後継者

後継者の悩みに対処する~③親の会社を辞めたい

私の感覚として、跡継ぎ・後継者・二代目社長の悩みとして、圧倒的に多いのが「親の会社を辞めたい」というものです。
社内で孤独な状態になってしまっていたり、会社の将来性が全く見えないうえ親である先代社長が経営改革を認めなかったりといった状態にいる跡継ぎ・後継者・二代目社長は少なくないと思われます。

しかし、じゃあ辞めてどうするの?という問題もあります。まだ20歳代ならいざしらず、親の会社を継ごうとしたのにやっぱりやめたいという想いが強くなってくるのは、30歳代後半から40歳代半ばくらいがボリュームゾーンだと思います。特殊な技術を持っているならいざ知らず、そうでない場合の再就職は難しいと思われます。しかも普通の会社員ならいざ知らず、跡継ぎ・後継者・二代目社長として社内でリーダーという立場だった人を使うのは、再就職先としてはなかなか難しいと考えるのが一般的でしょう。

実際の事例を見ながら考えてみます。

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親の会社をあきらめるとき

親の会社を継ごうとここまで頑張ってきたけれど……

親の会社を継ぐために入社した跡継ぎ・後継者・二代目社長は、おそらく20歳代のうちはいろんな障害があれど一生懸命働き、一生懸命会社を継ごうと頑張ることが多いと思います。しかし、頑張れば頑張るほど社員は自分についてこず、このままでは会社は傾きそうで社内改革をしようにも、親はそれを阻もうとする。明確な代替わりがいつになるかもわからず、まさに孤軍奮闘の状態になるのがだいたい30歳代。どれだけがんばっても会社の風景は一向に変わる気配を見せず、自分がここにいる理由もわからなくなってきたとき、もう親の会社で働くのは限界だ、と思い始めます。

しかし、かろうじてその気持ちを思いとどまるのは、「じゃあ、いまさら親の会社を辞めてどうすればいいのか」ということです。再就職をするにはなかなか自分は難しい環境にあることをよくわかってますから、躊躇しがちです。さらには、家業を辞めるということは親や親せきづきあいでも少なからず影響がありますから、金銭的なものだけでない悩みがあるわけです。こういった状況においてどのような事例があるか、私の知る範囲でご紹介したいと思います。

事例①会社ごと売却

このケースは跡継ぎ・後継者・二代目社長が辞めたわけではなく、先代社長が経営に限界を感じ、同業大手に自社を売却したケースです。それと同時に先代社長は引退。従業員は多くは同業大手の従業員として今も働いています。この会社は金属加工業なのですが、後継者はもともと職人気質の人で、人前に出るより、コツコツと仕事に向かうのが好きなタイプ。新しい会社でも、一人の職人として働くことに喜びを感じていたようでした。奥様もキップのいい方で、パートなどで働きながら家庭を支えていらっしゃいました。会社売却から15年以上たちますが、元後継者の方はいまも新しい職場で楽しそうに仕事をされています。

事例②知人の会社へ就職

最も多いのがこのパターンです。親と話し合いを続けて、最終的に折り合いがつかないことがわかり、跡継ぎ・後継者・二代目社長は会社を飛び出します。その場合の次の勤め先は、従来の仕事の関係で知り合ったり、セミナーなどで知り合いずっと仲良くしていた友人などの会社への就職を果たすというパターン。一従業員というか、共同経営者的なスタンスで就職することが多いようです。実は私もある経営コンサルタントの方から、「うちへ来ないか?」といわれ、心揺らいだ時期がありました。

事例③起業する

時折見かけるのが、自分で起業してみるというパターンです。これはどちらかというと、ほとんど親と喧嘩して飛び出した跡継ぎ・後継者・二代目社長に多いパターンです。いろいろ苦労はされているようですが、けんか別れしているだけに自分の威信をかけての企業ですので、やりきられる方も多いようにおもいます。親の会社を凌駕する規模にしている跡継ぎ・後継者・二代目社長なんかも見受けられます。逆に、穏やかに話し合いで合意の上で親の会社を出た人の起業はいまひとつ成功率が高くないように思います。動機の強さの問題なのかもしれません。

跡継ぎ・後継者・二代目社長が辞めたくなるまでにしておくべきこと

いつ我慢の限界が来るのか……

おおくの跡継ぎ・後継者・二代目社長が、社内で番頭的な立場の従業員や、古参社員、そして親である先代社長とのせめぎあいを行っています。本来の目的は、事業承継ですから会社を存続させることではあるものの、多くの登場人物は会社を続けること以外のところに目的を持っているかの行動をとりがちです。そういった中で、様々な調整や人間関係の構築を通じて会社を一定方向に向かわせるのがいわば跡継ぎ・後継者・二代目社長の役割です。これは相当に難しいことであり、ビジネススキル以前に人間力を必要とします。そして残念ながらその成功率はあまり高くない現実を考えると、跡継ぎ・後継者・二代目社長はそれがうまくいかなかったときのことも視野に入れて動く必要があるのかもしれません。

広い人脈は会社も自分も助ける

ここで大事なのは、やはり人脈ではないかと思います。会社の売却の場合も、誰かとともにビジネスをする場合も、やはりお互いを知っている中の人間がいることが望ましいと思います。そしてこういった人脈は、自分が家業を離れなくともとても大事なものとなるはずです。同業者とのコミュニケーションはもちろん、業種業態を飛び越えた人脈を構築することはとても大事だと思います。そういった関係から、例えば単なる吸収合併ではなく協業的なビジネスが生まれることもあるでしょう。そういったことは初対面の人とはお互いが疑心暗鬼になりがちですが、初めに人となりがわかる付き合いがあれば比較的思い切って飛び込むことも可能です。

もし、今すでに親の会社を辞めたいと思っていたとしても、まだ会社にいるならばその立場でたくさんの人とのコミュニケーションを試みてください。そうすることで、新しい視点や、新しい未来が見えることもあるのではないでしょうか。また、私どもでは後継者オンライン倶楽部というコミュニティをやってますので、ご活用賜れば幸いです。

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