親をどうしたいか?会社をどうしたいか?同族経営のジレンマ

同族会社で後継者として会社に入った社長の息子。
こういった立場の人は、時には難しい立場に立たされることがあります。
後継者・二代目経営者としては、会社を時代に合わせて変革していかなければ、20年、30年後、ヤバいという感覚が強いと思います。
一方、そういった方向へ実際に動こうとすると、社長である親からストップをかけられる。
すすみたいけど、目の前には親が立ちはだかる。
そんな経験をする後継者・跡継ぎ・二代目経営者はけっこう多いと思います。

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「親を会社から追い出したい」

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上手くいかない原因を特定すると・・・

後継者・二代目経営者の思いとして、大きく分けて二つのパターンがあります。
一つは、今の会社を変えることなく、今まで通りの会社であり続けようという考え方をするパターン。
これはある意味、経営者というより、経営管理者といったあり方を目指しているというのが雰囲気としてしっくりくるように思います。
何かを変えるのではなく、あるままを管理する印象だと思います。
このパターンを取られる方の多くは、自分で何かを考えるというよりも、やるべきことと提示されたことをマジメにこなすタイプと考えられます。

こういった後継者・二代目経営者は、社会の変化が少ない時には堅実な強さを発揮すると思うのですが、社会が大きく変わっているときにはどうしても出遅れる傾向が出てきます。

一方で、比較的積極的に会社を変えようとする後継者・二代目経営者は、今までの会社のやり方をどんどん変えようとします。
これまでスムーズに流れてきていたものを変えるわけですから当然摩擦が起きます。
ただ、変化を求める後継者・二代目経営者自身も、実は身につまされた思いがあることが多いのではないかと思います。
今のままではうまく会社を引き継げないのではないか、という不安をベースにした会社変革であることが多いように思います。

たとえて言うなら、車のシートを考えたとき、別の人が会わせたドライビングポジションのまま運転するのは何とも運転しにくいものです。
自分が乗るときは普通自分のシートポジションに合わせるでしょう。
会社をこの自動車のシートに例えたとき、自分好みのシートポジション、つまり会社を自分で動かしやすい状態に調整しなければ、これからの厳しい道のりは走りづらいと感じているからこそ会社を変えようとすることが多いと思います。

そのシート調整ですが、実際はなかなかうまくいかないものです。
その中でどうしてもその調整を阻む力として目立ってしまうのが、親である社長・先代社長だったりするわけです。

会社のなかでの子(後継者)と親(経営者)

たいてい、後継者が会社に入った時は、下っ端からのスタートです。
実は入社当初というのは、先輩は意外と後継者に優しいものです。
しかしだんだんと後継者は会社の中で、存在感を発揮し始めます。
何しろ一般社員は、「上司に評価される」というところが目標でしょうが、後継者の目標(というより義務?)は「社長になる事」です。
これはたとえばゴルフで例えるなら、「そこそこうまくなれたらいいな」と思っている人と、「プロとしてトップをとる」という事を課せられた人との違いくらいの意識の差があります。

仕事上の意識はもちろん一般の社員とは違う高さがありますし、また、立場的にも異例のスピードで出世します。
目的意識があり、高い立場を与えられることにより、その意識付けをされるわけですから、大抵は一般社員より広く社内を見ていることが多いと思います。

そしてその視野で会社を見ているのはたいてい、親である経営者と、後継者ぐらいであることがけっこう多いと思います。
そこで視点の違いが明らかになってくるのですが、親である経営者は「過去の経験」を重視する傾向があります。
なにしろ今まで数十年の成功体験がありますから、それを信奉しています。
一方後継者は、その過去の蓄積が現在地だとすると、その現在地に不満を持っているわけですから、意見が合うはずもありません。
後継者が見るのは「未来の予測」から来る現在です。

考え方は真っ向から衝突し、他の社員はこの対決に口を出すことはできません。
どちらかと言えば、一般社員は「過去の経験」に安心を見出す傾向が強いので、大抵は先代派となります。
完全に社内の派閥の中で劣勢になった後継者は、こう考えます。

対抗勢力たる親を追い出せば、もっと会社経営が楽になるはずなのに・・・

ここで「会社を変えたい」という目的が、「親を追い出したい」という事になります。

後継者から見た親の厄介さ

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

会社に公私混同を持ち込む

後継者にとっては目の上のたん瘤的存在になりつつある親の問題はいくつかあります。
一つ目は、公私混同という部分ではないでしょうか。
たとえば、個人的な旅行費用や、趣味のゴルフといった費用を会社のお金からねん出しようとしたりします。
ひどい場合は、家族での外食代なんかもそうですね。

後継者はどちらかというとこういったところの区別はつけたがる人が多い一方、創業社長などにおいてはもはや会社の財布と個人の財布はほとんど一体。
個人的な支払いを会社につけるのはよくあるパターンです。

他の社員の手前、そういったことは勘弁してほしいと思う後継者のいらだちをよそにやりたい放題。
ひどい場合は、そんな風に後継者のいにそぐわないお金の使い方をしておきながら、後継者の個人保証の借り入れをおこしたりするなんて話も耳にします。

また、経理を母親がやっている会社も多く、両親ともにそういった感覚を持っているため、止めようがない状況というのもよくあります。
これらを直接親に問い詰めても、「経理上このほうがいいからやっている」とか、「きれいごとで経営はできない」とか、「頭でっかち」とか言われて退散するのが一般的ではないかと思います。
公私混同の良し悪しはともかくとして、こういったことに対して後継者がいぶかしい思いをしているケースは少なからずあります。

認めたくない相手なのに報酬は社内最高

普通社内の評価において、経営者的に認めたい人を認め、そうでない人はそうでない意思表示をハッキリしたいところです。
しかし、先代のふるまいについては、「後継者として評価できない行動」が沢山目に付くのに役員報酬は当然のごとく、社内最高です。
もちろん、これまでの功労もありますから、最高の報酬をとること自体に反対はしないものの、せめてこれからの会社のための行動の後押しをするぐらいには後継者である自分を尊重してほしい、という思いがあるのではないでしょうか。

報酬も、評価している人に払う分には、素直に高額を支払えても、
自分の思いと逆のことばかりしている人には、払いたくないという思いはあるでしょう。
そんな人が平然と高級をとっておいて、資金繰りがショートすれば後継者に責任を擦り付ける、なんてことがあったとしたら後継者にとってこれほどきついことはありません。

たしかに、そういったことを乗り越えて潤沢な資金を回すことができるようになるのが後継者の務めなのかもしれませんが、あまりに厳しい条件に鳴きたくなることもあるのではないでしょうか。

社内の発言権が大きい

さらに、最も厄介なのは、先代経営者は社内への発言権、影響力が大きい、というところにあります。
色んな計画を綿密に、みんなで議論を進めてやり始めても、鶴の一声で振出しに戻ることは少なからずあります。

これはあくまで傾向ですが、先代の時代に有効だった経営戦略はたいてい即効性がありました。
しかし現在はどちらかというと、効果が出るまで少し時間のかかることも多いように思います。
また、一人のカリスマでもっていた会社を、後継者は組織として作りたいと考える傾向がありますので、すると当然社員一人一人の意識を変えていく必要があり、どうしても時間がかかりがちです。
こう言ったことをコツコツとしかけているなかで、先代社長の一言が、今まで作ってきたものを一気に崩壊させることはよくあります。

また、後継者が社員とともに作った計画が、自分の知らない間に変更になっていた、なんていうこともあるでしょう。
なぜかと聞くと、「先代社長がやってきて、変更を告げたから」なんて言うこともあるかもしれません。

後継者は「親の存在」にフォーカスし、本来の目的を忘れ去る

1388843によるPixabayからの画像

親を追い出したい(or会社を辞めたい)

このような経緯をたどって、後継者・二代目経営者はストレスにまみれ、「闘争か、逃走か」という反応を始めます。(心理学・脳科学では有名な反応です)
つまり、親を追い出そうとするか、会社を辞めようとするかです。

けどちょっと待ってください。
たしかに、後継者がやりたいことにとって、親の存在は目の上のたん瘤かもしれません。
しかし、親は昔から同じような人間ですし、ある意味独善的であったり、過干渉であるとか、性格が激変したわけではありません。
本来は、「自分が自由に会社を変えたい」「自分に合わせて会社というシートを調整したい」というのが目的であって、親をどうこうするという事がスタート地点にあったわけではないはずです。
それがいつしか、会社のことを考える前に、とにかく親を追い出さなければ問題は解決しない、という考えにとらわれている可能性を考えてみたいところです。

親がもっている問題は後継者の後押しになる

冷静に考えてみましょう。
大統領選挙などでも顕著ですが、割とベタな戦略って「相手の悪い部分を強調して、票を奪い取る」という事が常套手段です。
相手に弱みがあるという事は、取りつく島があるってわけですね。
公私混同なんてまさにスキャンダル。
リアルな選挙戦ではけっこう攻撃のネタです。

あ、もちろん、同族会社の社内で親子でスキャンダルネタで刺し合えと言っているわけではありません。
それを大きくしたのが、時折大きく報道される「お家騒動」というやつじゃないかと思います。
テレビなどで報道される企業は比較的大きな企業が多いと思いますが、中小企業でそれをやらかすと社内の士気ダウンはとてつもなく大きいと思います。
ただ、ご自身の思いの中で、「いいネタつかんだ」くらいの優越感を感じていただければいいのではないかと思います(笑)

出来ない言い訳に親を使っていないか?

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少し耳に痛い話

ここからは後継者の耳に少し痛い話をさせていただきたいと思います。
たしかに、先代経営者は理不尽なことも多く、その発言権は大きいだけに社員はそちらになびきがちです。
しかしそれは逆に言えば、後継者自身が自分の見方を社内に作ることができるほどに、魅力を発信できてないからではないでしょうか。
そう考えると、たとえば親を会社から追い出したところで、従業員が後継者についてくるかというとかなり微妙な状況であることも多いかもしれません。
であれば、しばらく会社に腰を据えてもらって、自分のやりたいこと実現の方向へ動いてもらうようあれこれ画策すればいいような気もします。
親を自分のベクトルに動かせれば、そんな強い味方はありません。

まあそこまでは難しいとはいえ、親には逆らえなくとも従業員がコッソリ「私は後継者であるあなたの味方です」と言いに来るような関係を作れれば、実は親概要がいまいが結構いろんなことができることもあるんじゃないかと思います。

そこに至っていないという事は、社内でのコミュニケーションの問題が実はあるんじゃないかと思います。

つまり確かに、親は後継者にとっては自分の考えと違う考えを社内に広めるという問題の種と言えることは言えると思います。
しかし私たちはそのことを盾にして、自分が社内外における影響力を及ぼすことができていない状態を見ないようにしてはいないでしょうか。
単純化して言うなら、自分が社員から信頼されていないことを、親のせいにしていないだろうかという事です。

あんがい、親がいようがいまいが、できるようにやればできるし、できないようにしかやっていなければできない。
これが問題の本質なのではないでしょうか。
親という遮蔽物の先を見て歩けば、きっとそこにたどり着くことができるのではないかと私は考えていますが、いかがでしょうか。

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