会社を大きく発展させた家業の跡継ぎ後継者の共通点

世間の風評を見ていると、跡継ぎ・後継者の印象ってあまりよくないイメージがあるような気がします。
ボンボン、バカ息子などというイメージが強く、二代目とか、後継者、跡取りとかいわれるだけで、蔑称のようにも感じてしまうこと、ないでしょうか。

ただ、現実問題として、会社をダメにしてしまうことになる後継者・跡継ぎもいれば、そうでない人もいます。
ある研究では、CEOが会社の業績における貢献度は決して高くはないとは言うものの、かじ取り役としてどこを目指すかという大枠を考えるのは、恐らく後継者・跡継ぎの役割なのでしょう。
そこで割と大事なのが、親への反発心のようなものではないかと私は考えています。

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親子で仲良く会社を発展させた話はあるのか?

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ユニクロ、星野リゾート・・・

父が商売をはじめ、その過程に生まれた私は小さなころから、父の会社を継ぐのが当然のことだと思っていました。そして親の会社に入って、なかなかうまくいかないことばかりで悶々としていました。そんな時、いろんな勉強をしたのですが、その中でも、会社の中で親子の継承というのはどう行われているのだろう?と思ったことがありました。実は、創業社長が作った会社を、息子である二代目経営者が大きく羽ばたかせた企業はけっこうあります。たとえば、柳井さんのユニクロや、星野さんの星野リゾート(星野リゾートは実際は四代目)。それぞれ、地元の紳士服店と、老舗旅館を、グローバルなカジュアルファッションブランドに仕立て上げた柳井さん、リゾート施設を箱というハードウェアいったいの運営ではなく、ソフトの部分の運営を受託するようなビジネスモデルを創り出した星野さん。こういった人たちはどうやって会社を引き継いだのだろう、と調べてみました。

ユニクロの柳井さんは、縁故でジャスコに入社し9カ月で退社。その後、今までは高級紳士服だた親の店を、グローバルなカジュアルファッションブランドに育て上げたようです。親子の関係はインタビューから垣間見えるのは、仲良くという感じではなさそうで「非常に怖い」オヤジさんだったようです。ただ、25歳のころに息子に会社を明け渡したという話があるので、厳しい反面引き際もあっさりしたものだったのかもしれません。もちろん、表に出る話と現実にはギャップがある事も多いとは思いますが・・・。

一方星野さんに至っては、一度親の会社を飛び出しています。役員たちに請われて、「口出ししないなら」という条件で会社に戻り、インタビューでも最後まで親子の関係には戻れなかったということを語られています。そこにはいろんな確執がイメージさせられます。

親子仲良くという企業はあまり見えない

色々と気を付けてみていても、親子が仲良く会社を発展させたというケース、あまり表に出てこないような気がします。トヨタ自動車あたりは同族の人たちが会社の中に結構いらっしゃるようですが、表向きは感情的な問題は見えてきません。それはあるのかもしれないし、ないのかもしれないですが、ある意味、あれだけ同族での継承が行われている歴史のなかではおそらく優れた家訓めいたものがあるのかもしれません。漏れ聞くところでは、一代で一事業新しいものを創り出すことが課せられているという話がありますが、そういった創業者的マインドセットを持ち続けるような仕組みがあるのかもしれません。

逆に、会社を大きく発展させているケースの多くが、親子の関係性に微妙なムードが伺い知れるのは、あるいはその親に対するライバル意識というか、反骨心めいたものが会社を発展に導いている、ということは往々にしてあるのかもしれません。

似て非ざるビジネス

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微妙にビジネスの中心をずらした2社

冒頭に挙げた2社の成功事例。これらを見ていくと面白いことに、業界としては同じ業界ですが、ビジネスモデルはかなり違うものと言えそうです。ユニクロに関して言えば、先代は高級紳士服店だったといいます。少し高級な紳士服を買いに来る地元の顧客を対象としていて、柳井氏が地元に帰った頃には年商が1億円程度になっていたと言います。ただ、柳井氏からみた父の会社は効率が良くない。一方、柳井氏本人は、紳士服では比較的一般的になりつつあったチェーン展開をカジュアルでやってみたら面白いのでは、というアイデアがあり、それを実行したのがユニクロだったようです。紳士服の個人商店から、商品開発まで一貫して行うカジュアルブランドですから、同じ業界とはいえ、まったく違うビジネスに様変わりしてしまいました。

星野リゾートも同様で、もともと地元の老舗旅館を足掛かりに、各地に施設を持つというより各地の施設を活用し、中のソフトの部分をうまく統一感と高級感を持たせた形で展開するビジネスモデルはもはや個別の旅館運営とは違うビジネスです。表向きやっていることは同じですが、仕事の性質はまったく違うものと思われます。

この2例に限らず例えば、ヤマト運輸の小倉昌男氏は、大量輸送の親の会社を、個人輸送の宅急便を開発し、やはり運送業というカテゴリーは変わりませんが、まったく違うビジネスモデルを生み出したと言えそうです。

これは恐らくですが、今まである会社のリソースを活かすということをベースにすると、ビジネスモデルを変えたとしても同じ業界にとどまることが多いということかもしれません。周囲からの見え方と中身のギャップは着目すべき点と言えるかもしれません。

「守・破・離」の「守」で止まってしまう後継者

ここで少し気になることがあります。父の家業と同業の会社を見ていると、割と保守的な後継者の方が多いことです。よく技術の伝承などで「守・破・離」という言葉が使われますが、その「守」で止まってしまう方がけっこう多いように思います。それも致し方ないのかな、と思うのは世間的に「親の会社を継ぐ」ということは、親の会社をそのまま次ぐことである、というイメージから抜けないところが多いと思います。極端な言い方をすれば、今までと同じマニュアルを使って会社を運営することが、親の会社を継ぐことである、というイメージです。そういう環境の中で、後継者は「親の会社を伸ばす」プレッシャーを受けていますから、ここで問題が起きることが多いように思います。

今までだって精一杯やってきた社員さんに、さらにプレッシャーをかけて「もっとやれ」というか、社員を増やして売り上げを伸ばすかといった物理的な努力しか思いつかなくなります。そうすると、いろんなところでひずみが出てきて、社員との関係がうまくいかなくなったり、かけたコストのわりには会社の業績が伸びなかったり、名目上の売上は上がっても利益は上がらなかったり、そんな状況に陥るのではないでしょうか。

たぶん、ユニクロの柳井さんも、星野リゾートの星野さんも、ヤマト運輸の小倉さんも、「今のまま努力を続けても未来は開けない」という判断があったから、ビジネスモデルの転換に着手したのだと思います。そういった大手術を社内で起こすと、当然親との確執めいた関係も起こるかもしれません。それでもその方向に進んだ結果、とてつもない成長を遂げたのがここで名前をあげさせていただいたビッグネームの方々なのかもしれません。彼らは自分で意識しているかどうかはわかりませんが、跡取り息子としての自分から抜け出すため、自分を個人として見てもらえるように少し派手な会社改革を行ったようにも思えます。

後継者の成功には何が必要なのか

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後継者のビッグネームに共通する事

今回取り上げた、後継者のビッグネームの人たちを、後継者・跡継ぎの成功者と考えたとしたときに、彼らに共通することは何でしょうか。それは恐らく、親のつくり込んだ事業を守るというより、親が残したものを使った起業をするかのような感覚ではないかと思うのです。継ぐのではなく、起業です。

親の会社を継ぐというと、何かしらの連続性をイメージさせられます。その結果、「何をやるか」を重視しがちです。ビッグネームの例でいえば、柳井氏なら親の紳士服店を多店舗展開するとか、星野氏なら旅館をあちこちに自前で増やすとか、小倉氏なら大量の輸送顧客を増やすとか、です。しかし、今答え合わせをしてみるとわかると思いますが、地域の紳士服店を大きくしてライバル店と闘わせるとか、老舗旅館が各地にチェーンを作るとか、大量輸送で厳しい値段交渉で差別化していくとか、あまりワクワクしない未来だったのではないかと思います。

激化した親世代のビジネスを違う場所に移植する

これらの共通点を考えると、親が創業したビジネスの場合、当時は白地のブルーオーシャンの市場だったのかもしれません。しかしそれが、後継者が代を継ぐころにはライバルも増えて相当厳しい市場になってきていた現実があります。あるいは、中小企業のほとんどはそんな状況ではないでしょうか。そこで、成功した後継者たちは、ライバルたちとは少しだけ違う場所でビジネスをすることにした、と言えるかもしれません。その際に、ちょっとびっくりしたのですが、顧客層を変えています。柳井氏はスーツからカジュアルへ、星野氏は一般顧客との関係性はもつものの、旅館の所有者というステークホルダーを新たに設定し、小倉氏は法人から個人へと変化させました。これはまさにほぼ起業ですね。一方で、従業員や、持っている設備などを活かす方を優先させていると言えそうです。どんなビジネスにおいても、顧客の獲得というのが非常に難しくもあり、そこが起業家が失敗する最大の要因だと私は思っているのに、意外なことに後継者の新ビジネスはみな、親世代からの顧客の継承をあまり意識していないようなビジネスモデルの変革です。正直このことに私は驚きを隠しきれませんが、考えようによっては長くやっているビジネスでは顧客も老化を免れません。それは企業であっても同様で、企業の寿命が30年前後という説があるわけですからやはり後継者の代での顧客の入れ替えはあるいは必要な要素なのかもしれません。

もちろんサンプル数が少ないので断定はできませんが、顧客との継続取引よりも、ビジネスモデルの変革を優先させる方が大きな成果が出やすいのかもしれません。

「やりたいこと」をハッキリさせる

さて、ここに挙げたような日本を代表する企業を作り上げた後継者・跡継ぎの話から、もう少し現実的な話にステージを戻してみましょう。私たちがそこまでの成功を手にできるか、できないか(それ以前にそれを望むかどうかもあるかとは思いますが)の前提に何があるのでしょう。たぶん、完ぺきなものでなくとも「こうすればいいに違いない」という向かうべき道が自分のなかでそれなりにはっきりしている、ということではないかと思うのです。もちろん、今回取り上げさせていただいたビッグネームも、始めた当初からここまでのビジネスになるとは思っていなかったかもしれませんし、この完成形の設計図が頭にあったわけではないと思います。「きっと、こうすれば面白いことがおこるぞ」ぐらいの発想だったんじゃないかと思います。その、方向性を示す種のようなものを持つか、持たないか、が後継者にとっての一つの境目のような気がします。

ここで自分のことを振り返ってみてみましょう。もし、「ただ、目の前のことをこなせばいいと思ってた」としたら、常に目の前をこなす日々なのだと思います。それで幸せであるならきっとそれはそれでOKなんだと思います。しかし、なんだか日々の仕事や生活にどこか物足りないような思いがあるとしたら、少し腰を据えて考える必要があるのかもしれません。きっとこのブログにたどり着く過程で、どんなキーワードで検索されたかはわかりませんが、何かが足りないからそれを埋めるものを求めて検索されたのではないでしょうか。

「やりたいこと」というのは大袈裟なことである必要はないと思います。例えば今の仕事が好きなら、そのしごとを続けられるためにはどうすればいいか。もし好きでないなら、好きな仕事に変えるならどうすればいいか、あるいは好きになるために必要な要素があるとしたらそれは何か。何か実現したいことがぼんやりとでもあるとしたら、そのために今の会社のリソースは使えないだろうか。そんないろんな方向から考えて出てきた何かがあれば、そこをキッカケにして進んでいってみればさらに詳しく見えてくるものがあるのかもしれません。

色々と悪あがきしてみることが必要ではないでしょうか。
私も絶賛悪あがき中です(笑)

 

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