後継者

いじめられっ子と家業の後継者

家業を継ぐ跡継ぎ・後継者の人たちへの教訓は、「いじめられっ子」のふるまいにもあるものです。
いじめられっ子がいたとして、たとえばそのこといじめっ子のクラスを変えるとか、学校を変えるとかしたとしましょう。
しかし、どこへ行ってもいじめっ子はいるものです。たまたま変わった学校でそんな子がいなければその時はラッキーなのですが、いずれまたいじめっ子と遭遇することもあるんじゃないでしょうか。
問題から遠ざけるだけでは長期的に見ると上手くいかないものです。

では、どうすればいいのでしょうか。

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私のいじめられっ子体験

Free-PhotosによるPixabayからの画像

大人の目を盗んで・・・

幼稚園の頃なんですが、私はいじめられた経験があります。あいてはジャイアン風の男と、スネ夫風の男という、絵にかいたようなパターンだったと思います。きっかけは思い出せませんが、ジャイアン風の男はたとえばお遊戯の時間に先生の目を盗んで、私のお尻をつねってきます。私が痛みの表情をすると、先生はそれを目ざとく見つけこういいます。「楽しそうにお遊戯しましょう」と。ある時私は先生に、いじめっ子のことを話しましたが、先生はむしろ私が悪いかのような言い方をしました。それでも彼らのイジメは続きますから、親にも相談しました。親はこういいました。「〇〇君がそんなことをするようには見えない。あなたがしっかりしないから」だ、と。子どもながらに、「ああ、自分の味方はこの世にはいないんだ」なんて思って、毎日教室にいるのがイヤでウサギ小屋のあたりをウロチョロしてたのを覚えています。典型的ないじめられっ子ですね(苦笑)

けど、そういったことを経験すると、だんだんと引っ込み思案になってきて、たとえばトイレに行きたいのを先生に言えなくてお漏らしをしてしまうとか、そんな事もあったように思います。

当時の自分を振り返ってみると、イジメというのはイジメるやつが悪いし、周囲の人間もそのことに対する認識が弱すぎる。だから自分一人が「耐えるしかない」というのが当時の自分の感覚でした。

だんだんとイジメられない方法を学んだ

そんな私ですが、小学校高学年になるころにはそれなりにクラスに溶け込むようになっていましたし、幸いにしてその後、イジメらしいことを受けることもなかった、あるいはいじめとは感じなくなったように思います。それはなぜかというと、「自分が変わった」からです。

小学校低学年のうちは、幼稚園でいじめられた後遺症がありましたので、なんとか生活が変わったことで人間関係に変化を興そうと思っていました。だから、それなりにクラスに溶け込み、みんなの中にいることを心掛けました。小学校高学年になると、自分が注目を浴びるふるまいを覚え始めました。中学では少し戦略を変えて、若干の粗暴さを表現したり、高校では自分の持つ高校生のイメージを演じました。この時、変に目立とうとしてヤヤコシイ話になったこともありましたが、また路線変更すればなんとか切り抜けられました。

口で言えば簡単なことですが、私が学んだイジメられないための戦略は、周囲と同化すればいいということです。出すぎず、一人にならず、下がりすぎず、という感じでしょうか。

いじめられっ子がいじめられなくなる戦略は、私のようなパターンもあるかもしれませんが、「体を鍛える」という人も結構いると思います。プロボクサーや格闘技のトップクラスの人はかなりの確率でこういうと思います。「小さいことイジメられたから、イジメられないよう強くなりたかった」と。

社会のお膳立てはそろわない

LucasFZ70によるPixabayからの画像

嵐が過ぎるのを待っていてもまた嵐はやってくる

私の経験したいじめなんて、所詮幼稚園児のたわごとレベルの話です。イマドキのいじめから比べればかわいいものです。とはいえ、当時はイジメられた私自身も無垢な(?)幼稚園児でそれなりに心理的なインパクトはあったように思います。そこで先生や親に言いつけたわけですが、実際はそうはなりませんでしたが、仮にその時に誰かが手を差し伸べてくれて、彼らと会わずに済むような状況が出来たとしましょう。その時はあるいは私はいじめから逃れられたかもしれませんが、たぶん、人生の中でまたどこかで似たようないじめっ子と出会うシーンはあるんじゃないかとします。その時も誰かの手で、その問題解決してもらうことを待ちわびるのでしょうか。さすがに大人になるとそうもいかないような気もします。

そこで大事なのが、自分が何かを変えるということになってくるのだと思います。いじめに対する耐性を作る、先に言った格闘家のように身体的な強さを身につける、そこから精神的な強さを身につける、イジメられないためのふるまいを研究し実践する・・・などなど。場所が変わればどこにでもいるいじめっ子に負けない自分を獲得しないと、常にビクビクした未来に心配させられっぱなしになりそうです。

これはいじめられっ子が悪いから変わらなければならないと言っているわけではありません。いじめっ子は間違いなく問題なのですが、それを自分が生きる環境というか、舞台設定として考えたときに、そのいじめっ子のいる世界で生きていく方法を自分もマスターしたほうが多分生きやすくなるんじゃないかと思うのです。私の場合は安易にいじめっ子に目をつけられないような周囲に迎合する生き方を選び、そこから自分の個性を発揮していこうという時には苦労しましたが、うまい方法はきっとあると思います。

イジメでなく、嵐で例えるとするなら、今の嵐をやり過ごしてもまた同じ荒らしがやってくるかもしれないわけです。そこに備えて、補強するなりして嵐に耐えられる自分になろうというのは自然な考えだと思います。いじめもまた同じように、また新しいいじめっ子と出会っても大丈夫な状態作りをしておかないと、単に今目の前のいじめっ子を遠ざけるだけでは長期的な解決策とは言えないのではないかと思うのでs。

家業の跡継ぎ・後継者が置かれる環境

親の会社を継ぐ跡継ぎ・後継者においては、わりとストレスフルな環境を感じていることが多いと思います。自分の思い通りにいかない親や社員。しかし、責任は押し付けられ、世間では問題が起きれば跡継ぎの力不足と言われ、うまくいけば親の七光りと言われる。その渦中にいる人からすれば、社会におけるイジメといってもおかしくない状態に感じられるかもしれません。そこで跡継ぎ・後継者の方は、だんだんと我慢ならない状況に至りだすと、社員や親を会社から排除しようとしたり、自分が会社を辞めようとしたりします。それは悪いことだとは思いませんが、たぶんそれは一時的な回避策になってしまうんじゃないかと思うのです。いじめられたからと言っていじめっ子とクラスを分けるというのと同じで、目の前の問題をどこかに隠してしまっても、次の問題がやってくるわけです。こういったときに何が必要かというと、自分が何かしらの変化を起こすことではないかと思うのです。

人は多くの場合、コントロール欲求を持っています。身近な人がこうなってくれたらいいなとか、会社がこういう風に言う通り動けばいいなとか、親はこう振る舞ってくれなきゃ困るのに、とか。すべてが自分にとって都合よく動いてくれることをけっこう真剣に願っていたりします。その要望を紙か何かに書いて、数日後読み直してみると恥ずかしくなるぐらい、「あり得そうもない願望」を持っていたりします。これって、イジメられていて、学校に行くのがイヤで、明日には学校がなくなってくれないかな、幼稚園で好きな子だけがいる状態にならないかな、という淡い期待と大差のない願望じゃないかと思います。

跡継ぎ・後継者にとって大事なことは、いうことを聞かない親や社員、理不尽な社会や取引先、身勝手な周囲な評価といった自分にとっての不都合を「なければベストだけど、あったとしても別に気にならない」状態にすることじゃないでしょうか。それは相手を変えるのではなく、自分が変わる必要があります。格闘家が体を鍛えることでいじめっ子が怖くなくなったという現実があるように、私達自身が強くなることで親や社員のふるまいに何の執着も持たずになれた、という状態が望ましいと思っています。

満足する状態はやってこない

ともすれば「もっと良い状況」「もっとやりやすい状態」をと自分にとっての最善を求めてしまいがちです。しかし恐らく理想の状態は永遠にやってこないんじゃないかと思います。逆にその欠けた状態をカバーしてやっていくことがきっと私たちの手腕なんだと思います。完ぺきなものを授かればそれ以上は望めませんが、欠けたものだからこそ良くすることができるのです。弘法筆を選ばずと言いますが、経営者ってきっとそういう考えがベースにある事が求められるのではないでしょうか。

ところで余談ですが、今の私が幼稚園時代にいじめられたのはどちらかと言えば、大人しいわりには目に付くというのがいじめっ子の癇に障ったんじゃないかと思います。その後、周囲に溶け込むように振る舞ったと書きましたが、それもうまくいかず「やっぱり、好かれようが好かれまいが、素で生きよう」という考えに至ったのが中年になってから(苦笑)イジメようとする人もいますが、イジメられても痛みを感じなくなったので、だいぶ楽です。そういえば小学校時代にいたいじめられっ子がいましたが、彼はいじめられても平気っぽかった気がします。きっと彼は最強だったのかもしれません。

 

今回の記事と少し切り口は違いますが、本質的には似たようなことをお話ししている動画です。
もしよろしければどうぞ。

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