跡継ぎ・後継者が視野を広げる方法

専門家というとどんなイメージがあるでしょうか?
ただそのジャンルだけに特化して、ひたすら深く追求した人?
実は私はそうは思っていません。
名のある専門家ほど、自分の専門分野から外れたところの知識が豊富な人、意外と多くないですか?

それは、専門分野の外から見た、専門分野を見ているからだと思うのです。

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例えば私の親は保険屋でした。
その跡継ぎである私は、保険については一時期勉強しました。
それでもマニアックな人は沢山いて、私の周囲には保険オタクのような人ばかり。

そんな保険オタクの人が、あるベンチャー企業に呼ばれて保険の提案を求められました。
しかし、そのベンチャー企業、何度説明しても自分たちのビジネスモデルを保険屋さんに理解させることはできませんでした。
保険オタクな保険屋さんは、保険とその周辺の事にはやたら詳しいのですが、世間のビジネスにはとんと関心がなかったのです。

 

ある人とお話をしていて、「GAFA(ガーファ)」という言葉が出てきました。
これは、Google、Apple,Facebook、Amazonといった時代をけん引する企業の総称です。
その人は今どきのビジネスパースンにとって「GAFA」という言葉は常識と思っていたようです。
私は彼に伝えました。
「保険屋さんで、GAFAという言葉を聞いて、すぐにその意味を思い浮かべられる人は少数派だと思いますよ」

彼は、そんなことはないでしょう、と驚いていましたが、そんなことはありました(苦笑)
その場にいた誰もこの言葉を知らなかったのです。
保険のことは詳しいけど、世の中のビジネスモデルやトレンドに疎いとなると、お客さんからすると
「この人、本当に自分たちのことを分かってくれているのだろうか?」という不安に駆られるようです。

silviaritaによるPixabayからの画像

 

 

 

 

 

もう少し一般化した話をすると、回転寿司の事例がわかりやすいかもしれません。
回転寿司はもともと、高いイメージのあった寿司を一皿100円で提供したことでここまで日本の外食産業の中に食い込んできました。
たしかに、100円という安さは大きな武器だったと思いますが、実はもっと大きな要素があったように思います。
それは今までのカウンターの寿司屋さんでは、おあいそのタイミングまで「何円分食べたかわからない」という不透明なシステムが人を遠ざけていたように思います。
一皿100円であれ、300円であれ、いくら食べたかが自分でわかれば、それなりにヒットしたんじゃないかと思います。

こういったことは、寿司職人としての視野ではたぶんわからない。
なぜなら、それが業界のしきたりだし、きっとウチの大将に「明朗会計」をていあんしても、「そんなことを求める客はいらねー」となるんじゃないか、なんて心配もありそうです。
一旦、業界の外に身を置いてみないとわからないことって、やっぱりたくさんあります。

 

先日、あるビジネス情報誌の編集委員の方とお話をさせていただきました。
私が30年近くいる業界の、いい部分も、そうでない部分もよくご存じです。
まだこの業界のことを学び始めて、数年程度のキャリアですが、そこにどっぷりつかっている人より業界への賢明な意見をお持ちです。
なぜそんな、業界的にはひよっこな人が賢明な意見を持てるのか、といえば、第三者として俯瞰しているからです。
もう一つ言えば、ジャーナリストですから、その業界そのものを常に批判的な目で見ている、という事もあるでしょう。

一つの業界に属していると、同朋感覚を持つというか、なんとなくそのコミュニティを汚してはいけないような思いを持ちがちです。
そうすると、業界を守ろう、という意識が働き、時にその考えは顧客の利益と敵対します。
たとえば、世の中のほとんどの業種は、その存在が不要になることが終極の目的ではないでしょうか。
医者は、身体を悪くする人がいるから必要なわけで、そんなことがなくなれば医者は不要になります。
つまり、人間にとって最もハッピーなのは、医者が不要な時代が来ることです。
しかし私たちは(特に専門性の高い仕事ほど)その職業にしがみつくあまり、その職業の存在を守ろう、守ろう、と無意識に行動します。
結果として、社会が求めない活動をしている業界はけっこうあるのではないでしょうか。

 

そこまで極端でなくとも、どっぷりと業界の中心で物事を考えるのではなく、一歩外からそれを眺めるくらいがちょうどいいとするならば、後継者はその視点を獲得しておきたいところ。
そのためにとても大事なのは、批判的な眼です。
これ、親の仕事がキライな後継者って多いと思いますが、そういう人ほどその会社を継ぐ才能があると言えます。
親の仕事大好きな人は、批判的な目を持つことが難しい。
それをいきなりクリアしているとしたら、それはとても大きな強みの一つです。

この強みをぜひ生かしてほしいと思うのですが、多くの場合はそこに罪悪感を持ってしまうのです。
ああ、なんで俺は、親の仕事を好きになれないんだろう・・・と。
たぶんそれは逆で、自分が親の仕事に合わせるというより、親の仕事の嫌な部分をつぶして、親の仕事を自分の感性に合わせる方向に行くのが健全だと思います。
そしてその動きが、会社を延命させてくれます。

yasutoshi kanamiによるPixabayからの画像

 

 

 

 

 

 

さて、話を続けましょう。
業界に対する批判的な視点だけでは、単なる批判者。
批判する以上は、それなりに代案が必要になってきます。
その代案をどこから引っ張ってくるかというと、他の業種・業界から、というのが非常に手っ取り早いのです。
実は、ある業界では当たり前のことが、他の業界では全く行われていないことって結構あります。
ただ、他業界のことを自分の会社に応用するにはちょっとしたコツが必要です。

それは、一旦他社の事例を抽象化しなくてはなりません。
先に見た回転寿司のケースでは、明朗会計というキーワードに至らなければ、「商品を回す」とか、「均一セールをやる」とかわけのわからないところに話は飛んでしまいます。(まあ、それも試してみればいいとは思いますが)
見たままを応用できないのが難しさなのですが、人は考えるという手間を非常に嫌います。
だから誰もが「見たまま」真似でいる事例に飛びつきます。
すると、誰もがやってることだから、価値は一気に下がります。
大事なのは同じ業界で誰もやっていないことを自分たちがやらなければ、差別化にはなりえません。

だからちょっと考える、というひと手間を加えればいいのです。
この考える癖を組織的に作れたら、こんな強みはなかなかありません。
これは組織そのものを強くする習慣ともいえるかもしれませんね。

 

こういったことを学ぶために、常に新しい人、新しい人脈を作るべく、外に出ることが大事なのではないか。
最近私はそんな風に思っています。

 

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