後継者

困りごとの解決策を探さない人々

先日ある商品を買いました。
それを利用し始めて数か月で破損。
使えなくなってしまいました。

たまたまある人との会話で、
「その状態だったら、メーカーで新品交換してくれますよ」
とのこと。

私は物理的な問題だったので、メーカー保証は効かないものだと思っていたのですが、そのメーカーは割と顧客寄りの対応をしてくれているそうです。
その事を知らなければ、新たに買いなおすところでした。

このように、知らないということで私たちの選択肢は狭まります。
そもそも、知らないことで失っている世界があるのではないでしょうか。

 




こんにちは。
中小企業二代目サポーター田村薫です。

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ぼんやりと眺めていると、後継者・二代目経営者はこんなタイプわけができそうです。
問題解決に対する情報収集に貪欲で、常に情報・知識を求めている人と、
あまり、自分の現状の知識の外にあるかもしれない解決策を求めて動こうとしない人。

意外に聞こえるかもしれませんが、後者の方は非常にまじめなタイプに多いと思います。
けっして、やる気がないわけでもないし、決められたことはコツコツと真剣に取り組まれています。
しかし、新しいこと、未知の事に対して、あまり手を伸ばそうとされないようです。
簡単に言ってしまうと、保守的、と表現できるのかもしれません。

 

知識は、いってみれば脳細胞そのものではないかと思います。
知識がなければ、思考は制限されます。

たとえば、足し算しか知らない人と、掛け算を知っている人でこんな違いが出てきます。
100円の商品を1000個売ったらいくらの売上になるか?
これを把握するために、足し算しか知らない人は、100円を1,000回足し算するわけです。
ミスも出やすいし、時間もかかる。
これを改善するために、出来ることは、100円を100回足し算する人を10人集めて手分けして計算する。
最後に、10人の答えを足す。
まあせいぜいそんなものでしょう。

しかし、掛け算を知っていれば、一発で答えが出ます。

 

仕事においても同様です。
売上アップを図りたい、と考えたとしましょう。
残念ながら多くの人は、その方法について今やってる以外のことは知らない。
だから、営業を頑張りましょう。
この一言で終了です。

社員の結束を固めましょう、と考えたとしましょう。
やはりその方法を知らない。
だから、飲み会をしようとか、社員旅行をしようとか考えるのかもしれません。
で、社員旅行なんて行きたくない、という若い社員の言葉に頭を悩ませる。
その時点で、目的と手段が逆転し、どうすれば若い社員が社員旅行に来るだろうか?
なんていう事を必死に考えているかもしれません。

 

インプット(入力する情報)がすくなければ、アウトプット(出力するアイデア)は限定的です。
おそらく、後継者や二代目経営者の方にとって、一般の社員さんの言葉はどこかレベルが低く感じることがあるのではないでしょうか。
それは純粋に、あなたの頭にインプットされた情報ほどに、経営に関する情報をインプットする機会が彼らにはなかったからではないかと思っています。

 

掛け算を知らない人間にとって、100円のものを10000個売ったときの世界を把握するのはほぼ不可能でしょう。
売上アップの方法を人海戦術意外に知らなければ、大きく飛躍することは難しい。
社内のマネジメント手法を飲み会以外に知らなければ、身体を壊してしまうかもしれません。

 

そこで考えてみてほしいのです。
経営に携わる以上、何かしら悩みや解決したい問題の一つや二つはあると思います。
その問題を解決するために、いったいどんな努力をしたでしょうか。
どんな情報収集をしたでしょうか。

文字に書くと不思議な感じに見えるかもしれませんが、実は何もせず頭を抱えているだけの人が意外と多いのです。
何もしないのがいい事とは思っていないものの、何をしていいのかがわからない。
その場合は、その問題に対する知識が圧倒的に不足している可能性があります。

知識は、努力で賄えます。
生まれついての才能は必要ないのです。
では、その知識はどこから得ているのでしょう。

・経営者仲間との会話?
・セミナー?
・読書?
・ネット検索?

方法は何でもいいのです。
まずは、問題解決のどんな方法があるか、関連した知識がどこにあるか、調べてみてはいかがでしょうか。
驚くかもしれませんが、それさえもされない人が大多数なのです。

 

その情報収集のコツを少しお伝えしましょう。
たとえば、
「社員がすぐやめてしまうが、どうすればいいか」
といった個別具体的な問題の解決策を探しているとしましょう。

まさかそんなことをテーマにした本やセミナー、ないんじゃないか・・・
なんて決めつけている人もいるかもしれません。
しかし、あります。
普通に。
うじゃうじゃと。

ネット検索してみてください。
そのままで検索してもこれだけ出てきます。

ただ、これらはコラムが多そうなので、すぐに使えるネタは見つからないかもしれません。

とはいえ重要な情報なので、ざっと斜め読みしてみます。
いくつかピックアップできそうなのは、
・人間関係の問題
・評価制度の問題
などがその原因のなかで大きなものであると考えられそうです。

 

ここから先は、各社の事情がありますから、ネットで言われている事が常に当てはまるわけではありません。
それなり会社の様子を振り返って、人間関係の問題だ、と特定したとしましょう。
では、社内の人間関係改善というキーワードで検索すると、やはり情報がうじゃうじゃ出てきます。

中身を見てみると、これは社員自身が会社で人間関係がつらい、と思っている人に向けた情報が多いようです。
ここで少し考えてみましょう。
この時点で、二つの方法があります。
「社内の人間関係改善」というキーワードを頭に浮かべた状態で、大きめの本屋さんに行きます。
ビジネス書コーナーで、そのキーワードに近いないようのものを色々と物色してみる。

すると、マネジメントという欄にそのテーマに沿ったように見える本が多い。
ああ、こういうジャンルをマネジメントというのか。
そこまでたどり着けば、あとはそこに関連したキーワードで本であったりセミナーであったり、情報をひたすらさがす。
出来れば、「ちょっとちがうかも」と思うテーマのものでもどん欲に学んでおくと、後々つながることもあります。

たったこれだけです。
実際には、どんぴしゃりで「これだ!」と思える情報にたどり着くには時間がかかるかもしれません。
しかし、その過程に間違いなくあなたの知識量は圧倒的に増えているはずです。
その入り口としてやったことは、2つのキーワード検索と、本屋に出かけただけ。

 

日頃の習慣としてやっている人には何でもない事なのですが、
それさえもやらない人が圧倒的に多いのです。

その原因は、怠惰なのでしょうか?
実はそうではないと思っています。
そういう人は、まじめなのです。
まじめゆえに、一歩踏み出した場所に答えがあるかもしれないことに、想像が及ばないのです。

ところで、冒頭、「受けられないと思っていた保証がうけられた」という話。
私は自己完結してたんですね。
物理的な破損だし、常識的に保証による交換なんてできないはずと決めて、調べようともしませんでした。
しかし、実際はメーカーさんは対応していた。
これも知ってるつもりで、聞き分けのいいお客さんになりきっていたのかもしれません。

経営者・後継者の方々も、もしかしたら、知ってるつもりで視界に入っていない情報、たくさんあるのではないでしょうか。
私たちの立場の人間にとって、好奇心・探求心をなくしてしまうことが、実は一番怖い事なのかもしれません。

 

余談ですが、メーカー保証の件を妻に話すと、こう叱られました。
「そんなの(関西の)主婦だったら普通に問い合わせてるよ!ダメもとで聞くぐらいの労力、使いなさいよ!」
と痛いお言葉をいただきました(苦笑)

 

↓こんなところで情報収集してみる、というアイデアもありますよ?

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