繰り返し同じ問題が起こるとき

仕事をしていると、こんなことを経験することはないでしょうか?
●いつも同じ時期に、似たようなトラブルが発生する。
●いつも同じお客さんから、何年かに一度同じようなクレームがある。
●いつも同じようなトラブルが、登場人物を変えて発生する。
もし、このようなことがあるとすれば、根本的な問題を探る必要があるかもしれません。

私たちは、多くの場合、仕事上で起こるトラブルは単一の事件として捉えがちです。
しかし、実際には多くの問題がつながり、繋がった問題の一部を、現象の一つとして認識するというのが一般的ではないかと思います。
たとえば、ある年度に営業を頑張って、良い業績をおさめたとします。
その結果、見込み客が枯渇すると同時に、顧客への無理なセールスで関係悪化を招き、翌年の営業成績は非常に困難を極める、というケースがあります。
この場合、営業を頑張ったがゆえに、長期的に見てビジネスが難しくなる、という相反する結果が出てきます。

比較的現実によくあるのが、会社の売り上げが上がるときに限って、従業員の問題が露呈するというパターンがあるようです。
売上が上がってよかった、とほっとしていると、従業員から処遇への不満をぶつけられたり、クーデターまがいの事がおこったり、キーになる社員が退職すると言い出したりします。
売り上げを上げるために社員の尻を叩いたから、不満が噴出したというレベルのシンプルさであればすぐに原因はわかります。
しかし、実際に起こる問題はもう少し複雑なことが多いようです。

 

私自身の経験として、数年に一度必ずと言っていいほど事務社員が辞める、というジンクスがありました。
当初はあまりそういった事に無関心でしたから、さほど大きな問題とは考えてはいませんでした。
極端な言い方をすれば、社員に変な癖がつく頃には辞めてくれるなら、それはそれで会社の新陳代謝になるだろう、とさえ考えていました。

しかし、ある時、事務社員が一斉に辞職願いを持ってきた時には背筋が凍りました。
実は社員が数年ごとに辞めるというループの奥には、対処できていなかった原因があることがわかりました。
それは、まさに家族経営にありがちな、ファミリーと一般社員の見えない境界線のようなものであるらしいことでした。
もともと、すでに私と先代との間で意見がかみ合わない部分があったのですが、社員が数年ごとに入れ替わるループの遠因が、私と先代の食い違いからくるよそよそしい振る舞いだったことに気づいた時には慌てふためきました。
正直、意見が合わないなりに、この場はしのいで、先代の身体が弱ってからやりたいことをやろう、と悠長なことを考えていましたが、その事こそ今すぐ取り組まなければならない問題と認識した瞬間です。

定期的に社員が辞めるのは、本質的な世代交代ができていない事のシグナルだったという想像もしなかった展開だったと私は考えています。そこに気づいたおかげで、今の社員とは良好な関係を築けていると自負しています。

さて、こういった周期的に起こる問題は、事例が少なかったり、その周期性や規則性に気付かなければ、ただの偶然とかたずけられてしまいます。
ああ、また起こった、と対症療法を繰り返していると、次第にその問題は大型化してきて会社を揺るがしかねない状態のところまで最大化していきます。
ですから出来れば、早めに芽を摘みたいところです。

しかしこればっかりは、各社の状況に応じて様々な状態があるために、それをキャッチすることはなかなか難しいのです。
一時的に経営コンサルタントが入ったところで、それを見抜くことができる人はほとんどいないでしょう。
しかも、問題の気息性だけがわかっても意味はなく、その奥にあるブラックボックスの中身を解き明かす必要があります。
それをキャッチし、暗号を解き明かすのは、会社に継続的にかかわる後継者しかいないわけです。

 

もし、繰り返し起こる問題があるとしたら、こう問いかけてみてください。
「この問題が示すことの裏には、どんな本質的な問題が潜んでいるのだろうか?」と。
単なる偶然というのは、意外とないものです。

 

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