後継者

親子経営を円滑に進める3つの条件

親子での事業承継がうまくいかない原因を紐解くと、人間関係の問題に行きつくことは多いものです。
たしかに、経営戦略の有無とか、会社の方向性とか、大事なものはもちろんあるのですが、それはあくまでナビでいう「目的地」です。
目的地設定したナビは、適宜、最適なルートを再計算して検討します。

会社経営も、何かを計画してそれがすべてうまくハマることなどありません。
だから小さな失敗を繰り返し、軌道修正をし、自社なりの正解にたどり着くのが普通です。
しかしそれを阻むのが例えば親子の確執や、リーダーと社員との溝です。

これが「小さな失敗」を揚げ足取りの口実にしてしまい、「試行錯誤」ができない環境を生み出してしまうのです。

 

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では、そんなつばぜり合いを避けるにはどうすればいいのでしょうか?
まずおこしがちな失敗は、「親子のどちらが正しいか?」といった正誤論を判断基準にすることです。
たとえば、先代の感性と、後継者の知識のどちらが正しいか?とか、
従業員の現場感覚と、後継者の俯瞰力のどちらが有効かとか、
これまで会社を育てた先代の経験と、これからの会社の責任を負う後継者の未来のどちらにかけるかとか、
こういった対立軸で物事を見がちです。

すると、基本、どっちを採るかという「勝ち負けを決める」という結論に向かってしまいます。

実は私は、会社の経営というのは、何をするかも大事ですが、社内でどれだけ団結できるかが結構大事だと思っています。

その時に大事なものの一つ目として、相手を尊重する、ということがあると思います。
これは決して道徳的な意味合いで言っているわけではなくて、そうしたほうが合理的だと考えています。
具体的に言うなら、自分の意見を持つことは重要ですが、他の人の意見もうまく活かすことはできないだろうか、という思いを持つことが大事だと思います。
そうすることで、折衷案を創り出したり、それぞれの意見とはまた違う第三案を創り出すことができることも多いと思います。

 

そして二つ目として考えたいのは、ミスや失敗は「あるものだ」という前提でとらえる空気を創り出すこと。
よくあるのは、誰かが出した意見を採用して失敗した時、「ほら、お前の言う通りやったらだめだったじゃないか」なんて言う風に誰かを悪者にしてしまうパターン。
これをしてしまえば、対立を生み、あるいはまったく建設的な議論のできない場を作り出してしまいます。
大事なのは、どんな形であれ誰かの意見を採用してやり始めた以上は、その採用した意見が正しく機能することに関係者が全力を尽くすことが大事です。

 

三つ目は、物ごとは思い通りにならない、という前提でとらえること。
これは例えば、後継者にしてみれば、先代はこうあってほしいとか、従業員はこうあってほしいとかいう思いもあると思います。
しかし、そういった期待を持っていると、その期待と現実のギャップが後継者にとってのストレスとして重くのしかかります。
それでも「人は思い通りに動かないもの」「理不尽は必ずある」という前提で社会をとらえていると、思いどおりに動かない人や理不尽に接しても精神的なダメージは最小限ですみます。

 

この条件を見て、「聖人君子になれとでもいうのか?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、あるいみYESです。
逆に言うなら、経営っていつも理不尽と接することになります。
思いどおりにならない金融機関、
政府の方針、
災害や事故に疫病、
税務調査や労働基準監督局の調査、
移り気な顧客に、
無茶なダンピングをする同業他社。
無茶な納期や価格を迫る依頼主、
突然故障する機械設備、
・・・
まあ挙げればきりのないほどの理不尽がいつ襲ってくるかわかりません。

けど、人は、天災なんかとは違って強制できそうな気がするんですね。
だからついつい人を変えようとしたくなる。
しかし、人を変えるということは災害を避けることと同じくらい難しい事です。
そこに対して、できるできない以前に、「そういうことが普通にある」ということを受入れるということが経営者としてのたしなみの一つではないかと思います。

そういった、物ごとへの受容力を高めていきたいと思っていますが、いかがでしょうか。

 

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Rudy and Peter SkitteriansによるPixabayからの画像

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