後継者

後継者が自分を客観的にみる方法

自分を客観的に見ることは難しいといいます。
なぜなら、自分に都合の悪いことを見ないようにするからです。
こころでは見ようと思っていても、無意識がそうさせないのです。
実際に、自分と向き合うセミナーやワークショップにおいて、自分と向き合う時間には、異様に眠たくなる人が増えるのです。
これも、自分が見たくない内面を見せないための人の心の仕組みと言えそうです。

では、どうすれば自分を客観的に見ることができるのでしょうか。

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昨日、あのイチロー選手の引退会見がありました。
その様子に多くの人が心打たれた、とSNSなどで訴えています。

ところで、記者会見と言えば、私が想像するシーンはあまりいいものではない事の方が多いです。
たとえば、企業や政治家の謝罪会見。
テレビなんかで放映されるものは、どちらかと言えばそんなものが多いのではないでしょうか。

 

さて、これは私だけなのかもしれませんが、そういった「記者会見の席に自分が座ったとしたら?」ということをイメージすることがあります。
いい時も、悪い時も含めてです。
特に悪いときというのは、実は自分の考えが独りよがりではないか?というチェックになるな、という感触を得ています。

たとえば、記者会見の席上、記者にこう聞かれたとします。
「あなたは、なぜ、親の会社を辞めたいと思ったのですか?」
私は頭にこんな回答が浮かびます。
「親が横暴だから。社員も自分の指示に従わないし・・・」

さらに、記者はツッコんできます。
「社員が自分に従わないのは、リーダーシップの欠如ではありませんか?」

「・・・・」

記者は追及の手をゆるめません。
「親が横暴だと言いますが、本当に親の責任なんですか?」
私はムカッとして反発します。
「そりゃあそうですよ。こんなこともするし、あんなこともするし、その横暴さと言ったら・・・」

なんだかわかりませんが、必死に記者を、そしてその先にいる多くの人たちを説得しようと頑張っている自分に気づきます。

そこで思ったんです。
ああ、自分はわかってほしいんだな。
理解してもらい、受け入れられたいんだな、と。

そんな視点で改めて自分の主張を振り返ってみます。

「親が横暴だから。社員も自分の指示に従わないし・・・」

なんだか駄々っ子みたいで、恥ずかしくなってきます。

たとえば、上手くいかないのを、親のせいや社員のせいだと考えていたとします。
それを公の場で声高にいったところで、自分の価値を貶めるだけでしょう。
一般の人から見れば、「アイツ、責任逃ればかりしてる」と。
責任逃れということは、「じゃあ、あなた自身はどうなんですか?」という思いが一般大衆にはあるわけです。
人のことをあーだこーだいいますが、あなた自身はちゃんとやってるんですか?、と。

 

だから今度は、完ぺきに親や社員をコントロールしようとし始めます。
ルール化、仕組化とかいう言葉を使って。

しかし多くはうまくいきません。
自分以外の人の行動を完ぺきに制御することは、ほぼ不可能です。

 

謝罪会見で比較的評価を受けやすいのは、言い訳をせず、正直に状況を受け入れ、明確な軌道修正を決断することだと思います。
不思議なことに、言い訳をして、自分の地位や権威を守ろうとすればするほど、攻撃を受けやすくなり、
結果を受け入れ、無防備に自身の責任を認めると、周囲は納得しやすくなるように思います。

つまり、現状を受け入れ、自分がその状況に責任を持つということこそが、窮地を乗り越える方法といえそうです。

 

今現在、幸いにして、不祥事を起こしたわけでもなければ、謝罪が必要なシーンではないと思います。
記者会見の必要はないわけですが、記者があなたにマイクを向けてこう聞いたとしましょう。
「後継者としてなぜ思ったような行動ができないのでしょうか?」

その時に頭に浮かんだ言葉があるとしたら、その状況をまずは受け入れてみましょう。
親がガンコとか、社員が動かないとか、そういう現実は避けられない現実であり、後継者としての前提です。
その前提を踏まえて物事を組み立てていくことがとても重要だと思います。
そして、その方が精神的には、圧倒的に楽です。

 

さて、私は今も時々頭の中で、ヴァーチャル記者会見を開きます。
その発言を他人のように眺めてみると、いつもいろんな発見があります。
良かったら移動中などに、スマホを見る手を止めてやってみてください。
新たな発見があるかもしれません。

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画像提供 Moritz D.によるPixabayからの画像

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