後継者

後継者の悩みに対処する~④やる気が起きない

親の会社を継ぐために入社した、跡継ぎ・後継者・二代目社長。
立場上、社員を引っ張り、リーダーシップをもって会社を盛り上げていかなければならないだけに、口が裂けても言えないことがあります。それは「やる気が起きない」という言葉。

これは、過去にいくつかお話ししてきた、「会社を辞めたい」「将来が不安」といったものとも強く結びついている話です。
そして口に出せない思いは自分の心の中で、どんどんと異物を取り込み大きく、どろどろと異臭を放ち始めます。

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後継者の成功のために不可欠なものとは?

「成功法則」を学びつくした先にあるもの

跡継ぎ・後継者・二代目社長の中で、自己啓発本や成功法則本を手にしたことがある人は少なからずいらっしゃるのではないかと思います。なんだかもやもやとしていて、少なくとも今の状況には満足できないのだけど、何をやっていいのかよくわからない。そんな状態から抜け出したくて、たとえばお金持ちになれたら、あるいは会社が大きくなれば、あるいは自分のスキルに絶対的な自信を持てるようになれば、そのもやもやから抜け出せるような気がする。そんな思いで自己啓発に励む跡継ぎ・後継者・二代目社長の方は多いのではないかと思います。

ところで、最近こんな本を読みました。

『やってみてわかった成功法則完全実践ガイド 』高田 晋一  (著) という本です。
この本、古今東西の成功法則本を1000冊以上を読破し、分析し、その有用性を確かめるというものです。

各種の成功法則には多くの共通点がある

この本を読んで感じたのは、実際に複数の自己啓発書を読むと容易に想像できるのですが、「言ってることはみんな同じ」ということです。一つのことに集中するとか、成功イメージを頭に描くとか、目標を紙に書くとか、そういったことはいろんな本に書かれていて、実際に本書による分析でも多くの本の中に共通点を見出しています。そういう意味では、多くの人が実践してきたそれらの共通の実践項目は、「本当らしい」と思えるようにも思います。

ただ、その中で、多くの本に取り上げられている、「目標設定」というところがどうもキーになるような気がするのです。実は、私たちは目標にフルコミットさえできれば、行動量も増えるし、不安や恐怖心も克服できるし、やり続ける力だって持てるはずです。しかし多くの成功法則本には、その目標にフルコミットする方法や、逆に、フルコミットしないではおけないほどの目標設定の方法については、これといった方法が明確化されていないように思います。

すべての成功法則への起爆剤

エンジンでいうならセルモーターとなる、「目標へのあくなきモチベーション」さえあればたいていのことならできてしまいそうな気がします。その目標設定に関しては、たとえば「ワクワクすることをする」とか、「社会性や利他の心を大事にする」とかいわれます。あるいは、自分の過去年表を作る、過去のヒーローや過去にやりたかったことやなりたかったものを書き出す、自分の価値観をあぶりだす、などなどいろんな方法がいろんな本から提示されていますが、実はこれで本当に燃えるような目標を持つことができている人はどのくらいいるでしょうか。

私に関して言えば、全くダメでした。

後継者に足りない「目標(というより目的)」への情熱

跡継ぎ・後継者・二代目社長のゴールはどこに?

このブログを長く読んでいただいている方にとっては、「またか」というお話に感じられるかもしれませんが、私たち跡継ぎ・後継者・二代目社長にとってのゴールといえば、普通は「会社を持続・発展させること」ではないでしょうか。もっというならば、「会社をつぶさないこと」ではないかと思います。さて、では伺います。この目標・目的を読んでみて、口に出してみて、顔がニヤつくほどに愉しそうな目標でしょうか?目がキラキラと輝くような夢のある目標でしょうか?

私に関して言えば、ぼんやりと、「会社を発展させること」が自分の目的・目標だと何十年も思い込もうと思ってきたと思うのですが、結局、今になって自分の気持ちに正直になるなら、あまり関心のないことだったな、と思います。そこに関心を持てない自分を責めたくなることもありましたが、どんなにそう思い込もうとしても思い込めないのですから仕方がありません。

となると、です。先の成功法則のメタ分析についての本で感じた感想と掛け合わせると、ありがちなメンタリティでは、私の人生に「ああ、成功してよかった!」というゴールは訪れないような焦燥感を感じざるを得ないのです。

やりたいことは社内にあるかもしれない

とはいえ、跡継ぎ・後継者・二代目社長の方々に、親の会社を辞めて自分のやりたいことを探しなさい、というつもりは毛頭ありません。なぜかというと、やりたいことというのは常に具体的なもの(たとえば、サーファーになりたいとか、漫画家になりたいとか)というわけではなくて、もう少し抽象的なものであることが多いように思います。サーファーという固定のものではなく、「海や自然と身体能力の調和」というテーマを持っているとか、漫画家という固定のものではなく「人の物語を語り、それを絵や文字といった様々な形で表現する」というものであるといった形だと思います。多くの場合は自分一人の世界で完結するというより、自分と外界(人であったり、自然であったり、ものであったり、動物であったり)を結ぶところでやりたいことがあるのではないかと思います。

だからそういった「やりたい」を抽象化したときに、親から譲り受ける会社をつかってそれを拡大する方法というものを考える余地というのがあるように思います。もちろん全く交錯しない方もいらっしゃるでしょうが、何かしらのこじつけができることのほうが多いように思います。案外、どんなものを売り、どんなサービスを売るかはどうでもよくって、組織作りそのものが目標となる人も結構多いように思います。

「わくわく」を感じられるようになることから始めよう

ではそのような目的・目標っていうのはどうすればわかるのでしょうか。今一般的に知られている方法は、たとえば、自分のスキルや得意分野をピックアップする方法や、前述の人生の年表づくりにヒントを得る方法や、自分の持っている価値観をあぶりだす方法など、様々なものがあります。ほとんどは質問をもとに自分の内面をあぶりだすような形でそれを「思い出そう」というコンセプトの方法論が中心かと思います。

ただ、私自身がこういったものをどれだけやってみてもピンと来なかったのは、自分が自分に対する不感症になっていたという経緯があったのかもしれません。これは跡継ぎ・後継者・二代目社長に限ったことではないと思うのですが、例えば私は長男なので「早くしっかり者(大人)になりなさい」と育てられてきました。結果として私はどんなことも、誰の手も借りず、そつなくこなす人間という役割を演じています。次第に自分はそういうタイプの人間と思ってきましたが、本来的にはおっちょこちょいで、慌て者。落ち着きなんてない、子供っぽい人間です。この子供っぽい人格を私は何十年も隠して生きてきましたが、この隠された自分が現れ出ないことには、自分の本当の「ワクワク」なんて感じることはできません。なにしろ、本音の自分の心の声をずっと無視して生きてきているのですから。自分が本当にやりたいこと、ワクワクを感じることをみつけるには、本来持っている自分に立ち返る必要があるように思います。

この、「本来の自分」につながるというテーマが実は近年の瞑想ブームなどを引き起こしているように思います。
そこへの一歩としては、自分の身体感覚に鋭敏になることです。とかく跡継ぎ・後継者・二代目社長は、自分の抑えるあまり自分の身体感覚を無視しがちです。歩いている時の足の感じ、寝ている時の肌に布団が触る感覚、食べている時の味や口を動かす感覚、腹が立つときのお腹のあたりのもやもや、ストレスを感じたときのむねのあっぱくかんなど、そんな感覚をまずは感じるよう習慣づけてみることから始めてはいかがでしょうか。だんだんと感覚が研ぎ澄まされてくるのではないかと思います。

また、こういったことをテーマにセミナーやブログでも紹介していきたいと思いますので、楽しみにしていてください。

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