後継者

親が会社を私物化するのに我慢ならない後継者

ときおりこんな相談を頂くことがあります。
「親である創業社長が、会社を私物化して困る」という後継者からのご相談です。
オーナー企業であれば、大なり小なり会社の私物化はあります。
後は程度問題、という事だと思うのですが、時にはそこそこ売り上げが上がっているのをいいことに社長が散在し、
幹部社員のモラルは低下している、なんていう話もあるようです。

本が出版されました!
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

——————————————

■後継者向けセミナー開催日程はこちら

 

 

■小冊子『なぜ親子経営では確執がおこるのか?~そのメカニズムを知り、後継者が”今”を打開するための5つのステップ[要約版]』無料ダウンロードはコチラ
■YouTubeチャンネルで動画配信も行っています!こちらをご覧ください。
■時々読書会をやっています。開催情報はこちらをクリック

こういった状況に、後継者・跡継ぎができることはあるのでしょうか?
正直言って、ほとんどないというか、いくら言っても効果はないと思います。

社内のモラルが低下してきて、さらにルールを増やして処罰するなんて言う方法をとると、余計に殺伐とした社内になる可能性が高いのではないでしょうか。

じゃあ、どうすればいいのか?と聞かれても、すぐ効く特効薬というのはなかなか思いつきません。
ただ初めにやってみてほしいのは、「観察」することです。

ある意味、異常ともいえる行動をとるには、なにかしらそういった行動に駆り立てる理由があるはずです。
たとえば、創業社長の場合、「認められたい」感情が非常に強い可能性があります。
誰かに認められたいという思いが高じて、キャバクラ通いがとまらない、なんていうこともあると思います。
そもそもそういったお店に入りびたりする人の多くは、話を聴いてもらえる環境がない寂しさを紛らわすためであることも多いのではないでしょうか。

 

「観察」の次にやるべきことは、対話ではないかと思います。
仮に誰にも認められていないという思いを社内のスタッフが抱えているとすれば、誰かが親身に話を聴くことで、その人が変化する可能性はあるんじゃないかと思います。
このステップを省いて、十把一絡げで「社内のモラルを下げている」と圧政を敷きたくなってしまいますが、私の経験上あまりうまくいかないことが多いです。
とにもかくにも、重要なポジションにいる人間の話をしっかり聞いて(話を聴くことと、彼らの主張の通りにするのとは意味が違うのでご注意を)見ることが大事だと思います。

そういう意味では、もしそんな会社の後継者として入社したならば、まずはキーマンの話をただひたすら聴くというのが第一歩ではないかと思います。

 

もう一つ大事なこととして、創業社長が会社を私物化するのは、会社の所有者を内外に明確にするアピールと考えられるケースも多いと思います。
自分が私財を投じて作った会社だから、俺のものなんだ、という自己主張が含まれている可能性があります。
これもまた、自分が頑張っているほどに報われていない、という感情がその奥にある可能性が高いのではないかと思います。
こういう場合は、創業社長をみんなが尊重しているよ、という言葉や言葉以外でのメッセージが大事だと思います。
社長は、俺を敬え、という思いが強い可能性がありますので、文字通り敬ってあげると少しゆとりができて、周囲に還元しようとする動きに変わる可能性もあります。

 

面倒くさく見えるかもしれませんが、おとぎ話の「北風と太陽」作戦です。
あの物語は、かなり人間の本質をついているのではないかと思っています。

 

本が出版されました!
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

——————————————

■後継者向けセミナー開催日程はこちら

 

 

■小冊子『なぜ親子経営では確執がおこるのか?~そのメカニズムを知り、後継者が”今”を打開するための5つのステップ[要約版]』無料ダウンロードはコチラ
■YouTubeチャンネルで動画配信も行っています!こちらをご覧ください。
■時々読書会をやっています。開催情報はこちらをクリック

 

LuckyLife11によるPixabayからの画像

Open modal

関連記事

  1. リーダーの在り方が適正か?を測る算式

  2. 困りごとの解決策を探さない人々

  3. 後継者は従業員のために我慢することが必要なのか?

  4. 人生のターニングポイントには「人」がいる

  5. 経営の「型」にはまろうとすると、後継者の不安はいっそう募る

  6. 事業承継で後継者が感じがちなの被害者妄想の乗り越え方

  7. 誤りは誤りではない

  8. 葛藤を感じたならそれが今の限界であることを知ろう