後継者

後継者は果たして逃げ切れるのか!?

「逃げ切り人生も悪くない」
ある二代目経営者の言葉です。

何となくオヤジの会社を継いだものの、どうもしっくりこない。
業界も厳しくなりそうだし、だんだんできることが少なくなってくるように感じられる。
オレももう40歳を過ぎた。
老後の事を意識し始めると、逃げ切るしかないか。
そんな風に考える方も少なくないようです。




中小企業二代目サポーター
田村薫です。

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意外と多いのです。
親が築いた会社は、かつては随分と繁栄していた。
事務所、工場といった事業用の資産があり、たくさんの社員を抱えている。
ただ、自分が会社の未来を意識し始めたころ、かつての商売は段々と委縮しているさまが見て取れる。

日々耳に入ってくる会話は、売上の減少だったり、厳しい値段競争。
馬車馬のように働く現場とは裏腹に、一向に金回りはよくはならない。
損切り・・・ではありませんが、これ以上事業を続けていくことに疑問を感じ始めるのでしょう。
徐々に人を減らし、事業資産を売却して現金化しよう。
そんな風に感じ始める後継者・二世経営者はけっこういらっしゃるようです。

 

私はそれも一つの生き方だと思います。
否定するつもりもまったくありません。
ただ、その計画が本当にうまく行くのかな、という心配はあります。

資産を現金化したのちに考えるのは、たいてい投資で増やそう、というパターン。
金融商品もあるでしょうし、よく聞くのは不動産オーナーになろうというケース。
土地に建物立てて、家賃収入で暮らそうよ、と。

 

私の知る限り、これがうまくいっている人は圧倒的に少ない。
中長期的に見ると、人口が減る、つまり需要が減っていくのだからそんなにぼろい投資にはならないように思います。
じゃあ、海外不動産投資かな、なんていうアイデアもあるとは思いますが、そのあたりは自己責任で、ですね。

一方、少数派ではあるものの、うまくいってる人はいます。
資産を売却して大金を手にしたり、家賃収入が安定している物件を購入した人。
正直うらやましい思いもありますが(汗)、そうなったらなったで別の不安も出てきそうです。
人生は70年とも80年ともいわれます。
最近は、100年生きる前提で物事を考えるべき、という人も出てきました。
そうなったとき、そのスパンで自分の未来を保証するマネープランがあればいいのですが果たして大丈夫でしょうか。

 

たとえば、FPと称する人たちは様々な数字を持ち出して、●●円の貯蓄をしようという話を持ち出します。
公的な年金がこれだけあって、資産をこれだけ貯めて・・・。
それなりに納得感がありそうな話なんですが、公的年金って今まで通り給付されるんでしょうか。
預金を投資に変えようと言って、そもそもお金の価値観が変わったらどうするんでしょうか。
少なくとも今できる事として間違いではないと思うのですが、それだけで将来への不安が払しょくされるとは思えません。

先日、米国カリフォルニア州のある町で、ベーシックインカムの支給を実験的に始めるというニュースが飛び込みました。
ベーシックインカムというのは、生活の最低限の額を自治体から支給するというもの。
これ自体は、生活の保障がされるという話なので朗報です。
しかし、こういった事がきっかけでお金の在り方が変わる可能性があると思っています。

 

とりあえず、投資した。
70歳まで何とかなった。
けど、その時点でも元気だとすると、その後どうするのか。
なかなか大変そうです。
もはや、やり直しはききません。

 

その時のために何をすべきか、ということなのですが私の私見を言えば、自分を磨くということになるような気がします。
自分の才能を磨き、開花させる。
たとえ一人になったとしても、何かしら人の役に立てる(つまり何かしらの報酬を得られる)状態を作るということです。
そうすることで、今度は後継者が引退するとき、会社に依存する必要がなくなります。

もうひとつ、副次的な効果があります。
起業の専門家の浜口隆則氏はこうおっしゃっています。
中小企業における最も確実な投資先は、社長への投資である、と。
つまり、社長が人として進化することで、会社は発展します。
人として、社長(今の文脈で行くと後継者)が成長することにコミットする必要があるように思います。

 

その成長は、セールスや技術を磨くということもあるかもしれませんし、経営者としてのスキルを磨くということもあるかもしれません。
しかし最も重要なのは、そもそも自分自身の得意分野を知り、それを社会に役立てるためにどう使っていくか?というところが非常に重要なのだと思います。
それは会社の方向性ともリンクするはずですから、とにかく自身が一段レベルを上げるにはどうすればいいか?
その事を中心に考えていくことが大事だと思います。

そして、人が磨かれるのは多くの場合、仕事で磨かれると言われます。
私もその意見には賛成で、仕事を通じて考え、行動することがとても重要だと思います。
となると、今貯めこんだお金を大事にしまうのも一つですが、自分磨きに投資することも選択肢として考えられないでしょうか。
苦しい会社を売るのは、その時点での会社を現金化して何かに投資をするのか。
苦しい中でその会社を復興させるのは、自分への投資とするのか。

 

ところで、投資が成功したある後継者。
今何をやっているかと言えば、起業すべくネタ探しに奔走しています。
やるべきことが何もない状態というのが耐えられなかったそうな。

どちらを選ぶかはあなた次第ですが、こんな考え方もある、という参考になれば幸いです。

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