二代目経営者は「なぜ?」を考えよう

親の代から続く会社を引き継ぐと、時として理解不能な業務が残っていたりするものです。
たとえば、当社であったのは顧客の管理コードと顧客カード。
これ、管理し始めた当時は割と有効だったのですが、それはまだパソコンというものが普及していなかった時代のもの。
顧客カードを整理するために、新規の顧客が出来るたび顧客コードをとり、カードを作るという作業がわりと残っていたりしました。

業務全体のなかでの負担感は大きくはなかったのですが、こういったものが積み重なり、だんだんと仕事の負担が増えてきます。
しかし現場は、「当たり前」という気持ちでやっているので、何かのきっかけがないと辞めることができません。
そのきっかけを作るのは、「なぜ?」という思考です。

しかし、この「なぜ」。
実は個別の作業の必要性だけの話ではないのです。

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作業に対するなぜ、事業に対するなぜ

今なぜこの事業をやっているのか

古くからやっている作業。それを見直すには、その意味を問う、というステップが必要であることは前述しました。
しかし、それは作業レベルの仕事の話のみならず、会社の事業そのものについても考えていく必要があると思っています。

そう考えると、二代目経営者・後継者が、「親の始めた事業にぞっこん」というタイプの人ばかりではないのは、もしかしたら役割に応じた反応なのかもしれません。
自分の会社、商品、ビジネスが大好きで、それが正しいと感じてここまで来たのが、創業者。
二代目経営者・後継者は、それに疑問を呈し、事業を再定義する必要があろうかと思います。
もし、親の会社に疑問を感じているとしたら、それは二代目経営者・後継者として、正しい資質なのかもしれません。

そこで、自問自答してみるわけです。
「今なぜこの事業をやっているのだろうか?」と。

同族経営の優位点

星野リゾートの星野佳路さんは、同族経営に関する探究心をお持ちのようで、その研究を独自にされているそうです。
氏があるところで語っていたのが、同族経営の優位点です。

会社がそこそこ成長した時、同族経営でなければたいてい、社長引退時の役員が次の社長になるわけです。
年齢的に言えば、前社長と5歳違いとか、そこそこ大きな差があったとしても10歳くらいの違いがせいぜいでしょう。
しかし、同族経営(もっというなら親子経営)の会社において、代がわりが起こると経営者は一気に30歳近く年齢が若返ります。

これは、そこそこ組織化された会社ではありえない話です。
若い感性が会社の中に反映される、それも中心的な役割としてその人の考えが重用されるというのは一般的な会社組織ではまず難しいといえるでしょう。

この感覚で会社を見直したとき、おそらく社会とのずれを見つけることになると思います。
なぜ、今、この事業をするのか。
その答えが、親世代と後継者はまったく違うのだと思います。

レナウンはなぜ倒産したのか?

Free-PhotosによるPixabayからの画像

コロナの影響というよりも…

少し前に、アパレルの老舗レナウンが倒産した、というニュースで社会に衝撃が走りました。
どうしても、コロナ禍の中でのニュースであるために、ついに、コロナによる経済への影響が出始めた、的文脈で理解され、語られていたようにも思います。
しかしどうも実態は「すでに時代に取り残され始めていた」という話が社内からも出始めていたようです。

具体的に言うと、他のアパレル業界が様々な戦略を次々にテストしているときに、レナウンはさしたる動きもなく旧態依然としたビジネスを続けていたといいます。
多くの同業者が販売チャネルの変化に機敏に舵取りを変更しているなかで、レナウンはさしたる動きがなかったといいます。
たしかに、この間、ユニクロやしまむらなど、いろんな新興勢力が工夫を凝らしたマーケティングを行っているにもかかわらず、レナウンの取り組みはあまり耳にすることはありませんでした。
最後、レナウンの電子商取引部門の売上はわずか全体の3%だったといいます。
どうやら時代に乗り遅れた会社が、コロナによってその結果を前倒しして見せられてしまった、という事になったようです。

記事によっては、逆にここまでもったことの方が不思議とさえ書かれているものさえありました。

どの業界も「ライバル企業」を見ていれば間違いがなかった過去

私が家業の保険で関わっていた顧客が倒産したことがありました。
その会社の周りには、スーツを着た男たちが遠巻きに様子を見ていました。
何をするのかと言えば、その倒産した会社の社員がお客様のところへ最後の挨拶に伺うところ、あとをつけて「これからは私どもと取引を」という営業をするためなのだそうです。
その様子を見たときに、なんとなく不思議な感覚を感じたものです。

お客さんが何を感じ、何を求めているかよりも、同じものを同じように提供できればそれでいい、というどこか投げやりな感じに違和感を感じたのです。
そう言えば彼らは、お客様が何を望んでいるかをお客様に聞くことはなかったようですが、ライバル会社が何を何円で卸しているかはよく知っています。
不思議な現象なのですが、お客様の本心を知るよりも、ライバル会社の動向を知ることに余念がないのです。

なんだか本末転倒な感じがします。
けど、モノ不足の時代から、モノがあふれるまでの戦略はそれでOKなんだったのだと思います。
お客様はなかったから入手する、というシンプルな感覚で、個別の希望を言っても意味がないと感じていたのかもしれません。
あるだけでOKだった時代の癖で、「他社と比べてこんな感じ」という比較の世界だけで売り手も買い手も生きてきたわけです。

ただ、最近はモノ余りが感覚的にも浸透してきて、単に競争だけではうまくいきにくくなっているんじゃないかと思います。
だからあえて、「なぜ、この事業をしているのか?」という自問自答が大事になってくるのではないかと思います。

二代目経営者・後継者でなければできないこと

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

なぜ、を考える

どちらかと言えば創業社長は、思いと勢いでここまで頑張ってきたんだと思います。
何かを塾こうするというよりかは、ほとんど手癖レベルで、思いついたら行動する。
誰かがやっていたらそれをマネする。
そう言う反射神経の良さで、会社をここまで育ててきたんじゃないかと思います。

一方、二代目経営者・後継者は、そういった反射神経の良さは自分にはないかも、と思っている人も多いと思います。
それが不安の原因になったりしている人もいるでしょう。
しかし、二代目経営者・後継者は会社のなかでは役割が違います。
だから立ちどまって、なぜ、今、この事業なのかを考えてみることは、悪いことではないと思います。

なぜを知れば、なぜを語ることができます。
そして、それは人をまとめることができるようになります。

だから、なぜ、今なのか。
もしかしたら、そういった疑問を投げかけることで、事業の変革の必要性に気付くこともあるかもしれません。
いえ、たぶんその可能性のほうが高いと思います。
だとすれば、そんな一歩を踏み出すという視野ももちつつ、会社をもんでみる必要があるのかもしれませんね。

 

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