後継者が社長やそこに近い立場になると、ありがちなのが、会社に後継者が不在になること。
もちろん、直接的な仕事による出張もあると思いますが、同業者組合や異業種交流会、様々な経営者の会で不在になりがちです。
そういった社外での学びはとても重要な半面、一方で会社崩壊のリスクをも背負っています。
私の著書です。
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。
Contents
口コミサイトに投稿されていた衝撃的な内容
倒産予兆としても挙げられる社長の不在
ある就職者むけの社員口コミサイトに、こんな投稿を見つけました。
社長がよく不在になり、ゴルフなどにいっている。その時は、仕事をしていない社員がほとんど。社長は社内の問題についてほとんど周知しておらず、非常に問題である。
実は、社員から見たとき、社長が会社不在なことをネガティブにとらえているケースは結構多いものです。
倒産予兆の代表的な例の一つとしても、会社に社長が不在である、という事は結構大きく取り上げられることが多いようです。
誤解しないで頂きたいのですが、私は、社長が社内にいることをお勧めしているわけではありません。
しかし、社長が不在になるなら、不在になるだけの理由が必要だという事は肝に銘じておいたほうが良いかもしれません。
「社長が不在でも売り上げが上がる仕組み」は不可能なのか?
最近、よくネットなどで見かける「社長が不在でも売り上げが上がる仕組み」的な情報商材やセミナー、
これは果たして本当なのでしょうか?
結論から申し上げますと、そのノウハウは多くの場合恐らく使えるものが多いと思います。
しかし、それが有効なのは、ある要件を満たしているときに初めて効果を発揮するのではないかと私は考えています。
後継者が不在になる本当の理由
後継者と社員の間にあるべきもの
仮に後継者が会社に不在がちだとしても、それが直接的な仕事であれば、社員はまぁ納得感もあるかもしれません。
しかし、そうでない場合には、少し注意が必要です。
- 同業者団体や異業種交流会への出席
- セミナーや研修への出席
- 社外のお付き合い(ゴルフ・飲み会など)
といったことが多いと思われますが、これらの事が仕事に結びつく可能性を、社員は知らないわけではありません。
こういった事に忙しい後継者が、社員から批判の目で見られるとすれば、その関係にはあるべきものがない、と言わざるを得ません。
その「あるべきもの」については、順を追ってお話ししましょう。
可能性を狭める場所
私自身も経験があるのですが、自分の会社に出社するのが嫌になる事ってありませんか?
仕事へのモチベーションがないわけではないのに、ウィークデーがしんどい。
だけど、様々な経営者団体やセミナーに出席するのは、とてもワクワクして楽しいわけです。
その原因を深く追求していくと、会社に自分の居場所がない事を実感したことがあります。
社内では新たな改革を進めようと努力するのですが、社員はついてこない。
先代は自分の考えに賛同しているようにも思えない。
周囲の声は、自分のやっていることを批判するものばかり。
そうなったときに、関係を外に求めると、居心地がいいのです。
そこには受け入れてくれる経営者仲間がいたり、会社の事と切り離して新しいことを学べたり。
毎日の生活の中で、最も苦しく、動きにくい場所が自分の会社だった、という後継者は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
当時の私にとって、様々な団体への参加は自分が会社を不在にするためのいいわけだったのです。
会社を分裂させないために必要なもの
社長不在でも回る会社への第一歩
そんな、会社から自分を遠ざけようという理由で行う外出や出張は、社員との距離をどんどん遠ざけてしまいます。
社員からしてみれば、「自分は仕事もせず好きなことをやって、私たちが会社を動かしているのに」なんていう感覚に陥りがちです。
こうなってしまうと、仕事の押し付け合いですね。
後継者が会社を不在にすること自体は悪い事ではありません。
特に、中小企業においては、経営者の成長は会社の成長とリンクします。
だから、どんどん外に出てほしいのですが、
心だけは会社に置いておき、社員とともにある
という事が非常に重要です。
非常にわかりにくい表現かもしれませんが、そういった信頼関係を切らさない気遣いがあってこそなのです。
そう、社長不在で会社がおかしくなる場合の多くは、社長と社員の心の根底にある信頼関係が形成できていない可能性が高いのです。
信頼関係の第一歩
では、信頼関係を構築するにはどのようにすればいいのでしょうか。
簡単にまとめてみたいと思います。
- 常に意識を会社に置く
これは精神論的でわかりにくい話かもしれませんが、気持ちを会社に置いておくという表現を良くします。会社の事を気に掛けるという表現がぴったりくるかもしれません。 - 社員とのコミュニケーションを密に行う
経営者と社員のコミュニケーションは、経営者から社員へという一方通行になりがちです。コミュニケーションをとるよう意識することは重要ですが、そこに加えてきちんと話を聞く、という事も非常に大事になります。 - 決断し、責任をとる
当たり前のことですが、会社のことを決断し、その責任をとるという事がなかなかできないケースもあるようです。社員のせいにしたり、社外で社員の愚痴を言ったり。自分自身の責任をきちんと取るという事は意識しておくとよいのではないかと思います。
こういった事を意識したうえで、ある程度の信頼関係を築けたならば、むしろ会社を不在にすることを応援してもらえるようになると思います。
小さなことの積み重ねが重要になります。一つずつ意識していってはいかがでしょうか。
私の著書です。
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。
この記事へのコメントはありません。