後継者

同族企業の事業承継で後継者が何を信じるかがわからなくなった時、信じるべきものは何か?

ある人は、親の会社を継ぐに際して、親の思いに忠実であれ、ということを言ったりします。
ある人は、会社を刷新していくため、親のやってきたことに疑問を呈すべき、という人もいます。
ある人は、会社の歴史を守るために最善を尽くせといいます。
ある人は、雇用を守るための自己犠牲をマストとします。
ある人は、自分の人生を全うすべく、好きなことに没頭せよといいます。

みんないろんなことを言うのは勝手ですが、やる方は一人。
一体何が正しいのか?何を信じればいいのか?ということがわからなくなることがあるのではないでしょうか。
そんな時、私たちは何を信じればいいのでしょうか。

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他人へのアドバイスは無責任!?

Dirk WoutersによるPixabayからの画像

ある超有名コンサルタントの方の言葉

会社を今後どうしていけばいいのか。
私自身、ずっと悩み続けてきました。
今のままではいけないと思うけど、かといって具体的にどう動いていけばいいかわからない。
それがわかったとしても、自分でうまくできるかどうかもわからない。
まったくもって、五里霧中。
結局、進むべきゴールが見えないから、日常の繰り返しばかりで、なんとなく無駄に時間ばかりが過ぎていくような感覚を持っていました。

その時に、たまたま参加した、ある超有名コンサルタントの方のセミナーの懇親会で、先生とお話しする機会を頂きました。
呑みながらの席ですが、先生は「田村さん(筆者のこと)はさ、こんなことをやってみたらいいんじゃない?」とおっしゃいます。
まあ私も憧れのビジネススターですから、もう前のめりです。
「具体的に言うと、こんな感じですか・・・?」と。

まあそんなやりとりをしばらく続けて先生は言います。
「といっても、なんとなくの思い付きなんだけどね」と。
ガクっ!とずっこけそうになりました。

しかし、そこに意外な本質が隠れていたことに気付かされたのです。

人はやりたいことしかやらない

その先生は、長いコンサルタント人生の中で感じ取ったことがあるそうです。
それは、どんなに素晴らしいビジネスアイデアも、やる本人が、やろうと思えるものでなければ絶対にやらない、ということです。
クライアントが悩みをもって相談に来て、論理的に正しいアドバイスをしてもそれがクライアントの心に刺さらなければやらないし、やらないから効果が出ない。だから、そのコンサルタント先生は、その人の内面にあるものを引き出すよう気を付けているそうです。

なるほど、それはわかるような気がします。
実は私、後継者倶楽部というコミュニティを主催しており、その会員さんに個別相談のサービスを提供しています。
メンバーの方々から寄せられるご相談に私は一生懸命、「どうすれば目の前の課題を解決に導くことができるか?」ということをお伝えします。しかし、どんなに素晴らしいアイデアで、その時は相談者の方も「その視点はありませんでした!ぜひ試してみます!」とわかれます。1か月後、「どうでした?」と聞くと、やってない、ということで、がっかりしたことが何度もあります。

しかしそれは、なるほど、自分の行動パターンにない事なので、いいことだとはわかりつつやれないのだ、ということがわかりました。
確かに自分だってそうです。
高額なセミナーに参加して、これはスバラシイ!とおもってもやろうという推進力が出なくて困ることが多々あります。セミナーの満足度は高いのに、実践効果が出ていないという笑うに笑えない状況によくぶちあたります。そしてなんでだろう・・・と思って振り返ってみると、「やってないからやん」ということになるわけです。

無責任なアドバイスもハマればOK

さて、高名な先生による「単なる思い付きのアドバイス」ですが、その時にはピンとこなかったのですが、数年後になって私の心理的な状況が変わった時、「あ、あの時の話、やってみよう」という風に思いつきました。そしてやり始めると、すぐにうまくいくわけではありませんが、徐々に上手になってきまして、多少なりとも成果が出るようになってきました。
あらためて振り返ってみると、大事なことは「やりはじめてみた」ということです。
やりはじめると、もうちょっと、もうちょっと、とやり続け、何か動き続けばよほどのことがなければ成果はあらわれる。そんなカラクリだったのでしょう。

高名な先生のアドバイスが無責任だとは思いませんが、一見無責任に見える思いつきも、人を動かすことができればそれは「解決」に向かった行動となり、変化をもたらします。
今ではその何気ない一言がきっかけを頂いたことに、とても感謝をしています。

アドバイスは頂くものというより響くもの?

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

行動につながるアドバイスの特徴

人からのアドバイスというと、たとえば「何を言うかより、誰が言うかが大事」という話があります。
それは確かに一理あるような気がします。
認めることができない人が言うアドバイス、全然ちゃんとできてない人からのアドバイス、生理的に好きになれない人からのアドバイスなんかは、完全に拒否権を発動してしまいそうです。
それでも、威圧的にアドバイス(というか強制)に従ってきたのが、私たちの子供時代。
子どもの頃って、大人にガっと怒られてしかたなく行動を改めることが多かったんじゃないかと思います。

しかし大人になるとそういう機会はけっこう減ると思います。叱られることをもとめるM体質の人もいるようですが、私はご免です。
そんな私でも、時にどうしようもなく従ってしまうアドバイスがあります。

中学生の頃の国語の先生の言葉、
高校時代の担任の先生への反骨心、
仕事を始めてからのある上司のおススメの本、
など、突き動かされるように行動が変わり、それが持続する体験を何度かしています。

その時に何が起こったかというと、今から振り返ると、他人からのアドバイスが自分の中にある小さな、隠された思いみたいなものと共鳴した時じゃないかと思うのです。
それは日ごろ自分でも気が付かないほどの小さな自分の本心。
そこを探り当てた言葉やアドバイスは、いてもたってもいられなくなって自分を動かしたように思います。

結局大事なものは・・・

そもそも尊敬する人がいるとしたら、そういう人は自分の持っている思いに共鳴する人だと思います。
誰が言うか、で大事なことは、自分の内面と共鳴できる人。
そして、何を言うかも、自分の内面と共鳴できる内容。

つまり、人は自分の内にあるものしか採用しないってことなんです。

結論めいたお話をすると、いろんなアドバイスを「正しいか誤りか」という判断基準で評価することにはあまり意味がないのだと思います。
そのアドバイスを、あなた自身が受け入れられるかどうか。
自分の感覚としてしっくりくるかどうかが大事なのだと思います。

・・・ということはつまり、自分が信じたものがすべて、といえそうな気もします。

つまり自分を信じればいい。
シンプルに自分の感覚として、しっくりくるものを信じればいいと思います。
どうせ正しいも誤りもないのですから。

 

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