後継者・跡継ぎはバカになろう

脳はインプットした質問に関連する情報を自動で集め続ける。
いろんな方がおっしゃっている話なので、ご存知の方も多いと思います。これを体感するために、自己啓発セミナーなどではこんなワークをすると思います。
部屋の様子を記憶して目をつぶる。目をつぶった状態で「赤いものを探してください」と講師に指示されます。
暗いイメージのなかでは一つ、二つ・・・と見つけるかもしれませんが、さほどたくさんの「赤いもの」は見つけられないでしょう。
しかし、目をあけてもいいと言われ、目を開けた瞬間、室内の「赤いもの」が次々と目に入ってくる。こんな実験を体験された方も多いと思います。

他にも、膨大な量の蔵書の図書館や書店で、何かしらのキーワードを頭にイメージして本を探すとそれに関連した本が目立って見えるようになるとかいう経験をされた方もあるかもしれません。
少し違った話になりますが、ガヤガヤしたパーティーの会場でも、自分の名前を呼ばれると「ハッ」と反応することもあるんじゃないでしょうか。
これも自分というとても関心の高いものについての情報だから、雑多な情報の中から特に目立って耳に入るのです。

この人の習性、使い方を間違えると大変なことになってしまいます。

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私たち後継者・跡継ぎはどんな情報にフォーカスしてるか?

Arek SochaによるPixabayからの画像

常に頭の中にある事

人は脳にインプットしたキーワードに関連する情報を常に探している、というのは冒頭でお話ししたとおりです。となると、とても大事なのは「日頃どんなことに関心を持っているか」ということになります。
今まであまり関心がなかった人が、車を買い替えるということになったとします。その時にいろいろと調べて、「ボルボが欲しいな」と思ったとしましょう。すると、今まではほとんど目に入らなかったのに、意識し始めると急にボルボがけっこう街を走っていることに気が付きます。これは、急にボルボが増えたわけではなく、関心がなかった時は無視していた「ボルボ」という情報が、気にかかるようになっただけです。

こういう時ならばいいのですが、時にこんな思いに陥ることがあるかもしれません。
「ああ、うちの親(先代)はなんで、あんなに身勝手なんだろう」とか、
「ウチの社員はどうしてこうも融通が利かないのだろう」とか、
「会社をやっていくのが自信がないなぁ」とか、
そんな思いを持ち始めると、人はそれに即した情報を集め始めるんです。

親が身勝手だと思い込めば、親が身勝手であることを証明する情報がやたらと目につくようになります。
社員が融通が利かないと思い始めると、それを証明する情報ばかりが飛び込んできたりします。
会社をやっていく自信がないと感じていれば、会社はうまくいかないということを信じる方向での情報が集まります。

まさに負のスパイラル。
どんどんと、はじめに思い始めた信念を強化し続ける結果、だんだんと我慢が出来ず爆発したりするわけです。

「クセ」ともいえる行動パターンを変えようとすると起こる事

たとえば、親(先代)が身勝手である、という信念を持つと親の身勝手な行動が、日々目に飛び込みます。赤いものが目に飛び込んできたように、自然と目につくのです。それを見たとき、「また勝手なことを」と私たちは起こりだすかもしれません。その結果さらに、「親は身勝手である」という信念を強化していくわけですが、これを断ち切るにはどうすればいいでしょうか。

恐らく多くの人は、「身勝手である親(先代)」を改心させようとするのではないでしょうか。後継者・跡継ぎの人たちが考える親(先代)の在り方にあわせて、時には「こうしてほしい」と直接お願いをするかもしれませんし、無言の圧力をかけるかもしれません。或いは視界から排除するよう画策するかもしれません。

それでもたぶん、親にも長年染みついた行動パターンや癖、習慣があります。それを変えろと言われて、もしかしたら素直に応じたいと思う親(先代)も一定数いるかもしれません。しかし、長年就いた癖は早々変えられるものではありません。喫煙者が「気が付いたときには煙草をくわえている」というぐらいに人のクセというのは、その振る舞いをしていることを一切自覚していないことも多いのです。例えば私自身、YouTubeで情報発信(私の動画のチャンネルはこちらです)をはじめて、自分が話をしている動画を見返したとき初めて知った自分の癖がたくさんあります。

後継者・跡継ぎからみると「親は自分のいうことを聞かない」と思っているかもしれませんが、もしかしたら先代は先代なりに変えようと思っているのかもしれません。(そうではない、ということもあるかもしれませんが)

こういった状況があるとすると、後継者・跡継ぎは親を変えようとしてアプローチするわけです。しかし先代はどうとらえているかはわからないものの、後継者・跡継ぎにとっては思うような変化がない。そもそも後継者・跡継ぎはすでに「親は身勝手である」という思い込みがあるから、そういった情報を集めがち、つまり親に対する評価は非常に厳しいわけです。多少の改善があったところで、その改善を評価するよりもむしろ、「まだまだ身勝手すぎる」という思い込みの情報を集め続けている可能性があります。

まず何を変えるのか?

Fathromi RamdlonによるPixabayからの画像

行動を変える前に起こる事

なにかと社会においては行動が重視されます。しかし、よく考えてみると、行動は思考の結果です。脳が指令を変えなければ行動は変わらないのです。だから、一番初めに変えたいのは頭の中の思考プログラム。
私たちは特に、周囲を変えて自分に都合のいい環境を作ろうと考えがちです。そうすると、見えない内面的な部分よりも、目に見える行動部分ばかりを変えようと躍起になります。

たとえば、ある夫婦がいました。妻は夫に対して「あなたはいつも上から目線で物を言う」という不満を持っていました。夫は実はそんなつもりはないので、妻のいうことの意味がよくわからないのです。丁寧に話を聴いてみると、たとえば「自分は家族のためにこんな風にしている」みたいなことを言うことに対して、妻は「そんなの家族だから当然じゃないか」という思いを持っていたそうです。しかし、夫は仕事で忙しい中自分なりに頑張って家族のためを考えて行動した、と考えています。もうその考えが妻からすると、上から目線だといいます。もうここは見解の相違なんですが、ここの基礎となる価値観のすり合わせが行われなければ、この夫婦、恐らく永遠に「上から目線問題」に悩まされることでしょう。

親子での経営においても似たようなことが起こっているように思います。後継者からすれば、先代は身勝手で、経営を継がせる気も後継者を育てる気もなく、厄介な存在かもしれません。逆に、先代からすれば、後継者が何をカリカリしているのかがまったくわからないのでしょう。こういった価値観のすり合わせは、かなり高度な問題だとおもいます。

ところで、現状に苦しみつつも、ネット検索をして情報を探った結果、このサイトに訪れた後継者・跡継ぎの方々は恐らく「物ごとを良い方向に変えていきたい」という思いをまだ持っている人だと思います。完全にあきらめた人は検索などしませんから。そういった、しぶとく(失礼!)なんとかしたいと考える方に試してほしいのは、先代や社員さんのふるまいを「赦す」ということです。

バカになったほうが楽

赦す、といってもピンとこない方も多いと思います。少し乱暴な言い方になりますが、私はこれを「バカになれ」と表現しています。ちょっと乱暴すぎますね。もう少し丁寧に説明します。
まず、前提として、「自分は正しいに違いない」という思い込みを少し緩めて、こんな風に考えてみます。そもそも経営に正しいとか、間違いはない。だから、自分の考えも正しいし、彼らの考えも正しい。どちらを選ぶかだけの問題である、という認識を持つよう努力してみます。

たとえば、食後の飲み物をコーヒーにするか、紅茶にするかなんて絶対的な正解はありません。なかには、したり顔で「この食事ならコーヒー以外ありえない」という人もいるかもしれませんが、そんな人はただの頭が固い人です。焼きそばやお好み焼きをおかずにご飯を食べるという関西の文化も、他の地域の人からすれば間違ったことをしているのかもしれませんが関西の人にとってはたいてい普通のことです。嗜好の問題で正誤・善悪の判断をすることそのものがナンセンスです。

経営も似たようなところがあって、あたかも王道のような正解があるように見せるのがコンサルタントや学者がやることですが、それらはほとんど再現性がありません。なにしろ、ありえない成功を収めた企業の多くは、学者が誤りの烙印を押したビジネスプランを実行しています。教科書通りにはいかないのがビジネスの世界です。そんな中で、わずかな経験や知識の中で、自分が正しいとか、親が正しいとかいう議論その物がバカバカしいと私はある時思いました。同じ山頂にのぼるのでも、いろんな方法があるはずだし、目の前の状況に応じてできることはいくらでもあるのかもしれない、という信念を持つように意識しました。すると、親や社員に対するコントロール欲求はかなりなりを潜め、ずいぶんとやりやすくなりました。

そもそも絶対的な正解がないなら、自分だけが考えて、自分だけでやり切ろうというより、いろんな意見があって、いろんな行動をする人がいるならそれはそれでいいかな、と思えるようになったんですね。だから、小難しく考えず、目の前の状況を受け入れることがちょっと楽になるコツと言えるかもしれません。これが「バカになろう」ということの意味です。賢いリーダーはいろんなことが完璧でなければできませんが、バカなリーダーなら誰でもできる。だからみんなを盛り上げればそれでいいんじゃない?と考えるのがいいかもしれません。

バカになると人を活かす経営にシフトする?

さて、こうやって、「自分が正しい!」という信念から抜け出して、「みんな正しい。その中でどれを選ぶ?」という考えにかわると、自然に人を活かす経営にシフトしていくように思います。自分だけが自分の信念で周囲を説き伏せるというスタイルじゃなくて、意見を募ってどれをやるかを決めていくわけですから、意見を採用された社員はきっと喜ぶし、ヤル気も見せてくれると思います。そういうサイクルで経営が成り立ったほうが、結果として後継者・跡継ぎは楽になるんじゃないかな、と思うんですね。だから多くの後継者・跡継ぎは、社員が考える組織を目指そうと思うんだけど、彼らにいろんなことを強制するから社員は自ら考えることを放棄するんです。天邪鬼っぽいですが、人間そんなものです。けど、ちょっぴり稚拙な提案であっても、社員さんの話を聴き、試してみる姿勢を示すと割といい方向に行くことって結構あるんじゃないかと思います。すぐに結果を求めるのは難しいですが、そういう風土が人を作り、会社を作っていくんじゃないかと思います。そういった風土がでいると不思議と、先代の身勝手さは少しずつなりを潜めることがあります。

ちょっと話が飛躍しましたが、はじめのテーマに戻しましょう。
先代がダメ、社員がダメ、という信念を持っていると、彼らのダメさを証明する情報ばかりが目に飛び込んできます。その負のスパイラルを解消するには、自分がバカになって彼らも正しいという前提に立って、今必要なことを選択していく。そもそも彼らの意見を受け入れる姿勢が、彼らの意見の良い部分を発見する脳の検索プログラムを起動させます。あとは彼らの意見をどんどん取り入れて試行錯誤していけばいいのです。後継者・跡継ぎはひとりぼっちだという孤独を感じがちですが、そういった流れができ始めると、その孤独からも解放されるかもしれませんね。

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