後継者

後継者なのに会社に行きたくない

多くの後継者・二代目社長は、時としてこんなことが頭に浮かぶ人がいるようです。
「会社に行きたくない」。
恥ずかしながら、私もそんな思いを持ったことはあります。というか、思い続けていました。
昭和的イメージだと、会社に行きたくないって弱いやつ、というイメージだし、なにより私たちはこれからの会社を背負うべき立場の人間。なのに、会社に行きたくないなんて口が裂けても言えない。そんな風に思ったものです。結果として多くの場合、後継者・二代目社長は体を壊したりします。それは内蔵系の病気のときもあるでしょうし、メンタルの場合もある。
ちなみに私は比較的頑丈なようで、入院するというには至りませんでしたが、バセドウ病、突発性難聴といったところの経験があります。

辛いところは、そんなに行きたくない会社なら辞めればいい、なんていう決断を下すのがかなり難しいこと。親戚の中での注目度はそれなりにあるでしょうし。そうでなくともだいたい社会人経験を5年くらいやって家業に帰って数年となると年齢的にも30歳代半ばを過ぎていたりします。前職は親の会社で専務やってました、なんていう状況で再就職がうまくいくのか、という不安も大きい。結局、動きが取れない状態になってしまいます。私はまさにそんな状況でした。こんな状況について、どう対処すればいいのでしょうか。

 

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親の会社、もう行きたくない。そんな風に感じ始めたとき、まずは私は何をどうしたか、をお話ししました。私はまず、なぜ会社に行きたくないのか?という思いを細かく分解していきました。たとえば、仕事そのものがイヤなのか。会社の親とのコミュニケーションがイヤなのか。社員とのかかわりがイヤなのか。これを一つ一つピックアップしていき、それぞれの問題の「イヤイヤ度」を考えてみました。そうすると、実は一つ一つは確かに嫌なんですが、嫌のレベルというのがあると思うのですが、それはまあたかが知れてるわけです。どうしても我慢ならないレベルが10だとすると、6とか7くらいかな、とかいう感じでしょうか。もちろんたまに何か事件が起きて、そのレベルが一気に10を超えることもあるかもしれないけど、日常は何とかガマンできるレベルで収まっている。一方、決して多くはないけど、仕事をしているなかでの喜びなんかもあるわけです。これは意外ですが、嫌なことに紛れてしまってすっかり見落としていた事でした。まるでオセロのように白もあるんだけど、黒のコマにパタパタと変えられていくように、心の中も嫌なことに染められてしまうわけです。

白もあるのに、黒優勢、という感じの状態です。で、私は優勢な「黒」ばかりを見て「もう会社になんか行きたくない!」となっていたわけです。

一つ考えられるのは、実は黒、つまりネガティブな感情というのは人の心を染め切りやすい。4つのいい事があっても1つの悪いことで一日が台無しになる、なんて経験もよくありますがまさにそんな状況にちかいのかもしれません。

さて、そんな風に毎日のことを因数分解していき、よいこと、いやなことを一つ一つ検証していくとあることが分かりました。それは、自分で自分を責めている日々があったということです。いきなりな発想の飛躍っぽい感じになってしまいましたが、少し説明させてください。実は親や従業員とのコミュニケーションは決してうまく言ってはいませんでしたが、あからさまに自分を批判する言葉がそこにあったわけではありませんでした。ということは、周囲の人たちが何かしら問題視していることに対して、自分の責任であるかのように勝手に自分にプレッシャーをかけていたようなのです。

従業員が会社に対する不満を漏らしたとします。それは必ずしも後継者だけの問題ではないはずです。しかし後継者は、自分が責められたかのように感じて、自分が何とかしなければならないかのようにとらえがちです。従業員が後継者を責める気持ちがあったかどうかはわかりませんが、勝手に自分が責任感じて責められてる感をずっと感じ続けていたような気もします。

 

じゃあ、どうすればいいかというと、自分を責めることをやめるということから始めたほうがいいかもしれません。社員の要望をかなえるのは、自分にも責任はあるかもしれないけど、周囲にも責任はある。だから自分を責めるのではなくて、フラットに課題解決に向けて動けばいいだけです。「あ、しまった!俺のせいだ」じゃなくて、「ああ、そう言う問題が発見できたんだ。じゃあみんなで解決していこう」でいいのです。とかく後継者は、その立場上何でもかんでも自分で解決しなければならないように思いこみがちです。しかしそんなの、スーパーマンじゃあるまいし出来るはずもありません。

 

ここで、私がよく言う「自責」、つまり自分で責任を持つということとの矛盾を感じられる方がいらっしゃるかもしれません。しかし私が言う自責は、「結果を受け入れる」という意味で、自分を責めるという意味ではありません。責任は取らなくてもいいけど、結果はフラットに受け入れましょうということです。

さて、じゃあどうすればいいのかということですが、もし可能であればそこまで気分的に追い込まれているようであれば少し、会社と距離をとって休むというのは一つの方法だと思います。私の場合は、身体を壊すこともなく(バセドウも突発性難聴も通院で治療)、長期で休むことはありませんでしたが、できる環境ならそこそこの時間は休みを取ってほしいと思います。休みが取れても取れなくても、一人の時間を持つようにしてほしいと思います。その時にはできるだけ余計な(マイナス思考を増長する)インプットを避けてこれからのことを考えてみていただきたいと思います。ある方は、休職中にいろんなことを考えた結果、あるとき別人のように変化を経験されましたし、ある方はPCR検査でコロナ陽性になり、無症状での隔離状態で自分なりの結論がでた、とおっしゃってました。私はまとまって休むことができなかったので時間はかかってしまいましたが、いろんな学びの中でずいぶん楽になり始めた時期がありました。

共通するのは、今までの自分の思考回路ではうまくいかなくなった、というのが「会社に行きたくない」という状況です。その思考回路を書き換えることができると、環境が変わらずともかなり対処できる範囲は幅広くなります。そのヒントは、「現状を受入れる」という考えにあるのかもしれません。自分の周囲にかわってほしいと思いながら、変わられなくて苦しい思いをしていることが多いと思われます。周囲はどうせ変わらないなら、とプログラムを切り替えると意外なことに大きく世界の認識が渇てくると思います。

苦しくて立ちどまりたくなる時は、じつは、一皮むける前触れなんです。

 

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