親の会社を継ごうとしたものの、嫌になってしまった。
そういう後継者は多いと思います。
辞めたい理由をいろいろ考えることもできますが、意外と考えていないことがあります。
それはどんなことなのでしょうか?
私の著書です。
私もそういう時期がありました。
その理由を数え上げてみたものです。
仕事がうまくいかない
そもそもその仕事は自分に合っていない
親は自分のことを認めてくれない
社員は自分のことを軽く扱う
・・・書いてみて思うんです。
俺ってただの駄々っ子やん、と。
じゃあシチュエーションを変えてみたときに、上手くいくんでしょうか?
当時の私は、これが家業の業種でなければ、
親もとでの仕事でなければ、
もっと楽しいし、もっとうまくできる、と信じていました。
転職していれば、上手くいったかもしれないし、上手くいかなかったかもしれません。
上手くいったなら、きっとすべてがうまく回ったことでしょう。
転職した先が、場合によってはもっとうまくいかないことがあるかもしれません。
じゃあその時の自分をそう思い浮かべてみます。
仕事がうまくいかない
そもそもその仕事は自分に合っていない
上司は自分のことを認めてくれない
社員は自分のことを軽く扱う
きっとこんなことを言っているのでしょう。
お気づきかもしれませんが、私の心の声は赤字の部分。
親の会社にいたときには「親」と会った部分が「上司」に変わっただけのコピペです。
このことからわかるのは、上手くいかないことを「環境」のせいにしているわけです。
そりゃあ素晴らしい環境に恵まれればありがたいですが、いつもそうだとは限りません。
そういう時には、自分を変える以外には、変化を起こす方法はありません。
なぜ環境のせいにするかというと、その環境を「自分で決めた」という感覚が薄いからです。
親に言われたから仕方なく継いだとか、親の気持ちを考えて継いだとか、自分の意志ではないわけです。
ダメな選択肢を順番に削っていった結果、ここに落ち着いたということ。
だから、当時あった検討項目のうち一番マシだったから家業に就いたのではないでしょうか。
自分で積極的に決めた、という状況ではなく、消去法で残ったくじを引いた感じでしょう。
当時に戻ってやり直すことはできないから、せめてリセットボタンを押そうと、家業をやめたいと考える。
そして、辞めたとして、上手くいかない壁に突き当たると、赤字のような思いをいだく。
それをなんだか同じこと繰り返してるやん!と感じるまでにはちょっとばかり時間が必要かもしれません。
だからと言って私が、「その場で踏ん張れ」というのもおかしな話です。
私がアドバイスするなら、どちらでもお好きなほうをどうぞ、と言います。
ただ一つ気を付けてください、とお伝えしたい。
こんどは消去法で選ぶのはやめましょうよ、と。
ところで、壁を感じるときは、従来の自分では乗り越えられない時です。
その壁は逃げても逃げても追いかけてきます。
だから、逃げずに向かい合う必要があります。
逃げるというのは、たとえば、先の話のように環境のせいにするとか、人のせいにするとかいう話です。
逃げずに自分を変えろというと、どうしても「今足りないスキルを磨け」と言われているように勘違いする人がいます。
私もその一人で、例えば売れないセールスマンが、一夜でトップセールスマンになるのは難しいでしょう。
がむしゃらに早朝から深夜まで働くというのも、なんとなく熱血アピールっぽくて寒々しいものがあります。
自分を変えるというのは、まずはものの見方を考えるだけでOKなのです。
仕事がうまくいかない、という前提で物事を見ています。
しかし、それは本当ですか?
自分で勝手に「自分はこういうレベルで仕事が出来なければだめなんだ」なんて言う世界観を勝手に作ってないですか?
あるいは、「親に認められるようにならなきゃいけない」と思ってませんか?
きっとどこまでやっても、親はあなたが思うようにあなたのことを認めてくれないと思いますよ。
そのからくりはほかの記事で書いてます。
まあなんにしても、自分で勝手に作ったファンタジーの世界の自分と比べて、仕事がうまくいっていないと決めつけてる人は多いんじゃないでしょうか。
「俺、そこそこデキてるやん。まあ、課題はあるけど、それはおいおいクリアしていけばいい」
と思えたとしたら、それだけで世界は変わっちゃいます。
そして心にゆとりができると、脳みそは活発に動き始めます。
そうすると、辞めるか?辞めないか?という少ない選択肢ではなく、もっと創造的な思考が可能になるんです。
脳の構造上、そうなっているんですよ。
そうやって考えたとき、「自分は本当はここではなく、あそこにいたい」という場所が見つかれば、そこに行けばいいと思います。
止める人もいるかもしれませんが、「やりたい」という思いがあるならきっとそれが正解です。
ここに居たくない、と理由で辞めるよりよほど建設的で、悔いも残りにくいと思います。
やりたくないことを遠ざけるのではなく、やりたいことへ近づくにはどうすればいいか?ということをベースに考えてみてください。
少しは、自分なりの結論に近づけるんじゃないでしょうか。
私の著書です。