後継者

後継者・二代目経営者、創業者世代を恐れるに足らず

「おでこ、出さんかい!おでこ」
ある、ゴリゴリの創業社長。
名前を付けるとすれば、岩石岩男といった風情のおじさん。
私が20歳代の頃、その岩石岩男に言われた言葉です。

岩石岩男の主張はこうです。
おでこを隠す髪型は、自信のなさの表れだ。
だからおでこを出して、オールバックにすべきだ。
素で勝負せよ。

顔では、あはは‥…そうっすね、なんて笑いながら、心の中では
「何を言うとんねん、このくそオヤジが!」
と毒づいていました。

 

おでこを出すか出さないかはともかくとして、いまなら岩石岩男の言いたいこと、なんとなくわかるような気がします。
あの時私は、いかに目立たないか?を意識しながら生きてましたから。


私の著書です。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

親の会社を継ぐ技術

親の会社を継ぐ技術

 

 

 

 

 

 

ブラッシュアップアカデミー(無料版)


 

 

小冊子無料ダウンロードはコチラ

 

私が父の会社に入社したとき、もっとも大事にしていたのが、
「目立たない事」です。
生意気に思われたくない、目をつけられたくない、ひっそり暮らしたい。
私の父はスター選手で、自己顕示欲の強い人。
目立とう、目立とうとする。
これ幸いと、私はその影でひっそりと誰にも知られずに暮らしたいと思っていました。

もう一つ、割と気にかかることがありました。
それはある先輩のアドバイスです。

「親子であっても会社では父は社長であり、子は平社員。
決して親に逆らってはいけないし、親を敬うべきであり、
なにより親を社長として立てるべき」

こんな言葉が、わりと強く私の印象に残っていました。

 

そもそも私は、自分に自信を持てないタイプです。
自分ごときが、年長者に意見するなど‥‥‥。
そんな思いもありましたので、
はじめは、すんなりそのアドバイス、
受け入れることができました。

 

その結果、私が選んだ振る舞いは
日影でひっそりと暮らすということ。
誰にも意見しないし、主張もしない。
叱られるのも目立つことだから、
叱られないよう、言われたことだけは一生懸命やる。

 

そんな生き方をしていると、
冒頭のような言葉をよく投げかけられたわけです。
きっと、私の事がよほど自信なさげな
線の細い男に見えたのでしょう。
このくそオヤジ!お前がナンボのもんじゃい!
なんて心でつぶやき、笑顔で接する。
小物感満載の二代目の出来上がりです。

たぶん、やっぱり、
親の七光りで偉そうにしてるとか、
そういうことを一番言われたくなかったんでしょう。

 

しかし逆に、力不足の二代目のイメージを
周囲に振りまいてたことでしょう。

 

 

つまり、どっちにしても二代目はしょせん二代目。
目立たなければ弱いと言われ、
目立つと親の七光りといわれる。
どっちをとってもまずい状況が予想される。
そんな状態になったとき、
「ええい!」
とシャア・アズナブル的な掛け声とともに、
どうでもいいや、と思い始めたわけです。

 

まあ、やりすぎのビッグマウスはそれはそれで抵抗を受けるでしょうが、
普通に自己主張してる分には、さほど嫌な思いをすることもなかった。
というか、腹を決めると今まで嫌な事と思ってたものも、嫌でなくなるんですね。

同業者の中で孤立するとか、
講師として呼ばれて話をしても、
だれも懇親会では寄ってこないとか、
パーティーの席で一人ぼっちだとか。

 

それをハブられてると感じるか、
誰一人俺様に近づけないとかんじるか。
要は気持ちの持ちようなわけです。

 

いろんな経営者が集まる場に行くと、
二代目社長ってだいたいわかるんです。

話好きで、好印象。
ゴリゴリな主張はしないし、空気もそこそこ読む。
優しくて、とげがない。
そして・・・

存在感が薄い。

 

けど、じっくり話してみると、皆さん個性派です。
心の中には、すごく輝くものを持っているのに、
それを隠そう、隠そうとしてるわけです。

私が本性出さなかったように。

とはいえ、漏れてますよ、その個性(笑)

 

せっかくだからそれを存分に発揮してほしい。
実は、二代目経営者って
自分がもってる一番の強みを隠しながら
世間を渡ってるように思います。

それを小さいころから押さえつけてきた親と働くのだから
無理もないかもしれませんが。
もちろん親は善意でそうしてます。
それが親の役割の一部でもあるから。

 

けど、そろそろ底から脱してもいい時期じゃないかな、
そんな風に思うんです。
私がそれに気づいたのは、もう40歳を過ぎてから。
それでもまだあきらめてませんよ(笑)

ところで、その後岩石岩男とはどんな関係になったか。
実はある時、私、ブチ切れました。
「岩石社長のようなモーレツバカと一緒にせんとって下さい」
でボコボコにされたって?
いえいえ、
「お前、思ったより骨があるやんけ」
ということで笑っておられました。
創業社長は、みんなMだとその時確信しました。

 

公害まき散らして、
資源使い尽くして、
年金の原資を喰い散らかして、
既得権益を手放さず、
稼いだお金を自分の中に抱き込んで、
人口問題に何ら手を付けず、
高速道路を逆走し、
アクセル踏み違えて若い命を奪い、
会社を私物化し、
子どもを自在に操ろうとし、
次世代の社会より自分たちの利益を重視し、

数々の試練を与えてくれる先代世代に、
次世代経営者の同志として、
逆襲してやりましょう(笑)
大丈夫、彼らはMですから(?)

 

そのために必要な一歩は、
あなたの個性を取り戻す事なのかもしれません。

 

小冊子無料ダウンロードはコチラ


私の著書です。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

親の会社を継ぐ技術

親の会社を継ぐ技術

 

 

 

 

 

 

ブラッシュアップアカデミー(無料版)


 

 

関連記事

  1. 先代の影響力が強すぎて「影響力を持てない」と嘆く後継者の方へ

  2. 無理目の事でも言ってみる

  3. 後継者が人を従わせたいときの心理

  4. 後継者トレーニング(14)後継者はスピード感を身につけよう!

  5. 後継者が身につけたい「任せる力」

  6. 後継者は、「事業承継」にとらわれすぎていないか?

  7. 後継者は優しいだけより、たまには無茶を言ってみる?

  8. 先代経営者の高齢化と後継者・二代目社長の待ち時間

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。