後継者がいきなり親の会社に勤めるより、外で修業したほうがいいと言われます。
確かに、それは私も賛成です。
もちろん、社外で修業するメリット・デメリットはありますし、後継者自身の特性も関わってきますから一概には言えませんが、基本は一度は外の世界を見たほうがいいと思っています。
その時に、私の個人的な考えを申し上げますと、できれば同業者ではないほうがいいと考えています。
その理由を少しお話しさせていただきたいと思います。
本が出版されました!
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。
——————————————
後継者の社交場、後継者倶楽部はこちら
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
後継者ONLINE倶楽部
Contents
人が働く職場で起こる「刷り込み」が親子の確執を生み出している!?
はじめて働く環境がスタンダードになる
これは私の観察なのですが、鳥が生まれて初めて見たものを親と信じ込むように、人間もたとえば初めて務める仕事先をスタンダードと考える傾向があると思っています。
たとえば、同業他社で初めて仕事をしたとすると、その会社のやり方がスタンダード。同業の大企業で初めて仕事をしたとするとその会社がスタンダードになります。
大抵の場合、同業であれ異業種であれ、親の会社より規模の大きな会社を修行先に選ぶことが多いと思います。ということはつまり、その大きな会社をスタンダードという認識で3年なり、5年なり後に親元に帰ってくるわけです。
実際に私の経験ですが、自分の親の会社の10倍以上の規模の同業他社でお世話になった私は、親の会社に帰った時に愕然としました。それなりに組織化され、システム化された会社から、ほとんど親である社長だけに決定権がある古臭い体質の会社に帰ってくるのですから。もうその時点で、以前の会社とのギャップばかりが目立ってしまいます。
そうすると、もう黙ってられないわけです。あれも変えたい、これも変えたい。むしろ今までの状況ではヤバイ、競争に勝てない、なんていう恐怖心がありました。その恐怖はどこから来るかというと、いずれその「競争に勝てない会社を自分が責任を持って経営しなくてはならない」というものだったと思います。だから後継者である私も必死でした。
必死になればなるほど親との距離が離れるというジレンマ
そんな環境において、後継者である私が必死になればなるほど行うことがあります。それは現状否定です。今の会社はダメダメだ、あれもダメ、これもダメ、これも変えなきゃいけない。自分の将来がかかっているから後継者は必死です。言ってみれば大企業のサラリーマンのなかには他人を蹴落としてでも自分の地位を確保しようとするタイプの人がいたりしますが、私もまさにそんな心境です。自分の未来に傷をつけない(というか苦労したくない)ように、今目の前にあるものすべてを否定し始めました。
さて、そこで親やその当時の社員は、いったい何を思ったでしょう。現状否定イコール、自分たちがやっている事の否定です。いきなり帰ってきた社長の息子が自分たちを全否定です。そりゃあ、ちょっと嫌だなぁ、どころの話じゃないですね。ケンカ売ってるのか?って感じです。
あくまで私の話ではありますが、こうやって親や当時の社員との距離を広げてきたんだな、と今ならわかります。しかし、当時は必死すぎてわからなかったんですね。なんともお恥ずかしい話ですが。
さて、修行して帰ってきた後継者は、今の会社を全否定。
ここからしっかりしたリーダーシップが取れるかというと、なかなか難しいでしょう。
社内で「お父さん」と呼ぶ後継者
箱入り息子的後継者
一方で、社外の仕事を経験することなく、親の会社を継ぐ後継者もいます。大きな会社なら社内でいろいろ揉まれるケースもありますが、小さな会社だと結構致命的なこともあるんじゃないかと思います。たとえば、個人で経営される小売店のある後継者。お店で、社長を「お父さん」と呼びます。家族だけでやっているならそれもアリかもしれませんが、一般の従業員さんも数名います。そこでお父さん、お母さんというのはやっぱりなんとなく締まりがないような気がします。もちろん悪いことではないと思いますが、他の従業員はそれを見てどう思うかを考えると、ちょっと微妙ですね。ちょっと頼りなさを感じる人は多いのではないでしょうか。一社会人としてそこにいるのか、社長の子どもとしてそこにいるのか、ということを考えるとそういう部分はちゃんと使い分けたほうが得じゃないかと思います。
また小さな会社では、ビジネスマナーであるとか、社会人としての常識とかいったことを知る機会が少なくなります。すると外から見たときに、なんとなく信頼しにくくなります。もちろんそれを踏まえたうえでマナーを気にしないならいいのではないかと思いますが、気づかずやっていることが多いように思います。
ビジネス上困らない程度の社会性は身に着けておいたほうが得だと思いますし、そうするにはやっぱり一度は外の世界を知ったほうがいいようには思います。
おススメは異業種
「考える」というクッション
では後継者が修行に出るとすればどうすればいいのか、ですが、私は異業種の企業を知ったほうがいいと思います。規模の大小は問いません。
というのも、異業種での経験や知識を、異業種である稼業に戻ってきたときに活かすには、一旦、頭の中で「考える」というクッションを設ける必要があります。同業他社であれば、その会社のマネをそのままできるような気がしますが、大抵人まねというのはうまくいかないことが多いと思います。なぜなら、何かがうまくいくにはそれなりの経験というか訓練と試行錯誤があった結果です。その訓練や試行錯誤は実践知となって人に、組織に、組み込まれています。それを見える部分だけ真似をしてもうまくいくことは少ないと思います。
しかし、異業種の経験はそのままで使うことはできない知見が多いですから、一旦その経験を抽象化し、自分の業種に当てはめてみるという作業が必要になります。その過程がとても大事だと私は思っています。
自分の業界だけを見ていても未来は見えない
もう一つの理由は、自分の業界だけをひたすら見続けて、業界フェチになったところでそこに私たちの会社の未来があるとは限らない、ということです。今や多くの業種・業界が消えていき、融合し、逆に新しい業種が次々と生まれている状況です。そういった中で、柔軟に会社の未来を考えるとすれば、やはり広い視野を持っておきたいものです。業界に染まれば染まるほど、人は視野が狭くなりますが、業界に染まり切らないよう違う業種で経験を積むのが私はベストではないかと思っています。
すでに社外の修行を終えた後継者の方へ
もう遅い・・・?
もしこの投稿内容を読まれて、「ああ、もう修業期間も終わって、家業の会社に帰ってきちゃったよ」「同業他社だったから、ここに書いてある通りのことが起こったんだよね」みたいな階層をされてる方もいるかもしれません。もしそういう方がいらっしゃるなら、いろんな異業種の経営者と知り合って、「もし自分が彼らの立場なら、今の局面をどう切り抜けるだろうか?」なんて言う風に考えてみるのも一考かもしれません。実際のところ、私は同業他社で修業時代を過ごさせていただいています。しかし、会う人には「もともとは違う仕事をされてたのではないですか?」とよく聞かれます。それはなぜかと考えてみると、違う会社を経営していたらどうしてるかな?ということを結構考えますし、その答え合わせをするためにいろんな経営者の方をウォッチしてたりするからかもしれません。
そういう目的であれば、様々な異業種交流会や経営者団体もありますので、そんなところに参加されるのも一考かもしれませんね。
もしそういったところで思い当たるところがない場合は、是非私が主催する後継者ONLINE倶楽部もご検討くださいませ。
——————————————
後継者としての生き方に迷ったら、同じ境遇の仲間と意見交換しませんか。
もしかしたら、未来の仲間やメンターとであえるかも・・・?
よかったら、後継者専用オンラインコミュニティにお越しくださいませ。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
後継者ONLINE倶楽部
本が出版されました!
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。
——————————————