後継者

自分の夢は「世界の平和」であるという後継者、「親の夢を叶える」という後継者

ときどき、こんなことを言う人がいます。
「私の夢は、世界平和です!」
まあ、それはいいと思います。
けどそういう人のブログをチラ見してみると、
50万円の時計を買うか買わないかを迷ってるシーンがたまたま目に入る。

そ、それ、ちっさくねーか!?
思わずスマホ画面に向かってつぶやきました。
ああ、この人の言う「世界平和」という夢に違和感があったのはなく、
その夢をこの人が語ることに違和感があったのだと気づく。

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たまに以下のような言葉を連発する後継者と出合います。
SNSを見ると「成幸」とか、「志事」とか言う言葉遊びが大好きなタイプの人です。

「こころをこめてお志事」なんて言う表現ですね。

僕は、どちらかというとそういう表現があまり好きではありません。
なんだかイラっとするんですね。
まあ、それは私の個人的問題ですが(苦笑)

 

しかし、人の無意識は、こういうところに出てくることがあります。

言葉の意味は、「志事(しごと)」っていうのは「世のため人のためになる仕事」なのだそうです。
対義語が「私事(しごと)」で、自分のためになる仕事のこととのこと。

人間は自分ができてないこと、コンプレックスになる事を言葉にしますから、
「志事」と連呼している人に限って、私利私欲にまみれている可能性が高いわけです。
一見そうは見えないし、本人も悪意を持っているわけではないのですが、自分が満たされていないのです。

 

まあ、そもそもその手の自己啓発的な考えに惹かれる人は、だいたい自分が満たされていません。
なぜわかるかと言えば、私がそうだからです。
だから自分を満たすために(自分はいい人だよと思い込むために)「志事」とかいってますけど、たいていは頭のなかは自分のことがぐるぐる回ってます。
というか、自分のこと以外考える余裕はないことが多いと思います。

人は、自分をより良く見せるために他人をだますのですが、それを難なく行えるよう、自分をだますことをいとわないのです。
自分では、「志事をやっていくぞー!」と思い込んでるけど、無意識の領域は私事で頭がいっぱいなんてことはざらにあります。

skeezeによるPixabayからの画像

さて、たまにですが「私の夢は世界平和を実現することです」という人がたまにいます。
それ、アリですよ。
いいと思うんですけど、これももしかしたら、「世界平和なんてどうでもいい自分」を隠すためにそう言ってるかもしれません。
もちろん自分は本心から言ってるつもりなんですけど、裏の本心は別のところにある、というのはよくあります。
で、こういう人は、周囲から見ていると明らかに違和感があります。

世界平和が夢で、それに向かって努力してるはずなのに、50万円の腕時計が気になるのです。
なんかこのギャップが、どこか変じゃないですか?

こういう人は、私は無理をしてると思うんです。
世界平和というより、世の中のことより、まずは満たされない自分を何とかしないと・・・と思うんです。
まずは正直な自分をとらえてみよう!とアドバイスしたくなります。

とりあえずの目標は、世界平和の実現でいいと思います。
そしてそこに向けた努力を、出来る範囲でやればいいと思います。
けど、たぶん、なんだか熱中できてないというか、無理やりそこに気持ちを振り向けてる自分を感じることってないでしょうか?
もしあるとすれば、なぜムリヤリなのかな、ということを考えてみる時間をとってもいいと思います。
たいていは、そういうことを言っていることで受け入れられている自分がかわいいからだと思います。

 

同じことが、「親の夢を叶える」ために後を継ぐ、という人もいます。
世界平和からすると、グッと現実的な話になってきました。
けど問題の起こり方はおんなじです。
親の夢を叶えたい自分て言うのは、もしかしたらいい人ぶった自分かもしれないなぁ、と私は思います。
こういうことを連呼する人は、連呼しないとやってられないんです。
つまり、本心はそこにはないから、言葉にすることで自分に暗示をかけようとしてるんですね。

あーあ、このことに気付いちゃったらちょっと大変です。
今までは親の夢を自分の目的地に設定すればよかったので、考えなくてよかったんです。
それが、「もしかしたら自分の目的地じゃないかも」とわかっちゃうと、目的地探しから始める必要が出てきます。
これが本当の親離れです。

これはこれで大変なんですが、死ぬ間際にきっとこう思うと思います。
「あの時気づいてよかった」って。

 

何が言いたいかというと、こういうことです。
人間そもそも根っこからいいやつで、世のため人のために本気で生きてる人なんてそうそういませんよ。
みんなどこかしら、人に見せられないドロドロの内面を持っているのが普通です。
多くの人はそのドロドロを「まあ、人間だから」と受け入れながら生きてるんですが、たまにそのドロドロに強い嫌悪を感じる人がいるんですね。
こんなドロドロがあってはいけない!と感じて、そのドロドロに蓋をしようとするんです。

私の知る限り、親が事業を立ち上げた後継者はその傾向が強い人が多いと思います。
だから、ドロドロ上等!って思えるだけでずいぶん楽になるし、それを自分の周囲に表現できるともっと自由になれると思います。
それが自分の影に光を当てる作業です。
いちど、考えてみてはいかがでしょうか。

DevanathによるPixabayからの画像

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