心理学における三大巨匠の一人、アルフレッド・アドラーはこういったそうです。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」
親子で会社を継承しようとする際、「ビジネス上の考えの違い」がもとで親子の確執が起こると考えられがちです。
しかし、その本質は、ビジネス上の方向性の違いなどはその問題の表面的な部分です。
本質的な部分は、まさに対人関係の問題である。
私はそう考えています。
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先日、縁あって「親業訓練協会」のセミナーに参加してきました。
そこで、ゴードン博士のコミュニケーション講座の初級課程を修了しました。
親業?ゴードン博士?
なんじゃそりゃ、って感じの方が多いと思います。
ざっくりいうと、親子の関係の中で親の役割というのは「子を自立した大人に育てること」と考えられます。
それは役割である以上、ある意味親の仕事である、という考え方に則っているため「親業」と名付けられているようです。
そしてゴードン博士は、米国の心理学者。
具体的には、親業の中では特に、親と子の対立を感情と切り離して解決し、子の自立を促すコミュニケーションメソッドを開発した親業の創始者。
なぜこのようなセミナーに参加したかというと、このメソッドは大人になった親子関係にも使える、と感じたからです。
つまり、親子の事業承継における、親子の対立解消のヒントがここにある、と踏んだからです。
いずれ、インストラクターになるつもりですので、その際にはぜひセミナーに来てくださいね(笑)
そんな宣伝はさておき、冒頭のアドラーの言葉、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」というものに、私はすごく共感します。
その中でも特に濃密なものの1つが、親子関係と言えるでしょう。
例えば、仕事の進め方において、自分と同僚なり先輩とで意見が食い違ったとします。
その場合、いったいどのような解決策があるでしょうか?
きっといろんな方法が見つけられるはずです。
すぐに思いつくのは、両方の方法を試してみて検証してみるということです。
きっと建設的な意見交換をすれば、いろんな方法が思いつくと思います。
しかし、親子における経営方針の食い違いでは、そのようなアイデアは出てこないのが一般的。
親の方法に子が従うか、子の方法に親が従うか。
それができないなら会社を去れ、なんて話もありますね。
わりと記憶に新しい、大塚家具の事例だってそうです。
親子で戦略の対立が起こったなら、パイロット店舗を作ってみるとか、別ブランドを立ち上げるとか、方法はいくらでもあります。
しかし実際は、そういった譲歩もなければ提案もない。
どちらかが正しいか、誤りか、というもはやつぶしあいに近い抗争が起こってしまったわけです。
これを感情論と言わずして、何と言いましょう。
親子の事業承継で起こる対立は、方法論の対立ではありません。
感情的な対立以外の何者でもないのです。
だから、相手の人格否定をし、相手の提案を完膚なきまで叩きつぶすまで終わらない。
事業承継の問題もまた、アドラーの言うように、対人関係の問題なのです。
つまり、どれだけビジネス上の素晴らしい提案をしようとも、親子の確執は解くことができません。
後継者がどれだけ成長しても、やはり親子の確執は残ってしまいがち。
もし、親子での経営が精神的にきつい、と感じるのなら人間関係に注目しなければ解決策は見えません。
単純な結論は、お互い人として成長しようよ、ということです。
そしてこれは、会社が未来永劫発展するキーワードになるんじゃないかと思います。
たとえば、勢いのある会社がスゴイ朝礼をやっているとか、やたらと掃除を徹底的にやっているとか、礼儀作法を教育するとかは何をやっているかというと人間育成だと思っています。
「1000年企業を作るコツは、良い人を作る人」と喝破したのは、故船井幸雄先生です。
後継者である私たちが、自分はもとより、周囲の人の成長をファシリテートできるようになれば親子関係のみならず、会社の持続的発展にも寄与できるスキルにもなりえます。
後継者はきっと、親を通じてそんなことを学び、会社の社員を通じて世の中にその成果を問うという役割を持っているのかもしれません。
親子関係の改善は、歴史に名を遺す経営者としての入試のようなものなのかもしれません。
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