皆さんの周りで、「あいつ、ええかっこうしいやな」と思う方っていらっしゃいますか?表面を取り作ってはいるけど中身が伴っていない人、という意味です。きっと、一人や二人、思いつく人がいるのではないでしょうか。もしそうだとしたら、あなたはその人をどう感じているでしょうか。多分あまり高く評価はしていなかったり、信用できなかったり、割と複雑な感情を持っているのではないでしょうか。
人は本当の思いと違う言葉や振る舞いを敏感につかみ取ります。するとその内面と外面に違和感を感じることで、信頼関係を結ぶことが難しくなります。いやいや、自分は裏表のない人間だから、という人もいるかもしれませんがちょっと注意したい部分もいくつかあるように思うのです。
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「●●すべきだ」
「自分は自分の人生をかけて●●するぞ」
「後継者・二代目社長として、こんなことを成し遂げるぞ」
親が会社を経営し、その後継者として入社した後継者・二代目社長は、おそらくいろんな形で社内外で自分の考えを話す機会があると思います。そういう時は、周りの期待もあるでしょうから、それなりにきれいにまとめたいものです。結果として、世の中が自分に求めている言葉をそこで口にするとか、親や幹部に求められているであろう言葉や、社会的に模範となるであろう言葉を選んで口にすることが多いのではないでしょうか。
それ、本気でそう思っていることを話しているのならいいのですが、うわべだけで言ってるとすると、ちょっとややこしいことにもなりかねないかもしれません。例えば私の場合、ある時期は「会社の業績をいまよりこれくらい上げたい」とか言ってたりしましたが、実は本心はそんなことどうでもよかった時期があります。会社なんてどうでもいいけど、自分の収入はあげたいとは思ってましたが・・・。またある時期は、従業員を活かすためにいろんなことをやっていきたい、なんていうことを言いながら本心ではそんなことを思っていなかった、なんていう時期もありました。
あくまでそれは過去の話ではありますが。
こういったリーダーを周囲で見ている人は、口頭と行動が一致しないことに戸惑いを感じることになるわけで、結果としてこの人信用できないとか、薄っぺらい人間とか、少なくともあまりいい評価を得られなかったりします。まあ他人の評価なんてどうでもいい、という話もありますが、会社という組織を動かそうという立場上、やっぱり従業員との信頼関係は大事です。だから、言葉と行動は一致させたいところです。
じゃあどうすればいいの?ということですが、そもそも自分の信念はそうそう変わるものでもないと思います。であるならば、変えることができるのは言葉です。たとえば、会社の業績なんて実はどうでもよくって、報酬が上がればいい、とおもっているならそういう人がいきなり、社員のみんなのために尽くします!といったって嘘くさいだけです。ならば、正直に、自分はもっと報酬を取りたいと思っている、というスタンスでいいと思うのです。けど、その自分の個人的な希望を従業員さんに強いるのはちょっとへんです。だから、みんなも報酬あげたいんじゃない?だとしたら、そのために何ができるか考えてみよう、という投げかけをしてみてはいかがかと思うのです。もちろんそれがゴールというわけではなく、そこが出発点です。
そこからいろんな活動や、いろんな経験をしていく中で、だんだんと関心が深まる分野というのが出てくるのではないかと思います。先日お話をさせていただいたある二代目経営者の方は、「たぶん自分のこれからのミッションとして、環境問題にかかわるということがテーマになりそうな気がする」とおっしゃっていました。彼女的にはまだまだそこに情熱の炎をバンバン燃やす感じではないのだけど、そうなるような気がして環境問題に多く触れるように意識されているようです。
経営に関する問題も、会社と社会とのかかわりについても、まずは好奇心から。そこで、好奇心はあるけどまだ乗り切ってる感じではない、といえるのはとても素晴らしいことだな、と感心させられました。
話を元に戻しましょう。会社のレベルというのは経営者の人格を越えられないとよく言います。話題になったティール組織の著者フレデリック・ラルーはまさにそのことを指摘しています。ということはつまり、経営者が人として成長することが会社の成長にも寄与するわけですが、その第一歩として「成長したふり」を辞めて、今の自分を包み隠さず表現できることが大事なのではないかな、という風に思いました。
皆さんはいかがお考えでしょうか?
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