親が子である跡継ぎに求めている事

会社を生み、育ててきた親が、後継者である子に何を求めているのか。
時に後継者にはわからなくなる時があるかもしれません。

それもそのはず。
実は親もよくわかっていないのです。

詳しく考えてみましょう。

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親にとって子が会社を継ぐということ

自分の存在意義

親にとって、子どもが「お父さん(お母さん)の会社、継ぐよ」なんて言い出すと喜ぶ方は多い。
逆に、継ごうとしてくれない、という話をされる親は一様に寂しそうです。
表向きの理由は、それで会社が存続できるとか、できないとか、そういう話になると思います。
しかし、本当のところ、裏の理由は違うところにあるのではないでしょうか。

それは、意外に思われるかもしれませんが、こういう理由です。
親にとって、自分が生涯をかけてきた事業を子どもが継ぐ、ということは、
自分がやってきたことを子どもが認めてくれた、という証です。

逆に言えば、親の会社を子どもが継がないということは、親にとっては子どもが自分の功績を認めていない、ということになります。

言葉を選ばずに言えば、親にとっての本心は、自分が死んだ後の会社なんてどうでもいいのです。
それよりもむしろ、今生きている自分にとって、その生きてきた結果を認められるか、認められないかが何より重要なのです。

本気で継ごうとすると上手くいかなくなる

ありがちな跡継ぎの悩みとして、
・自由にやらせてくれない
・自分の裁量に任せてくれない
・いつまでたっても認めてもらえない
・必ずと言っていいほど社内改革にNOを突き付けられる
・意見が対立しがち
といったことがあります。

これは、本当に親が会社を継がせたいなら、早く子の会社にしたいなら、
出るはずのない衝突です。
しかし、先ほどお伝えした
「親は会社の将来よりも、自分が認められたかどうかを重視している」
という考えに立つと理解しやすくなります。

会社が存続することは確かに大事ですが、親としては子に「親としての偉大さ」を見せたいのです。
だから、親自身のラベルの付いた会社であり続ける必要があります。

これを後継者が本気で継ごうとすると、衝突が起きます。
なぜなら、親は子に対するマウンティングをしたいのに、その地位を揺るがすからです。

 

もちろん、親に悪意はありません。
自分でもそんな思いを持っていることを知らないほどに、無意識の行動(というより反動)だからです。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

親が後継者に求めている事

親を尊重せよ?

このブログにたどり着いた方は、今まで後継者はどうふるまうべきか?といったことを本などで読んだことがあるかもしれません。
恐らくそのほとんどの本の内容は、親を尊重せよ、というものではなかったでしょうか?
社会的にも、年長者を大事にせよ、という日本の道徳めいた話がありますが、それで事業承継がうまくいく・・・ハズありませんよね。
これから30年、会社を預かるのは後継者です。
その後継者が自身の力を試し、失敗しながらでも前に進む経験が今まさに必要なのです。

なのに、そういった自分の個性を抑えて、親を尊重せよ、というのはなんともばかげた話にしか見えません。
それは会社を犠牲にしてでも、親を立てなさい、と言っているのと同じです。

なぜそんな話が出てくるかというと、親世代の経営者は自分が尊重されることを求めているからです。
そう。
嘘偽りのない親の本音は、親の栄光のために働け、ということなのです。
そういったとき、とりあえず親子の関係は悪くない状態を保てますし、会社もまあ数年は何とかやっていけるでしょう。
しかし、これでは本末転倒なわけですよね。

この本末転倒振りに気付かない人はけっこう多いわけです。

親は子に認められたい、子は…?

さて、親は家業を継ぐことで子に認められたいという裏の欲求を持っているとお話ししました。
そしてその思いは、子が会社に入ってからも、子が自分を認めている、尊敬してくれている、という行動をすると強化されます。
さらに、まだまだ自分は子どもより上である、という思いも同時に持っていたい、という複雑な心境があります。
その結果、親は子供に「まだまだ」というわけです。
「本当は早く会社を任せてゆっくりしたいけど、後継者がまだまだ経験不足だから任せられない」
等というわけですが、経験させないから永遠に経験不足。
言ってることとやってることが矛盾しています。

本人も、周囲の人間もそのことに気付いていないのですが、後継者はたまったものではありません。
「継げ」と親に言われて頑張ったら、
いえ、頑張れば頑張るほど、親には圧力をかけられる。
そしてどんなに頑張っても、永遠に認められません。

いえ、表向き後継者が認められるタイミングは、親が身体を壊して仕事に復帰できなさそうな状況になってからです。
親子の確執が、親の病床でやっと和解できた!というストーリーをよく耳にするのはそのためです。
居場所を作らなくてよくなった時、親は和解に応じるのです。

じゃあ、親が悪いのか?と考えがちですがそんなことはありません。
実は後継者もまた、その環境が苦しい反面、楽である、という一面もあるのです。

rawpixelによるPixabayからの画像

後継者は親の影でひっそり暮らしたい?

本当にやりたいことはわかっていない?

後継者は、自分なりに何かしなければ、ともがきます。
もがけばもがくほど、親に制止されます。
そのことに憤慨するわけですが、一方で、だから安心を感じている一面もあるのです。
何かあれば、親が責任をとる。
むずかしい決断は自分がしなくとも、親がする。
親がバックにいるから少しやんちゃしても大丈夫。

そんな風に、やはり無意識に、親の威光で成り立っている部分、少しはあるのではないでしょうか。
私だってそういう感情はあります。

ま、だから、それを利用してるんですけど(苦笑)

じゃあ親が今すぐ引退するとして、後継者は何をやるのでしょう。
実はそこが意外と明らかではないことが多いのではないでしょうか。
もちろん、課題が何で、その課題にどう対応するとかは考えていると思います。
けど、会社をどのようにしていくのか?というのはあまり明確ではないのではないでしょうか。

目的は「今の状態を抜け出すこと」?

つまり、後継者の今の目的は、「この状況を何とかして抜け出すこと」という感じではないでしょうか。
要は嫌なことから逃げたいのです。
私も逃げたい(笑)

その思いを、そのまま表してしまうと、弱さを見せる無防備感とか、
やっぱり批判される恐怖(後継者は前向きでなければならない、的な思い込みが世の中ありますから)とか、
ちょっと格好悪いな、という感じとかがあるわけです。

だから、自分だっていい格好したい。
そこでなんか自分がイヤな道を通らずに、自分がアピールできる方法を考えた結果、親に反抗し、親と違う経営を目指す、という方向に行くわけです。

あ、もちろん経営方針に関しては、後継者のほうがある意味冷静です。
未来を見越しています。
だからそれを上手く導入したいのですが、ここで「そのためには誰にも邪魔建てさせないぞ」と思ってしまいます。
これこそが実は、後継者がとても苦しい稼業になる一因ではないかと思うのです。

何かをやるときに失敗はつきもの

社内改革であれ、新たなマーケティングを始めるのであれ、新たなビジネスモデルを検討するのであれ、
何かを変えるとか、新しい経験をするとき、失敗は必ず経験します。
試行錯誤のないビジネスプランなんてありえません。

その失敗を招くのは、プランの脆弱さかもしれませんし、
スタッフの能力不足や、モチベーションの問題かもしれません。
しかし、何が原因であろうと、新しいものを生み出したり、新しいことにチャレンジするには、うまくいかない経験は絶対にあります。

要はその経験を組織における「学び」としてフィードバックできるかできないかが、そのプロジェクトの成否を握ります。

しかし後継者はなまじ、そういった失敗の原因を親に求めがちです。
まあたしかに目立つから、彼らの責任にしたくもなります。
直接的な反対勢力になることも多いでしょう。

だからといって、その人の問題、としてしまえばそこで思考停止です。
その人がどうしてそう振る舞うのかを深く掘り下げていかなければ、先代が引退したところで同じことを起こす人が出てくるものです。

だからその先代をどういなすかとか、組織全体としてどのような最適化をしていくのか、ということを考える必要があります。

親が後継者に求めるもの

人生における満足

少し話があちこちに生きましたが、本稿のテーマ、親が後継者に何を求めているかをまとめてみましょう。
前半戦でお話ししたとおり、親は後継者が親を認めることを求めています。
であれば、認めればいいのではないでしょうか。

だから、組織の中でみんなで崇め奉ればいいのです。

そしてそれを否定しないように、うまく会社のシフトチェンジを行うのです。
これまでは多くの場合、親と後継者はマウンティング合戦をしていたのではないでしょうか?
後継者は、いかにオヤジが間違えているかを説得しようとしていなかったでしょうか?
親のやっていることは古いと、さげすんではいなかったでしょうか?

それはそれとして過去の偉業として尊重すべきです。
そのうえで、その時の誉れを継続するために、表現方法を少しずつ今の時代にマッチさせていこう。
親がやってきたことの延長線上に自分の考えがある、ということを明確にしていくことで反発はマイルドになるのではないかと思います。

ぼやーっとした話になりますが、気持ちの持ち方ひとつで、受け取る印象は変わるものです。

会社を作って頑張ってきたことが報われたな、という状態を作ればいいのです。

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