は、企業としての「お手本」ともいえる大企業が自分にとってのスタンダードになります。中小企業の実態を知っている人ならわかると思いますが、大企業における管理体制を中小企業がやろうと思えばとんでもない組織改革が必要になります。というか、そこを目指せば、下手をすれば会社はつぶれてしまうかもしれません。中小企業は小回りが利くことが大事な一面もあると思います。それをスポイルしてしまう可能性だってあります。

ただ、初めてそのような家業の実態を知った時、人はそのギャップに圧倒され、自分の頭の中に「変革すべき事柄のリスト」が無限に広がっていきます。この粗削りすぎる家業の状態を見て、ショックを受ける後継者の方は少なからずいらっしゃるようですし、そもそも家業を継ぎたくない、という人の一部はそのギャップがたまらなく嫌だという人であるともいえるかもしれません。

前職での人間関係

また大企業に勤めた経験があると、比較的フラットに付き合える同僚がいると思います。しかし、会社の跡取りとなるとどんなに仲良くしていても、ふと孤独を感じることが少なからずあります。なにしろ、社長の子どもですから、周囲の社員はそれなりに無意識に心理的な壁を作ることもあるかと思います。社員のほうは悪気はないのですが、跡継ぎ・後継者・二代目社長としては敏感にそんな様子を感じ取るのではないかと思います。今までは会社のなかでも、フッと息を抜ける時間があったり、自分の悩みを語れる場所があったはずなのですが、家業に入ってからはずっと肩の力を入れっぱなし。そこで緊張の糸がプツンと切れそうになった時、自分が苦しんでいることに気付いたりすることもあるようです。処方箋ではありませんが、現状を即座に変えることは難しいでしょうが、こういったメンタル的に追い詰められた状況の方に関して言えば、ただその思いを吐露する場があるだけでも随分と違うように思います。

完ぺき主義という自らを縛る考え方

自分を責め続ける後継者

このような状況に陥った時、前述の通り、周囲の状況がある日突然一変することはまずない、と考えるのが一般的だと思います。しかし一方で、悩みのどん底にある跡継ぎ・後継者・二代目社長は、自分の目に映る会社の問題点を自分がすべて解決できなければならない、と考えがちです。それができなければ、会社を引き継ぐことなんてできるはずがない、と思いがちです。しかし、私は仕事柄色んな会社を見ていますが、あれもこれも完ぺきな社長など一人もいません。むしろ、普通のサラリーマンと比べると、いびつでバランスを欠いた人ばかりです。だから、完ぺきな会社組織とは程遠いけど、それなりに元気にやっているのが、いい中小企業です。

跡継ぎ・後継者・二代目社長は、責任感が強くて手を抜くのが下手な人が多い。だから、会社のあるべき姿、社員の要望、お客様の要望、その他もろもろすべてを自分が何とかしなければならないと考えがちです。その背景には、親である先代があれもこれも全部自分でやっているように見えるからかもしれません。しかし、経営者はほとんどがいびつでバランスを欠いています。そのいびつな状態こそが今の会社の個性と言える部分はあると思います。だから、そのいびつさをマイルドにするというのが全てではないと思います。逆に言えば、跡継ぎ・後継者・二代目社長は、自分のいびつさを発揮すればいいじゃん、くらいの思いをもってやれるとずいぶん楽になると思うんですが。

ある跡継ぎ・後継者・二代目社長が復活した方法

このような悩みを持つ跡継ぎ・後継者・二代目社長は少なくありません。そんな中で、ずいぶん長い間悩んで、会社を辞めようかと考えていた方がこんな方法で気持ちを変化させました。それは、まずは自分の気持ちに気付き、その状態を少し離れて見てみる、ということです。たとえば、会社でやらなければならないことが山積みになってる!と焦っているとき、焦るままに任せるのではなくて、まず焦ってる自分を意識します。「ああ、自分、今結構焦ってるな」と、あたかももう一人の自分が焦っている自分を見ているような感じのイメージです。こうすることで、感情と自分が分離されます。良くない感情というのは、だんだんと大きくなって、冷静な判断をできなくしてしまいますから、感情と自分を一旦切り離します。そのうえで、その自分の感情について、チェックしてみます。焦りがお腹に感じられて、モヤモヤするな、とかいった感じです。体の感じに着目します。十分その感覚を感じ取ったら、感情は消えていきますから、そんなクリアな状態で物事を考えていきます。感情に溺れない、ということに気をつけるだけで、ずいぶんと考えは整理できるものです。

そうするとだんだんと、自分が動かせることとそうでないことの区別がつきやすくなり、自分ができることに集中しやすくなります。無駄に感情に振り回されることが減ってくるはずです。

そんなトレーニングの後、ちょっとしたきっかけである後継者は人が変わったように活き活きと働きだしました。「ある時、こんなことしてる場合じゃないな」という思いが沸き上がりスイッチが切り替わったそうです。彼はそこに至るまで3年くらいかかったようですが、一瞬で変わる人もいれば長い時間が必要な人もいます。ただ、少なくとも先ほどの「自分の感情と距離を置く」ということができるようになると随分気持ちは楽になるはずです。ぜひ試してみてください。

 

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最近、Clubhauseに時々出没します。(飽きたらやめるかも…)

タイミングよくこの―ページに出会った方には、このリンクからどうぞ。
上記の内容についてお話しするかもしれません。

2021年7月5日22時スタート(約一時間の予定)

https://www.clubhouse.com/event/m2K48219

田村薫kaoru tamura ID @kao345
Yuka Wakabayashi ID @shiawase_shacho

 

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