事業承継の情報って、今やネットで気軽に探せるようになりました。
けどね、ほとんどの情報は、なにそれ?って内容のものが多い。
例えば、
「事業承継は理念の継承だ」
みたいな話。
頭ではわかるけど、どうするかがわからない。
そんな混乱を招きがちなのが、教科書めいた情報です。
私の著書です。
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私自身、今になって考えてみれば、「理念の継承」なんていう言葉も、
なんとなくわからないでもない。
しかし、現場で悪戦苦闘する二世経営者にとって、
こういう指導は上滑りの原因になります。
ある後継者はこんなことをおっしゃってました。
「経営理念は大事。だから、明文化したんです。」
私は聞き返します。
「スバラシイ。で、何か変わりましたか?」
後継者「ぜんぜん・・・。それが悩みです(苦笑)」
そもそも、「理念」なんていう言葉を使った時点で、先代は渋い顔をしませんか?
先代は理念なんて持っていたのか?なんて疑問もわいてきませんか。
先代からも拒否られて、何のために作るんだって話ですね(笑)
それこそ、100年とか続く老舗企業だと、
家訓的なものがあってそれが経営理念そのものだったりします。
しかし、一般の中小企業の多くは、経営理念なんて明文化してないし、
明文化されても、形骸化してませんか?
耳障りのいい言葉を並べただけの経営理念を、毎日唱和しているだけ。
現場の大きな判断をするに際して、その理念をベースにしてる企業なんてほんの一握りですよね。
いくらとってつけたような理念作ったって、
会社は良くなりません。
先代は、それを体感的に知ってるから、
「理念で飯が食えるか!」
みたいになりがちです。
しかし、社内にはすでにいきわたった価値観があるはずです。
中小企業にとっての理念というのは、実際のところ社長の価値観そのものです。
社長の生き方そのものといっても過言ではないでしょう。
なにしろ、独裁政治ですからすべての判断を社長がやってます。
つまり、理念の継承というのは、先代の価値観の継承という事にほかなりません。
では、先代の価値観ってどんなものでしょう?
「一国一城の主になる事」なのかもしれないし、
「ビジネスマンとして成功する事」なのかもしれない。
もう少しマイルドなものだと、
「自分の商品を世の中に広める事」なのかもしれない。
まぁ、このまんま理念にするにはちょっと角が立ちすぎですね(笑)
それはヒントにはなるかもしれませんが、意識しすぎる必要はないと思います。
社員を総入れ替えでもしない限り、先代の癖は社内に残ります。
なによりも、その先代の想いを一番肌で感じられるのは、
後継者ではないでしょうか。
社内に残る先代の価値観を取捨選択して、
残すものと、捨てるものに分ける。
この事こそが、後継者の仕事の一つですね。
そこで、いきなり理念を振りかざすというより、
後継者が肌で感じた想いを、これからの会社の未来を見据えたうえで言語化する。
やってることは理念の継承なのですが、
理念の継承から入るより、ずっとわかりやすいと思いますよ。
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