後継者

後継者に足りないもの

親子の事業承継の中で、後継者は不安に感じることも多いと思います。
その不安の原因は様々かもしれませんが、一つ考えられるのは、自分が経営者の条件を満たしていないように感じるという部分なのかもしれません。
では、その足りないものというものは何で、どうすれば補えるのでしょうか?

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そもそも完ぺきな会社なんてそうそうない

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決算書を読めなければ社長は務まらないのか?

親子の事業承継の中で、後継者が会社のお金周りのところを把握できていないケースは少なからずあると思います。時にそれは先代がひた隠しにすることもあったりして、知らない人はまったく知らないわけです。
じゃあ、世の中の中小企業の社長はみんな決算書が読めるのか?といえば、ネットで調べてみると8割の社長は決算書が読めないと書かれていたりします。これは統計データというより、執筆者の体感的な感覚だと思いますが、実際のところ決算書が読めない社長はけっこう多いと思います。

逆に言うと、それでも何とか経営はやっていけているという現実があります。もちろん、勘所の数字があって、「ココの部分だけは、一定額を下回らない」などというポイントは経営者それぞれにあるようですが、会社のお金の周りの全貌をしっかりと把握している社長は意外と少ないと思います。

後継者のなかで、結構会社の会計について知っておくべきだし、知らなければ困ると考える人はけっこう多いですが、案外いい加減にやってる経営者も多いということは、必須科目というわけではなさそうです。前述したとおり、いくつかの勘所に集中している。だから逆に言えば、後継者もその勘所さえ教われば、まあ何とかなるかもしれない、という予測は立ちそうです。

労務関連でもわかっていないことは多い

じゃあ社会保険関連や、労働契約書など、そういった部分はしっかり把握されているのでしょうか。これも私の知る限り、そんなにしっかりしている会社は多くはありません。もちろん社員がそこそこの人数になり、独立した総務部・総務課などがある会社はその限りではありませんが、20名くらいまでの会社の場合、たぶん割としっかりはできていないことが多いと思います。だからいいというわけではないので、後継者の代で整備の必要はあろうかと思いますが、何十年もいろいろぬけがある状態であれ、会社は今も続いているという現実があります。

後継者が不完全なように先代経営者も不完全

会計や労務だけでなく、戦略、マネジメント、その他さまざまなジャンルにおいて、家業である会社は完ぺきであるとは言えないと思います。そして先代経営者もまた、完ぺきとは言えないことが多いと思います。後継者である私たちが不完全なように、私たちの周囲にある物事はすべて、決して完ぺきにできているわけではありません。常に進化途上といえますので、私たちもまた、前に進むというベクトルさえ間違っていなければいいのだと思います。そして、さらに言えることは、知識の不足は簡単に補うことができます。それは、時間を作り、学ぶだけでOKなのです。

これは後継者に限った話ではないと思いますが、どんなジャンルのことであれ、毎日、一時間程度は何か新しいことを学ぶ時間を作りたいものだと思っています。それが直接仕事に関わることであれ、関わらないことであれ、学んだことは何かしらの血肉になると思いますし、焦る必要はありませんが学んだことを一つでも二つでも、やってみて、反応を見てみるということを自分のペースでやれたらいいのかな、と思ったりもします。

知識では乗り越えられないもの

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会社は大人が成長するための学校?

ある人が、「会社(仕事)は、大人が成長するための学校である」ということを言っていました。私自身、なるほど、と納得してしまいます。
というのは、格好を卒業すると基本的に自由で、自分が何かしらの葛藤と向き合う機会はあまりなくなっていきます。
葛藤というのは例えば、できなかったことに挑戦してみるとか、一定程度のプレッシャーを感じながら何かを成し遂げるとか、自分の人間的なタイプとは違ったことをやってみるとか、一定の圧の中で働くからこそ新しい経験をする機会に恵まれる物じゃないかと思います。

そういう中で、たとえば今までできなかった制作工程を任されるとか、これまでの営業成績を超える記録を達成するとか、そういうチャレンジもあっていいと思うのですが、もう一つあるのは人間の幅を広げることではないかと思うのです。こればっかりは、一人で自分のペースで学ぶことが難しいので、人との絡みがあってはじめて成し遂げられるものではないかと思うのです。

具体的には「受け入れる」力を育む

私の会社のある人間は、管理職になった時に、自分なりに心の準備をしたのでしょう。自分がリーダーとして強くなければならない、と考えたようです。その思いは言葉に現れます。どこか「上から目線」的で、「自分の糸を強制」する口ぶりになっています。どうやら本人は気づいていないようなのですが、無意識にそんなマウンティングとも取れる態度が目立つようになってきました。それもそのはずで、自分には自分の立場として達成すべき責任があり、それを部下とともに作り上げるとなると、部下に強く強制するという解しか持っていなかったようです。

しかし、誰もが知るように、古今東西色んなドラマやアニメで、「強さを誇示するリーダーは嫌われる」というのが基本です。それはなぜかというと、リーダーの意識が「自分」が中心になっているからではないかと思うのです。「自分」の責務を達成するためにみんなを働かせる、「自分」が問題をかかえずすむようルール通り部下を動かすなどなど。すごく極端な言い方をすれば、「俺のために働け」といっているようなものですね。それもアリといえばアリかもしれませんが、それにふさわしい人間関係がない人に、自分の能力をすすんで捧げる人はいないでしょう。

その関係性を作るに際しては、「自分の責務」を社員のせいにせず、「自分がおこした問題も、部下がおこした問題も」自分のこととして対応し、なにごとも自分が責任を引き受ける覚悟が必要になってきます。問題から逃げようとして、そこに部下をあてがうということをやってはいけないんだと思います。

とても大変なことですが、そういった責任を上手く処理することが大事ということではなく、自分で受け入れるということができるかどうかが最も大事なことだと思うのですが、いかがでしょうか。

逃げそうになった時には踏ん張ってみる

後継者として、逃げ出したくなったり、自分のせいじゃないから、と目を逸らしたりしたくなるシーンは多々あると思います。そういったときも、自分の問題として正面から受け止め、少なくとも逃げな図に真正面から受け止めることを意識します。繰り返しになりますが、それを上手く処理できれば確かにいいでしょうが、できなくてもいいのです。タダ正面から受け止めてください。これが後継者としての器を育てる訓練になるんじゃないかと思います。

私が思うのは、勉強も大事なのですが、後継者が不安にさいなまれるのは、こういった心構えの問題なのだと思います。何が起こっても自分でしっかりと受け止める、と腹を決めれば案外落ち着いて対処できるのではないでしょうか。

 

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